比企谷君には彼女が居た   作:おたふみ

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中学編ラスト。

そして、生焼け肉さん、タイトルが似てしまって、すいません。


過去・中学編 その4

「それで、家に着いたら親が出てきて、『あの時は加蓮を助けてくれてありがとう』とか『今時、出来ることじゃな』とか、『八幡君なら娘を任せられる』とか、大変だったよ」

 

「命の恩人ですものね」

 

「いやぁ、両親まで落とすとか、比企谷もやるなぁ」

 

あの時は、そんなつもりなかったんですけどね。

 

「それでね、何回もデートして、手を繋いだりしてるんだけど、なかなか告白してくれなかったの」

 

「それは…、比企谷君がヘタレときうことで、いいのかしら?」

 

「ほっとけ」

 

「ダメだなぁ、比企谷」

 

「ううん。八幡はトラウマがあったから…」

 

「加蓮。その話はいいよ」

 

「うん。それでね、八幡が高校に合格して、私から告白したの」

 

 

 

 

 

 

 

 

「比企谷、早くフレよ」

 

「一番、恥ずいところじゃねぇか」

 

「いいから早く」

 

「…俺が加蓮に告白されます。どうじょ」

 

「噛んだ。プークスクス」

 

「うるせぇ」

 

 

 

………

……

 

「合格おめでと~♪」

 

「ありがと」

 

なんか、加蓮の家に来るのも、加蓮の部屋に居るのも抵抗なくなってきたな。

 

「進学校なんでしょ?」

 

「まあな。お陰でウチの中学からは俺しか行かないからな」

 

「もう安心だね」

 

「まあな。また友達でも作ってみようかな」

 

「そうしなよ。八幡は優しいからすぐに出来るよ」

 

「俺が優しい?」

 

「うん。歩道を歩く時はさりげなく車道側を歩いてくれるし、ドアとか開けて待ってくれるし」

 

「それは、ほら、妹によくやってるから」

 

加蓮だからなんて言えません。

 

「そんな八幡に話が2つあります」

 

え?もう会わないとか、近づくなとか?

 

「まず1つ目」

 

ゴクリ…。

 

「好きです。私と付き合ってください」

 

…ん?

 

付き合う?付き合うって…。そういうことだよね?

 

「俺と?」

 

「うん。私、八幡のことが好き。初めて会った時から。そして、一緒に出かけたりして、ますます好きになった」

 

俯いて耳まで真っ赤だ。加蓮は勇気を振り絞って俺に伝えてくれた。

 

俺は加蓮のことが好きなのか?一緒に居たり電話で話をすると楽しい。クラスの男子と話したなんて聞くとモヤモヤする。

 

だぁ!好き以外ねぇよ。

 

「八幡…。返事…聞かせて?」

 

「お、俺は…。俺も…加蓮のこと…、す、好きだ。俺と付き合ってくれ…」

 

よし!言えたぞ。

 

「やったぁ~」

 

加蓮が抱きついてきた。

 

「これからも、よろしくね」

 

「おう」

 

加蓮が俺から離れて、ドアから顔を出して…。

 

「八幡、付き合ってくれるって」

 

加蓮、何を言ってるの!

リビングから『今日はお赤飯ね』って、お母様の声が。恥ずかしい!!

 

加蓮が元の位置に座り、お茶を一口飲む。

 

「ふぅ、緊張した」

 

「俺はまだドキドキしてる」

 

「じゃあ、ドキドキのついでに2つ目」

 

「おう」

 

「私、アイドルになる」

 

…アイドル?ステージで歌ったり踊ったりする?

 

「えぇ!!」

 

「驚き過ぎだよ」

 

アイドルになるということは、恋人とかいたらマズイんだよな。もうお別れなのか…。

 

「あ、彼氏居ても大丈夫だって。学生らしく、あと目立たないようにしてくれって」

 

「おいおいユルいな」

 

「でも超大手。346プロだよ」

 

「すげぇ…」

 

「私、アイドルになりたかったんだ…」

 

初めて聞いた…。

 

「病院のベッドで見てたテレビ

の中に居た、綺麗な衣装、きらびやかなステージ、透き通った歌声のアイドル達。私には遠い世界だと思ってた…」

 

今は元気だけど入退院してたんだよな。

 

「スカウトされて断ったんだ。だけど、やっぱり憧れた世界に飛び込んでみたいと思った。もしかしたら、デビュー出来ないで終わってしまうかもしれない。でも、挑戦したい」

 

加蓮の目は、真剣そのものだった。

 

「加蓮の夢なら俺は応援する。でも…」

 

「でも?」

 

「無理はしないでくれ」

 

「わかった」

 

「それなら、俺は『アイドル・北条加蓮』のファン第一号な」

 

「ありがとう、八幡」

 

また加蓮に抱きつかれた。

 

…幸せです。

 

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