転生先がエロザルってまじっすか!?(改訂版) 作:二斗島甚兵衛
サクサクイベントまで進めます。
5.サル、いじめ現場に遭遇する
幼稚園生活も平穏無事(当社比)に幕を閉じ、小学生になった。
☆入学式
父親からは入学祝いにヘアバンドを貰った、ヘアバンドなんて前世から数えてもつけたことない代物ではあったが父親から貰ったものだ、大事に使わせてもらおう。
母親には豪勢な料理を振る舞ってもらい、最高の入学式前夜だった。
小学校ではあいも変わらず小笠原が付かず離れずの位置にいることが続いたが、小学校に慣れていくうちに周りから見られるのが恥かしいと感じたのか、夏休みを過ぎたあたりから少し距離を置いて生活し始めていた。
言い寄ってくる日々もこれで終わりかと、二年生になりクラスが離れる事になって少し寂寥感を覚えながら俺達は離れていった。
そんな離れた生活も一年で終わったんですけどね。
☆小学三年生
小笠原といっしょのクラスになり、なおかつ席替えで隣の席になった。
「育郎じゃない!よろしくね。」と無邪気に話しかけられている俺は口から血を吹き出しつつハートにヒビが入り悲鳴を上げ続けていた。
ソウカーオンナジクラスカーソウカー。
「あーまぁ、またよろしく。」と無難な返事をしておいた。
そっけない態度も慣れたものなのかいい笑顔を返してくる小笠原を見ていると純粋な嬉しいという気持ちが伝わってきて毎回申し訳ない気持ちになる。ヤメテ…ヤメテ…。
あぁ…今日も平和だなぁ(現実逃避)。
あと友達との接し方も変わった。
今までは面倒見てあげるよーわーい頼りがいあるーで良かったがこれからはサッカーしようぜ!くらいが丁度いい塩梅らしい。
一年生の頃は、小学生の友達の作り方など忘れてしまっていたから幼稚園とおんなじスタイルで接していたが、その頃は小笠原が一緒についてきて皆と接していたので順調であったのだろう。
困ったのは離れた二年生の頃である。そういう立場を維持すると頼れる、のみで必要以上に友達になろうとしてくる子供がいなくなった。
頭を捻ってどうしてこうなった?と疑問に思い答えを導き出した。
世が求めているのは先導できる人間なのだ、そうなのだ。今まではコミュニケーション強者の小笠原がいたからなんとかなっていたのだ。
それを理解してから舵を切り、皆と面白い話をしたり、休み時間に自分から率先して遊びを提案して参加した。
そうすると、同学年の子供が寄って来て逆に遊びに混ぜてくれるようにもなった。
無事、はぶられることないやさしい世界に帰ってきたわけである。ビバ、世界平和。
ただ、休み時間は遊べるが下校時間になると帰って修行をしなくてはならないので、放課後はドロンさせてもらう。
放課後人の家に集まってのゲームも楽しいものではあるがこちらにも二度目の人生で命がかかっているかもしれないため、修行をおろそかにするわけにもいかないのだ。
さて、そんな風に学校生活を謳歌している時、有名人の名を小耳にはさんだ。
名を九鬼英雄というらしい。大層有名人なようで、何もしなくても情報が入ってくる。
えぇ知っています知っていますとも。あの有名な九鬼財閥の御曹司であり文武両道成績優秀で顔も良いらしいという天才児である。
最近は野球に打ち込んでいらっしゃるようで。
俺だって負けていない(当社比)だろうが原作のキャラクターかつ有名人の幼少時代というと少し見てみたい気持ちに駆られる。
あわよくばその威光にあやからせていただきたいとも…ついでに揚羽お姉様もこの目で見てみたいとも思ったがそこで思い直した。
そういえばあいつガチガチに守られてんじゃん。窓越しに遠距離狙撃とか周囲警報ビンビンの状況で九鬼英雄に平静を装って話しかけるとか無理だったわ。諦めよう。
武術を習っている俺が不用意に近づいても良い存在でもないだろう。その気になれば子供の首なんてへし折れてしまうのだ、そんなことを思っていなくてもその力を持っているということが問題なのである。
いうなれば拳銃をチラチラみせながら近づくようなものだ。脅し、ダメ、ゼッタイ。
しかも、俺の気は邪気の方が多いらしいし。いらぬ誤解を生んで射殺とか絶対に嫌だ。
同じクラスであれば話しかけてもいいとも思うが、わざわざ他クラスから足を運んで照準を受けながら話しかける程でもない、必要に駆られてからでも遅くはないだろう。
おれはそう納得しながら窓の外を眺める。一時間目の国語の授業を右から左へ聞き流しつつ平穏に流れる雲を眺めることにした。綺麗だなー。
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ある日の休み時間、何時ものように皆が喧噪とともに外に遊びに行く姿をトイレに行ってから後を追うと告げて見送り。
用を足してから外への道を歩きだそうとするときに泣き声が聞こえた。
不思議に思い気配を消しながら歩いていくとそこは同学年の別の教室であった。
泣き声を扉越しに聞き、喧嘩かぁ?と訝し気に扉を開けるとそこには…。
泣いているくすんだ白髪の女の子…とその子に意地の悪いことをしているガキが3、4、5。
遠巻きに見守っていたであろう奴らも1、2、3。
その全員が時が止まっているかのようにこちらを向いて固まっている。
はぁーんこれは…いじめ現場ってやつですかねぇ…。
俺は憤慨しそうではいたが自分を茶化し、何とか下を向いて怒気を押し留めてからニコッと笑い常に携帯していた相棒を手にしてシャッターを押した。
フラッシュとともにそいつらの呆けた顔を相棒の記録に収め、そのままニコリと笑顔をみせて廊下を全力疾走した。
後ろの教室からドタドタと音が聞こえる。
ガキが…生きて帰れると思うなよ。
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Q.学校でいじめを発見しました。あなたならどうしますか?