魔法ガチャしかできない魔法使いの日常   作:アオイマスタング

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小説の内容がほとんど決まったので、長編から短編へと変更しました。

とは言っても、元々この作品は長編のつもりだったので、短編にしては長くなるかも知れませんがお楽しみに!


第3話 ベストオブ

 ダンジョンを抜け出し、私はライトスキップで天から続く光の柱を自身に発生させ、光が強くなって少しすると、私はその場から消え、代わりにギルドの近くに光の柱を発生させて私は出現した。

 

 ギルドの中に入り、ギルドマネージャーへの報告の為に順番待ちを行い、自分の番になったのでナナハに報告しに行く。

 

「クエスト終わったよ」

 

 鞄の中からミノッタスの手斧を2つカウンターに起置き、ナナハがそれを手に取って確認する。

 

「はい、確かにミノッタスの手斧ですね。何の魔法で倒したのか聞いても良いですか?」

 

「アイススパイクとNストロンガーだよ」

 

「成程、それぞれは強くない魔法を組み合わせてですか。やっぱり、貴方の使う魔法は面白いですね」

 

 そう言い、彼女は嬉しそうに手を合わせている。魔法を組み合わせること自体は難しい事では無いが、それらが別々の属性を持つ魔法(例えば今回は氷と付与)となると話が違う。

 まったく別の属性の魔法を使うには、そもそもこの世界に対する根本的な考え方などが全く別なのと、例えば熱い氷などの、全く対極のイメージの魔法は、普通は発動出来ない。

 

 しかし、混沌の魔法使い(カオティックマジシャン)の魔法のみは、それらのしがらみから解放される。まあ、弱点の方が多い魔法なので、魔法学校の教科書には、他は1~2ページに渡って解説されてるのに対して、混沌魔法の方はたった3行なのだ。

 まあ、自分に子供が居たのなら、混沌魔法なんて覚えられたく無いので、妥当な対処だとは思うが。

 

「はい、これが報酬です。あと、追加報酬の方も置いときますね」

 

 いけないな。つい考え込んでしまった。頭の中で話が脱線していたのを私は静かに反省し、ナナハに返事をする事に決めた。

 

「いつもありがとう」

 

「こちらこそ。それで、BoMには参加しないんですか?」

 

「あー…そういえばそんなイベントもあったね」

 

 BoMとは、ベストオブマジシャンの略で、要は魔法使いが仮面を付けて名前を隠し、貴族や一般人などの地位に縛られる事も無く、ただ一点、魔法使いで16歳以上ならば、誰でも参加出来、賞金も出るイベントなのだ。

 一年に一回開催されており、設備が新しくなってから今年で5年目という事で、国を持つ5人の女神がこの日に集結し、開会式の前座として仮面を付けて女神同士で戦う姿を見れるらしい。

 

 因みに、このイベントの主は魔法使いによる戦闘だが、オマケとして一人で魔法を使い、魔法の綺麗さなどを、戦闘と戦闘の合間に観客に見せたりするのも、このイベントの特徴だろう。

 戦闘ばかりでは飽きてしまう人も居るだろうから、良く考えられたイベントだと思った事があるのを思い出した。

 

「でも、なんでBoMに?」

 

「自分達の知らない魔法を使える人が一人でも居れば、今後のBoMがより面白くなると思ったんです」

 

 BoMの歴史は、魔法の対策の歴史とも言える。普段、魔法使いは自身の扱う魔法を型どった金のブローチ(混沌魔法はエルダーサイン)を左胸に付けるのだが、BoMではブローチも外し、相手が何の魔法を使って来るのか分からない状況から戦いが始まるのだ。しかし、普通は一つの属性しか扱えないので、これではどちらが先に相手に魔法を使わせるかの勝負になり、面白くなくなるだろう。

 

 この状況を良い方にも悪い方にも動かしたのは、コピーという謎の能力によって魔法を扱っていたとされている、アルクスという伝説の様な男だ。

 別属性の魔法の同時発動こそは出来なかったものの、2~3秒で使える魔法を切り替えられるその力によって3年連続優勝し、BoM史上初の殿堂入りを果たした人物でもある。

 

 この事が有ってから、BoMでは相手は常にコピーした魔法を使ってくる事を想定しろと言われるようになり、挑戦者に緊張感が生まれるようになったのだ。(因みに、まだ新しくなってから殿堂入りした人はまだ居ない)

 

「勝てる気が全くしないんだけど」

 

「今日ミノッタスを狩ってきた貴方に言われても説得力が無いですよ」

 

「…それより、次の人を入れなくても良いのか? 結構長い間喋ってたと思うんだけど」

 

 そう、私が頭の片隅で違和感を感じで考えていたのは、ナナハが異常に話を引っ張ろうとしている事だった。これが早朝や夕方ならまだ分かるが、今は昼過ぎで、いつもなら人がそこそこ来る時間帯の筈なのだ。それなのにも関わらず、私の足をこの場で止めようとしている真意が、どれだけ考えても出てこないのだ。

 

「貴方はそんな事を考えていたんですね」

 

 ナナハは悲しそうな表情をし、やがて口を開いた。

 

「まあ、確かに長い事引き止めていたみたいですね。また会いましょう」

 

「じゃあ、私は帰るから」

 

「ええ、行ってらっしゃい」




 因みに、感想とかはいつでも受け付けてるから、気になる所や聞きたい事は、答えられる範囲で答えます。
(ネタバレを含む場合を除く)

また、無理のない範囲で隔日投稿する事にしました。
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