転生先がエロザルってまじっすか!?(改訂版) 作:二斗島甚兵衛
俺が助けた女の子が小笠原チカと知ったのはそれから数日後であった。
助けた女の子を気にするより自分の未熟な精神に対して苛立ちと焦りがあり、あまり気にすることはなかった。
だが数日後に訪れた彼女らを見て彼女の持ってきた御礼の品の飴をみて、名前を確認して思い出したのだ。
幼馴染いたなと…。
正直に言って幼馴染という存在に対してあまりどころかすっごくいい思い出のない俺にとって、幼馴染という存在は触れないでほしい禁忌にも近い行いであった。堪忍してくれを心の底から切に思う。
そんな願いが届くはずもなく、原作の地にいて、原作のキャラクターに、しかも幼馴染設定のキャラと出会わないわけがなかったのだ。
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最近、小笠原に付きまとわれている。
理由は単純にして明確、庇護下にいることで安心と安全を獲得しているのだろう。
そして彼女はきっとその安心と好きという感情を履き違えているのだろう遠思う。
「ねぇ、いくろーくんはちかのことすきぃ?」
間延びした、甘えるような声音に身体がビクッと反応する。
――――「ううん!全然!むしろ苦手!」と言えればどれだけ幸福なことだろうか。
「んん」と営業スマイルばりの笑顔で本心を隠すしかない。なお、引きつっている模様。
この幼い女の子の気持ちを無下にすることなど俺にはできなかったが答える事もまた。俺にはできない。
俺は前世で、NOと言える日本人ではなかったのだ今世でいきなり鞍替えなど土台無理な話である。
そんな良心につけ込むなんでさすが幼馴染汚い。
ただ、この子は確実に将来俺のことを好きになることはないと思っている。
ゲームではそんな描写一ミリもなかったし、面食いキャラで通っていた、この世界でもそうであると信じたい。信じさせてぇ…ねぇおねがぁい。
もしかしたら俺に窮地にかけるけてきた王子様を妄想しているのかもしれない。もしかしたら正義の見方に見えているのかもしれない。たしかそんなシーンもあった。
そんな妄想の産物を俺に移し見ているこの子はいずれ一般的な価値観を形成する過程で自然となくなっていくものである。
だから曖昧な返事でもしょうがないのだ!俺は自己肯定に走る。
前世の俺も幼馴染という狼の罠にハマった哀れな子羊だったのだろう。
いつものように流れていく幼稚園生活、平和だ…。
そういえば川神院では謹慎は続き精神修行のみの鍛錬を行っている。
あの事件のように感情に任せててをだしてしまうようなことがないように、子供の未熟な心を成長させるために。
鉄心師範の説明では、「お主の盃には今大量の水が注がれておる。幼さにより盃が揺れ、水が沸騰し盃から水が溢れておるから制御が効かぬのだろう。」と当たりをつけて教えてもらった。
おそらく転生の際に、幼少期から成人までの間に起こる精神年齢が身体に引っ張られるという現象を説明してくれているのだと思う。
聞いた話だけで的確に薬を処方していただける鉄心師範は心強い味方であると感じる。
精神修行は鉄心師範が付き添って山へ行き、滝に打たれ流れを感じ、畑を耕すことにより土の力強さを感じ、森の中で自然と一体化するという精神統一を繰り返し行っていた、なにげに子供の体にはきついことを強いられていた。
俺を抱えて山をゆうゆうと飛び越えている鉄心師範を見るとやっぱりこの世界ってやばいと感じる。もっと強く有りたい精神的にも肉体的にも。
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その後、一ヶ月の謹慎状態を終え、晴れて普通の子供修行僧に戻った。普通とはいかに…。
あいも変わらず小笠原は幼稚園で俺について回って来ているが、前よりは距離が遠くなった気がする。おかげでビビらなくて済むのはありがたいことだ。
川神院では鈍ってはいないかと院生さん達にからかわれたが。
おそらく手加減してくれてるであろう試合をすることによってその不安は解消されたようである。
むしろ鋭くなっていると褒められたくらいだ。精神修行により精神的な幼さが解消に向かったとともに気という感覚を掴んだのもあると思う。
鉄心師範の気に当てられ続けて覚醒したのか、精神修行で川神の自然を感じたからなのかは不明ではあるが、成長していると感じられるようになってきた。かわかみのちからってすげー。
気を練る、扱うという感覚はいまいちつかめていないが、今のところは気が感じられるようになっただけでも儲けものだ。
そして気を感じられるようになってから川神百代の戦闘中の気の動きも感じられるようになった。
気を手にまとめて放ったり、自分の身にまとって身体能力や防御力を上げたり、厚くすることによって攻撃を受け止めたり。
野菜人みたいな戦いをしている。げに恐ろしやぁ…。
気を感じ取れるようになり、食い入るように姉弟子の試合を見つめていたからか、最近になってよく絡まれるようになってきた。
俺はこれ幸いにと話しかけ、気の扱い方のコツを教えてもらおうと思ったのだが、どうやら姉弟子は感覚派だったようでギューとかバーン等の擬音で説明してくれた…アリガトウゴザイマス。
姉弟子からいくら聞いても少しもわからないので師範代達に聞いてもらうことにした所、どうやら釈迦堂師範代が教えてくれるということになった…らしい。理由は一言「お前には卑しい気が流れているからルーの手には余る。」とのこと。
何を言われているかわからない。なんでや!わいは清廉潔白な子供やぞ!と訴えてルー師範代のもとに走ろうとしたが襟をつかまれ、ドナドナされてしまった。なんや?いっしょにわるいことすんのか?。
はじめは釈迦堂師範代かぁ~と陰鬱な気持ちではあったものの、説明や教え方は悪くない…むしろ性に合っているとまで思える。
乱暴ではあるが粗雑ではなく、俺は順応するかのように慣れていった。
身体の動かし方、気の練り方、気の動かし方、それをどんどん吸収していく俺を見て釈迦堂師範代も調子に乗ってきたのか、新たな型を超えた技まで教えてもらいはじめた。感謝せざる負えない。
気を感じ取れるようになり、年々強くなっていくことを実感しながら伸び悩むことなくまるで射った矢のように月日は流れていった。
育て…ヨンパチ。
君はヒーローになれる!!
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私を動かすガソリンになりますんで!