魔法ガチャしかできない魔法使いの日常   作:アオイマスタング

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 魔法使い同士での戦いは、あまり書く気が無いです。


第5話 ホワイトメイジス

「…まあ確かに、私の魔法を食らったら貴方は無事では済まないでしょうね」

 

 良かった。彼女が私の話を聞いてくれるかが心配だったから、とりあえずは理解して貰えたみたいだ。

 

 私は彼女が起きてから、戦うのは良いけど、直接じゃなくてモンスターを倒した数で決めようという事を話したのだ。

 

「で?何のモンスターを倒すの?」

 

 それならアテがある為、私が今朝ナナハに貰ってきたクエストペーパーの写しを見せる。

 

「小型フェンルルの討伐ね。スライワじゃ無いだけまだましね」

 

 フェンルルとは、昔話に出てくるフェンリルに見た目が似ているという理由で付けられた名前で、特徴的なのはその動きの速さだろうか。

 通常時は対して移動が早いわけでは無いのだが、戦闘時になると途端に素早い動きを見せ、上級冒険者でも手を焼く様な相手なのだが、小型のフェンルルは魔法次第では初級魔法でも倒せ無くは無いレベルの弱さなので、彼女に自信があるのも理解出来る。

 

「じゃあ、目的地まで向かおうか」

 

「馴れ合うつもりは無いわよ」

 

「今ならまだギリギリライトスキップ残ってるんだけどなー。先に行ってヘビーブラストぶちかまして全部倒しても良いんだよ?」

 

 私は彼女から見て悪の権化でないといけない為、私はとことん悪役を演じてみせる。ライトスキップを無詠唱で発動させ、ほんの少し光の柱を出現させる。

 

「お先に失礼!」

 

「あっちょっまっ」

 

 彼女が人を引き止める時のテンプレートを口にするが、既に始まった魔法が止まるわけも無く、私は彼女に背中を見せて、先に目的地に飛んだ。

 彼女とクエストペーパーの写しを残して。

 

 

 

 ***

 

 

 

「で、なんで貴方の方が先に着いた筈なのに、貴方の方が少ないのかしら」

 

「それは、ただ単に使える魔法が出なかったからだよ。言ったろ?ギリギリライトスキップ使えるって。ライトスキップ使う前の時点で、ヘビーブラストが使えなくなるのは分かってたからね」

 

「じゃあ、最初から負けるつもりだったって事?」

 

「そういう事になるね」

 

「何それ、どういうつもりでそんな事」

 

「引き際には丁度良いと思っただけさ。そろそろしんどくなってきたしね」

 

 私は、助けた少女に倒された大罪人。もっと言うなら、自分で火を付けて人を助け、いい人になろうという作戦が失敗した大罪人という風に世間では広まるのだろう。

 

「私が勝ったんだから、きちんと答えなさいよ!」

 

「それは出来ないけど、頑張って早く傭兵化を解除出来るように頑張るよ」

 

 まあ、次に引けるのがいつになるのかは分からないけれど、出来るだけ毎日混沌の流儀を使って早く引けるようにがんばろうと考えた。が、その直ぐ後に良い方法があるのを思い出したが、言わないでおく事にした。

 

「何一人で会話を進めてるのよ。私は、なんで貴方がこれまで数々の罪を犯したのか、この際だから聞きたいの」

 

「君は優しいんだね。大罪人を見つけたってなったら、普通は警備に連絡するだろ?」

 

「別に、それは後でも出来るじゃない。私は貴方の事情を知りたかったのよ」

 

「それこそ、警備とかの仕事じゃないか。それに、ライトスキップを使った時に私が逃げる可能性を考えなかったのか?」

 

「大体の国の警備の人達が、何故か貴方と接触しても敵対してないっていう情報を掴んだから、貴方と警備がクロなのかどうかを確かめたかったの」

 

 ここで私が否定すれば、さらに疑いが深まるだろう。しかし、あながち間違いでは無いだけに否定しずらい。

 警備の人達は私の活動を知っているので、頭も上がらない等といつも言われるのだ。因みに、国を治める女神達には、私の活動は耳に入らないように警備の人達に言ってある。

 

 まあ、一般人からすれば大罪人に対して謝罪する女神なんて誰も見たくも無いだろうから、私はこれで良いと思っている。というか、そう自分に思い込ませないとやってられない。

 

「流石はホワイトメイジス。この世の悪を晴らす魔法使いの組合員なだけあるね」

 

 だから、私はわざと話をずらす。ホワイトメイジスの話をしておけば、少しは時間を稼げるだろうから。

 ホワイトメイジスとは、ありとあらゆる魔法使いによって構成された自警団のようなものであり、その活動は主に、法の行き届かない国外で起きた事件などを扱う組織だ。そして何より、ブローチとしてただの白い円を使用魔法の識別用ブローチの上に付けているのが特徴だ。

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