わりと厳しめな異世界に希望の光を照らしたったw(邪神もいるよ!)   作:lane

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月曜の昼間にネタ小説を投下


じゃしん?…なんすかじゃしんって。邪神「だめだこれ」

「ふ〜ん…最近はこういうのが流行りなのねぇ…」

 

 倒壊したビル群の廃墟に鈴のような声が不意に響いた。

 

 鈍色に光る月が、かろうじて形を保った建物の上で寝転ぶ彼女を照らし、その銀髪を淡く透き通るように発光させていた。もっとも、月といってもまるで粘土を捏ね回したような形でその表面の殆どは亀裂で覆われていたが…

 

 彼女の視線の先には一冊の本があった。あえて内容を語るとするならば、現代日本を生きる平凡な主人公が神様のミスにより事故に遭い、チート能力を貰って好き勝手に異世界を生きていく。といった内容だ。

 

「ふふふ、馬鹿みたい。神様なんてもう居ないのに」

 

 心底面白そうなものを見つけたような声色でコロコロと喉を鳴らし、本を中空に浮かばせる。そして、彼女の手から離れた本は端からボロボロと崩れ、瞬きを一つすると灰に還った。

 

「居るのは…そうね」

 

 ゴロンとうつ伏せの状態から仰向けになる。その一瞬闇色のドレスが翻り汚れのない真っ白な脚が覗く。しかし、サイズが合っておらず彼女の足のつま先よりも長い裾が再び彼女の生脚を隠してしまう。

 

「私みたいな邪神ぐらいよ」

 

 

 口の端に弧を描きながら呟く。そして、ふと妙案が思いついたように目を輝かせる。

 

「あっ、良いこと思いついちゃった」

 

まるで幼児が悪戯を考えるようなその横顔には、掛け値ない悪意を隠せないでいた。しっかりと…邪神規模で。

 

「私が管理してる中でも1番に。それもとびっきり性格が良い世界に、1匹人間放り込んでみるのよ。ふふ…それで最初は念願の異世界だー!ってウキウキだったのに、最後は絶望して泣きながら死んでいくの。くぅぅぅ…!!それを見ながらお酒飲んだらきっと最高に決まってる…!」

 

 身振り手振りで可愛らしく演技する彼女…邪神アビスは表情とは裏腹にドス黒い計画を立てていく。そして思い立ったら即行動と言わんばかりに、地面にぐちゃぐちゃと魔法陣を描いていく。

 

「えっと…条件は、う〜ん、異世界願望はともかく、賢すぎたりつまんない人間だと面白くないから、10代半ばで感情豊かでお馬鹿な人間にしてみよう」

 

 徐に光り出す魔法陣に呪いの言葉を紡ぐ。

 

「あっ、ついでに雷落としちゃった」

 

 その言葉を皮切りに天へと光が迸る。風が吹き荒れ屋内のチリや灰が巻き上げられ、光に変換されていく。

 

 

そして光の収束と共に、1人の学生が現れる。一頻り周りを見回した後、俯きながら両手に持った焼け焦げた端末を見る。次第に震え出し、我慢の限界か声を大にして叫ぶ。

 

「俺の愛馬がぁぁぁぁぁ!!!!!!」

 

 

 廃墟に虚しい絶叫が響き渡った。

 

 

 




続く…?
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