まぁともあれ、拙作ではありますが精一杯書いていきますので!是非是非暖かい目で見守っていただけたなら、と思います。
「なぁあすな、おまえジムリーダーになるんだって?」
「うん、おじいちゃんのあとをついでさいきょーのジムリーダーになるんだ!」
子供と子供の他愛もない約束。
「あめじすとはしょーらいどうするの?」
「おれかぁ・・・・じゃああすながさいきーのジムリーダーをめざすならおれはさいきょーのトレーナーになってやる!そんでおまえのジムにいどんでやる!」
「ふふん、かえりうちにするんだから!」
「いったな?じゃあやくそくだ」
子供たちはまだ知らない、その約束が。
『ゆーびきーりげーんまーん、うそついたらはりせんぼんのーます!ゆーびきった!!!』
自分たちの未来を左右するものだとは。
―五年後―カントー地方・マサラタウン―
「『きりさく』だ!ジン!!」
俺の指示にタイムラグなしで反応した相棒、サンドのジンが一撃で野生のコラッタを斬り伏せ瀕死状態にした。
「よし、戻ってこいジン」
トテトテと戻ってきたジンが俺の目の前で静止したのでその頭を撫でてやると気持ちよさそうに眼を細めている。
「相変わらず良い腕をしとるのぉアメジスト」
俺の名はアメジスト。元々はホウエン地方のフエンタウン出身なのだが二年程前に修行と勉強のためにオヤジの知り合いであるポケモン研究の権威、オーキド博士に預けられたのだ。
そして今現れた白衣姿の老人こそがそのオーキド博士だ。
「まだまだですって、下は多く上は少なく、されど下は浅く上は深く・・・・でしょ?」
「よくシアンが言っていた言葉じゃな」
ジンをモンスターボールへと戻しながらオヤジに教えられた言葉を口にする。
「うむ、アメジスト。この後ワシの部屋まで来てくれんか?」
「分かりました」
しかし、そろそろジン以外の手持ちも欲しいよな。ジンに不満がある訳じゃ無い、だがこれからもトレーナーとしてやっていく以上は仲間は多い方が良い。
「な、お前も仲間欲しいだろ?」
ボールの中のジンがコクコクと首を縦に振っているのを見ると、より一層その思いは強まるのだ。
―マサラタウン・オーキド研究所―
研究所の奥の一室、ここが博士の私室だ。とりあえずノックして・・・・
「博士、入るぞ?」
「ああ、入ってきてくれ」
博士からの応諾の返事を受ければ扉を開けて中へと入る。
「とりあえず座ってくれ」
との言葉に手近な、いつも使っているいすを引き出してそれに座り込む。
「お前さんがワシの研究を手伝いはじめてどれぐらい経ったかな?」
「二年ぐらい、ですね」
その間、マサラ、トキワ近隣で相棒のジンと共に生態調査と戦闘の経験値を積み続けてきた。
「先日、ワシがレッドとグリーンに図鑑を預けたのを覚えてるじゃろ?」
覚えてる、立ち会ったし。少し自信過剰さが目立ったが熱い闘志を身に纏うレッド、冷静と言うよりは無機質な感情を持つグリーン。
「そしてその前に図鑑が一つ盗まれたのも覚えてるじゃろ?」
確かあの時は博士に頼まれてトキワの森で調査をしていて不在だったんだよな。
「ワシはずっと最後の図鑑の所有者を決めあぐねておった」
博士が作った図鑑は四つ、既に三つが・・・・一つ程望まぬ形ではあるが所有者が決まった。後ひとつに関してかなり迷っていた様子だが・・・・
「ようやく決めた、最後のひとつを・・・・お前さんに託したい」
「・・・・え?俺?」
「うむ、二年間お前さんの実力を見てきた。その結果で決めたのだ」
少し前から、旅に出たいとは考えていた。自分より歳下であるレッドとグリーンが旅立ったのを見てその思いは強まった、しかし正式では無いにしろ俺は博士の助手の一人だ。おいそれとここを空けるわけにはいかないと思っていたのだが・・・・
「分かった、やらせてもらう」
「うむ、そう言ってくれると思った・・・・そこでじゃ、図鑑以外に頼みがひとつあるんじゃ」
「・・・・行方不明の図鑑と一緒に盗まれたポケモン、か?」
無言で頷く博士。そう・・・・あの日盗まれたのは図鑑だけじゃない、博士が研究していた三匹のポケモン。フシギダネ、ヒトカゲ、ゼニガメの三匹のうちゼニガメも盗まれたのだ。
「もし図鑑とゼニガメを盗んだ犯人を見つけたら・・・・見極めて欲しいのじゃ、その上で伝えて欲しい」
「・・・・アンタ、本当にお人好しだな」
博士は犯人を糾弾するとか警察に突き出すとか、そんな事を考えてない。もし盗んだ人物に何か事情があったなら、もし盗まれたゼニガメが大事にされているのなら、それはそれで良いと考えているんだろう。
「ま・・・・引き受けるさ」
「うむ、それでじゃな・・・・餞別としてワシの残ったポケモンを一匹譲ろう」
差し出されたボール、その中には資料で見たことのあるポケモンが入っていた。
「・・・・イーブイ、良いのか?」
「餞別じゃ、これぐらいしかしてやれんがのう」
受け取ったボールからイーブイを出すと俺の足元をくるくる回ってから膝の上に飛び乗ってきた。
「人懐っこいなぁ・・・・」
その頭を撫でるとこれまた気持ちよさそうに眼を細めている、ジンもそうなんだけれどなんだろう。俺の手のひらには癒し効果があるんだろうか?
「よし・・・・お前は今日からライカだ、どうだ?」
ヒョイ、と持ち上げて言うとご機嫌な状態。
「うむうむ、早速懐いているようで何よりじゃ」
「ま・・・・コイツ人懐っこいからな」
「何時頃出発するんじゃ?」
「今日中に準備整えて明日には出るさ」
―マサラタウン・一番道路―
さて、俺の冒険が始まるこの日にわざわざ博士と・・・・
「息子の門出となりゃ来るしかねぇだろ」
「ああ、とうとうアメちゃんが旅に出る日が来るだなんて・・・・」
なぜかオヤジとオフクロが見送りに来てました。
「うむ、今回の事をシアンに話したらいつの間にか来てたんじゃ」
蒼い髪に蒼い目のオヤジがシアン、紅い髪に紅い目のオフクロがルージュ、それぞれホウエン地方ではそれなりの地位にあるはずの人間なのだが・・・・
「二人共仕事は?」
『サボった!』
「帰れ!!」
思わず心から叫んでしまった、が少なくとも堂々と仕事をサボったと言ってのける両親だ。叫んだおれは間違っていない。
「まぁまぁ、サボったてのは冗談だ。ちゃんと有給で来た」
こんなオヤジはポケモン協会所属の専属トラブルシューターだ、少なくとも遠く遠く離れたカントーまで来て良いご身分では無い。
「私もよ、雇用期間が終了したから今はただの専業主婦、そして旦那様がお家に戻ってこないし息子も旅に出るから私もしばらく旅に出るわ。異論は誰のものであっても許さない」
「え?俺単身赴任?」
天上天下唯我独尊、自分の思うがままに生きるオフクロは俺が生まれる数年前までホウエン四天王の一人だったらしい、オヤジはチャンピオンだったとか・・・・なまじ強いだけに誰もとめられない。そしてオヤジのつぶやきは妙に哀愁を帯びていた。
「んじゃあオフクロとは会うかもな」
「え~、一緒に行こうよぉ」
「バカ言うな、13にもなって親が同伴で旅ってどうなんだよ?」
「いーじゃん!私はアメちゃんの事が可愛くて大好きでフォーエバーなのよ!!」
なんか開き直ったよこの大人。
「まぁいいや、俺は行くからな・・・・オフクロ!尾行するなよ!」
「えー・・・・仕方ないなぁ、偶然を装って出会うようにするわ」
「ダメだこの人」
頭を抱えていると、肩をポン、と博士が叩く。
「大変じゃの」
「まぁ・・・・」
「まぁ良い、これから始まるお前さんの旅には様々な出会い、そして苦難が待ち受けていると思う」
さすがは、と言った風情で語り始める博士。
「じゃが、そんな時は手元を見るんじゃ。そこには必ずキミのポケモンがおる、一人では無い・・・・その事を忘れるんじゃないぞ」
うん、なんだろうか。すごい心に響いた。
「あざっす」
と、軽く礼をしながら一番道路へと視線を向け二つのボールの開閉スイッチに手を伸ばし、押した。両隣にジンとライカが並び立つ。
「これは、俺らの始めの一歩だ。だから・・・・一緒に歩き出そう」
そんな俺の言葉に力強く頷いてくれた二匹。
「じゃ・・・・せー、の!」
一人と二匹が同時に一歩目を踏み出した。
「っし!行くぜぇ!!」
一人と二匹は同時に駆け出す、これから先に待ち受ける冒険めがけて――――――!
名前:アメジスト
年齢:13
性別:男
メンバー
サンド/ジン ♂ Lv17
イーブイ/ライカ ♂ Lv5
初期稿では電気のスペシャリストを目指す予定ではありましたが・・・・なんやかんやでバランスタイプのトレーナーにする事に・・・・ぶっちゃけ作者がポケモンやると超バランス思考なんでそうなっただけなんですけどね!