ウマ娘をプレイして思いついた妄想を吐き出しています。

このSSにはオリジナル男主人公(トレーナー)、ウマ娘達のキャラ崩壊などが含まれます、基本トレーナーとウマ娘とのいちゃらぶSSですが一部、ギスギス展開もあります、苦手な方はブラウザバックをおすすめします。

初投稿なのでお見苦しい点などあると思いますが、ご容赦ください。

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オグリキャップ編 分割です


オグリキャップ 1

オグリキャップ

 

長く伸ばした髪を所々、跳ねさせて

母から貰った髪飾りで控えめなおしゃれ、素朴な印象

 

故郷を愛していて、ちょっぴりホームシック

不器用、口下手、天然、大食い、そして走ることが大好き

 

性格は穏やかで優しげ、以外と繊細

豊かな毛並みで撫でると喜ぶ

 

素朴で穏やかな彼女はときどき変身する

恐ろしいほどの負けん気

静かな闘志が心の内に激しく燃えてる

 

芦毛の怪物、オグリキャップ。俺の担当ウマ娘

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

「トレーナー、お昼にしよう」

 

ぐぅーという間の抜けた音がトレーナー室に響く、いかん、いつの間にか夢中になって時間を忘れていた。

チラリと時計に目をやる、正午ジャスト、本日もオグリキャップに狂い無し

 

オグリの腹時計は非常に優秀で長針と短針が頂上にくると決まってぐぅーと鳴く、俺の知る限りでは遅れたことは一度もない。

 

「あー、今いいところでさ…キリのいいところまでまとめたい…もう少しかかるから先に行って食べててくれ」

「もう少し……どのくらいだ?」

「うーん…三十分くらい?」

「さ、さんじゅっぷん!そ、そんなにっ…ぐっ…うぅ…い、いや、待つ、一緒に食べよう」

 

先に行ってくれていいのに、まあ気持ちは嬉しいしあまり待たせても悪い、さっさと終わらせるとしよう、そう思い俺は目の前の資料に向き直る。

 

トレーナーの本分はウマ娘達のサポートにある、彼女達がレースに全力を注げるよう下準備に尽力する。

オグリは身体を動かし、俺は頭を働かす、役割分担は当然のことだ。資料とのにらめっこはずいぶん慣れた。

ウマ娘達の中には両方こなしてしまう者もいるが必然、負担は甚大な物がある、つまらない雑事はトレーナーの仕事の一つ、トレーナー業は結構忙しい。

 

レースは勝負の世界で情熱だけでは勝てない、勝つための努力は必要不可欠、オグリの努力家で才能もあるから心配はない、ならば俺はどうだ?忙しさは努力を怠る理由にはならない。

 

俺はまだまだ若造でノウハウは少ない、足りない物は別の物で代用する、俺は知識を求めた。レース場の特徴、スポーツ科学、ウマ娘学、ほかにもいろいろ。幸い中央は一級品が集まる、資料には困らない。問題は時間だ、できる限り効率的に進める必要がある

 

尊敬する同期の真似をしてトレーナーノートなんて物を作った、得た知識をノートにまとめる。ノートが埋まっていくのは努力の証のような気がして一種の快感がありすっかりはまってしまった、仕事の合間は勿論のこと休日でも暇があればノートを埋める、今日も休日だというのに机にかじりついている。知識はいくらあっても困らない。

 

 人間とは異なるウマ娘を指導するのだ、半端な知識を振りかざし的外れな指導を行うことほど滑稽なことはない。無知によって俺が恥をかくのは構わない、しかし俺の力量不足はオグリの敗北に繋がる、そう思うと手を抜こうなどと考えられるはずもない。

 

 

ぐぐぅー

 

 

「…先に食堂行ってていいぞ」

「トレーナーと一緒がいいんだ…トレーナーが行くなら行こう、トレーナーが行かないなら行かない」

「?」

 

時計を見るが先ほどからまだ数分とたっていない。

よくわからない、オグリはなんだか頑なだ。それきり黙ってしまった。

 

 オグリの食欲の強さは折り紙付きだ、空腹は何よりつらかろうと俺なりに気を利かせたつもりであったが、思いのほか強い言葉が返ってきたので驚いた、しかしこういうことは珍しくない。不器用で口下手な性格のオグリはその天然さも相まって時として奇天烈な言動をとる。

 

そういえば…少し前までオグリは食事を寮の自室まで持ち帰って食べていたらしい。理由は注目されて恥ずかしいから、同室のタマモクロスから聞いた話だ。俺と一緒のときは周囲のことなど気にしている様子は無いから話半分に聞いていたが。…つまり一人だと恥ずかしいから一緒に食べたい、ということか?それもよくわからない。俺は多感な少女の心境には疎い、今度はそっち方面の心理学を勉強してみるか。

 

 

ぐぐぅーぐるきゅー

 

 

オグリを見ると耳は伏せられ、目尻が大きく垂れ下がり瞳にはうっすら涙が浮かんでいる。空腹を耐えるように腹をさすりながら俺を見つめている。なんだか酷く哀愁を誘う表情だ。

 

 そもそも今日はオグリにとっても休日なのだから街に繰り出すなり、友人と過ごすなり、好きなように休日を謳歌すればよいと思うのだが、最近はもっぱらトレーナー室に入り浸って、宿題をしたりファンレターを読んだり、俺の肩越しに資料を眺めたりして過ごし、昼になると腹を鳴らして俺をお供に食堂へ向かう。この流れはもはや様式美になりつつあった。たまにカフェ巡りに誘われたりすることもあるが、うら若き乙女の青春というにはあまりに味気ない。

 

休日にも机に向かっている俺に気を遣っているのかと思い、一度それとなく聞いて見たこともあったのだが。

 

『これが私のしたいことだ』

 

だから気にするな、それとも迷惑か?などと言われてしまっては、引き下がるしかない。オグリはマイペースなところがあり考えが読めないことが多々ある、これもその一種だろう。

まあオグリのことだからトレーナー室に常備してある菓子類が目当てとかだろう、事実よく食べてるし、その証拠に今日もオグリの前の机には大量のお菓子の包み紙が積まれている。しかしお菓子程度ではオグリの空腹を紛らせることは出来ないらしい、棚のにあったはずの大量の備蓄はすでに底をついていた。

 

 

ぐぐぅーぐるるぐきゅぐぅー

 

 

オグリは無言であったが同時に何よりも雄弁であった。

オグリの空腹をこれ以上無視するのは、とんでもない重罪のように感じたし、どちらにしろこれでは集中できそうもない、白旗をあげることにした。

 

「わ、わかった!食堂に行こう!」

「そうかっ!…良かった実は…お腹が空いていたんだ」

「そうだと思ったよ」

「トレーナーは流石だな、私のことは何でもお見通しだ」

 

他意はないのだろうが皮肉に聞こえるのは俺の心が汚れているからだろうか

よほど腹が空いているのだろう、微笑むオグリに手を引かれ食堂へと向かった。

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

 俺が学生の時分は学生向け食堂というものは安価ということだけが長所で味についてはそれ相応というのが一般的であったが、そこへいくとトレセン学園の食堂はひと味違う。

 

 豊富なメニューの数々、そのどれもが栄養バランスに優れさらに絶品、しかもなんと学園のウマ娘やトレーナー、他の職員に対しては無料で提供される。これは素晴らしい走りを生み出すには食事が肝要という学園のひいては理事長の粋なはからいである。福利厚生に食堂無料利用の旨を見つけたときは目を疑ったものだ。

 

 無料である以上どれほど大量に食べようと文句を言われる筋合いは無いのだが、山のように盛られた白米と大量のおがずを見るたび学園の経営は本当に大丈夫なのだろうかと他人事ながら心配になる。ウマ娘達は往々にして食欲旺盛のものが多いが、オグリはさらに輪をかけた健啖家で、その食事量たるや学園の中でも一、二を争うほどである。

 

「いただきます」

 

そう言って昼食に手をつけ始めたオグリはすごい早さで昼食を腹に収めていく、ただの人間の俺からするとちょっと信じられない量である、これもウマ娘の神秘か。

周囲を見やると少し注目されている、オグリの食いっぷりはウマ娘達の中でも格別であることは間違いない、注目されるのは仕方ないと言える、しかしオグリ自身はやはり恥ずかしがっているようには見えない、幸せ満点の笑顔で箸を進めている。

 

「トレーナー、どうした?」

「ん?…いい食べっぷりだ…胸が熱くなるな」

 

見ているだけで胸焼けしそうだ。

ついじろじろと見つめてしまった。不審に思ったオグリに問われるが適当な言い訳でお茶を濁す

 

「そ、そうか、少し照れるな……前から思っていたんだが、トレーナーは小食なんだな、少し心配になる」

「ははは」

 

 思わず乾いた笑いが漏れる、ひょっとしてオグリなりのギャグかなにかだろうか。そりゃあオグリから見れば誰だって小食に見えるだろう。自身の昼食を見る、一般的な定食といった具合だ。俺は特別大食いというわけでは無いが、けして小食というわけでも無い、体型も痩せぎすというほどでも無いし心配されるようなことは無いはずだが。

 

「そうだ!…ほら」

「?」

 

オグリは口元に運ぼうとしていた箸を突然こちらへ向ける、そこには唐揚げがつままれていた。

 

「あーん」

「は?…むぐっ!」

 

あまりにも突飛な言動にぽかんと口を開けてしまう、そこへすかさずといった具合に突っ込まれた唐揚げをほとんど反射的に咀嚼しながら、俺は混乱の極みにあった。

 

「オ、オグ、まっ!むぐっ…」

「さあ、もっと食べてくれ!」

 

制止の声を上げようとするのだが口を開くたび唐揚げを押し込まれる、唐揚げの数が十を超える頃には俺はもう半分窒息しかかっていた。慌ててコップを取り水で流し込む。

 

「んぐっ…ごほっごほっ!…はぁ…はぁ」

「だめだぞトレーナー、よく噛んで食べないと…ほら、続きだ」

「い、いいっ!もういい!!もう満足だ!!」

「そうか?遠慮しなくてもいいんだぞ?」

 

し、死ぬかと思ったぞ、なんなんだ一体!

 

「ど、どうしたんだ突然」

「トレーナー、さっき私の食べっぷりに惚れ惚れしたと言ってただろう?だからトレーナーのも気になってな」

「そんなこと言った覚えは無い!」

「そうだったか?しかし…トレーナーの食べっぷりも見事だったな、人に食べさせたりするのは初めてだが…なんだか胸がぽかぽかとして不思議な感じだ…うん、いいな!これっ、これから毎日しよう!トレーナー!」

 

勘弁してくれ、オグリの天然ぶりには慣れたつもりでいたがここまでのは初めてだ。

 

「それにトレーナーが小食で心配と言うのも本心だ、トレーナーはもう少し食べた方がいい。お腹が空いて倒れたりしたら大変だからな。…トレーナーが私のために頑張ってくれているのは知っている、それは素直に嬉しいし、感謝しているが根を詰め過ぎて倒れたりしないか心配なんだ」

 

方法はともかくとして、オグリなりに心配してくれているというのは十分伝わってきた、そう言われると怒るに怒れない。

 

「わかったよ、心配してくれてありがとうな。でも自分の分は自分で食えるからさ、食べさせるとかは勘弁してくれ」

「む、そうか…たまにならいいよな?」

「だめだ!」

 

オグリは耳を伏せ見るからに気落ちした様子である、なにをそんなに残念に思っているのかわからん。

そこで俺の脳裏に恐ろしい考えが浮かぶ、まさかそんな、いやしかしオグリならばあるいは…

 

「ま、まさか…俺を太らせて喰うつもりじゃないだろうな?」

「……ふふっ、トレーナーは想像力豊かだな、そんなことは考えもしなかった。いくら私でもそこまで食いしん坊じゃ無いさ……ほんとだぞ?そんなに警戒しないでくれ」

 

せ、説得力がまるで無い!

 

 しばらくオグリの様子を伺っていたが、やましいところは感じられない、嘘を言っているわけではなさそうだ。思い過ごしだよな?何をバカなことを考えてるんだ俺は。自分では気づいていなかったがどうやら相当混乱しているらしい。

 

「…しかしそう言われると…トレーナーはずいぶんとおいしそうだ」

「じょ、冗談だよな?」

「…勿論」

「その不安になる間はなんだ!」

 

オグリが言うと冗談に聞こえないから困る。

 

 適当な雑談をしつつ食事を続ける、自分の分を平らげる頃には山のように盛られていた飯もオグリの腹の中に消えていた、どうやらほとんど同時に食べ終わったようだ。

オグリに食べさせられた唐揚げのせいだ、腹が張っていて苦しい…明らかに食べ過ぎだ。腹をさすりつつオグリを見る、彼女もまた俺と同じように腹をさすっていた、もっとも俺とは逆の意味合いでだが。

 

信じられん、あれだけ食べてまだ物足りないのか…?

オグリは切なげに空になった食器を見つめていたが、不意に俺に視線を移した。

 

「…トレーナー、ちょっと耳を噛んでもいいか?…あ、甘噛みで済ませるから」

「は、腹が減ってるならおかわりしてこいっ!」

 

オグリは渋々といった具合に立ち上がり、おかわりを求め歩き出した。視線が俺に向いているのは勘違いだ、そうに決まっている。俺はオグリから必死に目をそらしつつ突然降って湧いた命の危機に頭を抱えた。

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

 そんな休日を過ごしつつ、俺とオグリとのトゥインクル・シリーズでの挑戦の日々は続いた。

 デビュー後、オグリはまさに向かうところ敵なしの快進撃で数々の重賞レースで好成績を残した。その活躍ぶりから「芦毛の怪物」という二つ名までつけられたほどだ。地方出身のオグリが並み居る中央のエリート達をなぎ倒していく、一種のシンデレラストーリーだ、オグリは瞬く間に時のウマ娘になっていた。

 

 物騒な二つ名とは裏腹にオグリは多くのファンから愛されているようで、本人とコラボしたいわゆるオグリグッズが大流行となっていて、俺もどんぶりやぬいぐるみなんかを買ったものだ。

 

 オグリ自身も『故郷のみんなから、活躍おめでとう、ぬいぐるみ買ったよ、って手紙が届いたんだ。抱き心地がいいとずいぶん評判らしい…トレーナー、ぬいぐるみよりも本物の方が抱き心地がいいと思うんだ…た、試してみてくれ』とか言って喜んでいた。

 

 オグリは素晴らしい才能を持っていてしかも素直であった、乾いたスポンジが水を吸うがごとく物事を吸収し、指導のたびに成長していく彼女を見て歯がゆい思いをしたのは一度や二度では無い。もしベテランのトレーナーがオグリを指導していたならば、もっと効率的に彼女の実力を伸してやれていただろう、若造特有の悩みといえばそれまでだが、俺にとっては重要であった、そんな俺の考えを感じとられたのだろう、オグリに詰め寄られまくし立てられた。

 

『トレーナー以外だなんて…考えられない、トレーナーが私を応援してくれたからいつだって楽しい気持ちで走ることが出来た、トレーナーと一緒だから頑張れた!トレーナーはずっと私を支えてくれて…すごく感謝している!…き、キミじゃないとだめなんだ…それで、その……こ、これからも、いつでも!いつまでも!ずっと私のそばにいてほしい!』

 

俺は一も二もなくうなずいた。

オグリを応援しようと決め、俺なりに頑張ってきたことは無駄じゃ無かった、そう思わせてくれる力強い言葉だった。口下手なオグリが気の毒になるほど顔を真っ赤に染めて、しどろもどろながらもここまで言ってくれたのだトレーナー冥利に尽きるというものだ。

 

オグリの言葉は俺を前向きにさせた、オグリのトレーナーとして恥ずかしくないよう成長せねば!

俺はますますノートを埋める、休日返上で図書室にこもった。なぜかへそを曲げたオグリにトレーナー室へ連れ戻されたが。

 

そのたびにオグリは『意地悪しないでほしい……わかるだろ?』などと言っていたがその真意は今でもよくわからない、意地悪?何のことだ?

 

期せずしてオグリの考えが聞けたのは思わぬ収穫であった。これは意外な事実なのだがトレセン学園内においてウマ娘とトレーナーとの折り合いがうまくいかず解散というのは案外多いものなのだ、そんなことになったら目も当てられない。俺にはすでにオグリが望む限りはそばで成長を見届けたいという思いがあった。この様子だと今すぐ解散ということにはならなそうだと安心したのを覚えている。俺の見立てではオグリはある程度は信頼を寄せてくれているとみた、嬉しいものだ。

 

 そんなこんなでオグリとの仲を深めつつ、トレーニングにレースにとせわしなく日々が過ぎていった、たまの休日は相変わらずであったが、気まぐれにオグリに連れられ美味を求めて街を探索したり、大食い大会を荒らすオグリを眺めたりして過ごすこともあった。

 

 オグリは益々よく食べ、よく走り、そしてよく勝った。常勝とはいかなかったが上位に名を連ねる本物の強者として認められていた。ファンは倍々に増え続け、その熱気は怖いほどであった、しかし、かけられる期待にオグリは常に応え続けていた。すべてが順調であった、つい最近までは。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




初めてSSを書いたのですが、シチュエーションを文字にするのってすごく大変ですね、取りあえず5000字を目標に書いてみたのですが何日もかかり驚きました。高頻度で投稿している方は本当に尊敬します。

投稿の前に何度も読み返したのですが、自分の文章ってなんだか客観的に読めませんね。よろしくお願いします。

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