そして、生焼け肉さん、タイトルが似てしまって、すいません。
「それで、家に着いたら親が出てきて、『あの時は加蓮を助けてくれてありがとう』とか『今時、出来ることじゃな』とか、『八幡君なら娘を任せられる』とか、大変だったよ」
「命の恩人ですものね」
「いやぁ、両親まで落とすとか、比企谷もやるなぁ」
あの時は、そんなつもりなかったんですけどね。
「それでね、何回もデートして、手を繋いだりしてるんだけど、なかなか告白してくれなかったの」
「それは…、比企谷君がヘタレときうことで、いいのかしら?」
「ほっとけ」
「ダメだなぁ、比企谷」
「ううん。八幡はトラウマがあったから…」
「加蓮。その話はいいよ」
「うん。それでね、八幡が高校に合格して、私から告白したの」
「比企谷、早くフレよ」
「一番、恥ずいところじゃねぇか」
「いいから早く」
「…俺が加蓮に告白されます。どうじょ」
「噛んだ。プークスクス」
「うるせぇ」
………
……
…
「合格おめでと~♪」
「ありがと」
なんか、加蓮の家に来るのも、加蓮の部屋に居るのも抵抗なくなってきたな。
「進学校なんでしょ?」
「まあな。お陰でウチの中学からは俺しか行かないからな」
「もう安心だね」
「まあな。また友達でも作ってみようかな」
「そうしなよ。八幡は優しいからすぐに出来るよ」
「俺が優しい?」
「うん。歩道を歩く時はさりげなく車道側を歩いてくれるし、ドアとか開けて待ってくれるし」
「それは、ほら、妹によくやってるから」
加蓮だからなんて言えません。
「そんな八幡に話が2つあります」
え?もう会わないとか、近づくなとか?
「まず1つ目」
ゴクリ…。
「好きです。私と付き合ってください」
…ん?
付き合う?付き合うって…。そういうことだよね?
「俺と?」
「うん。私、八幡のことが好き。初めて会った時から。そして、一緒に出かけたりして、ますます好きになった」
俯いて耳まで真っ赤だ。加蓮は勇気を振り絞って俺に伝えてくれた。
俺は加蓮のことが好きなのか?一緒に居たり電話で話をすると楽しい。クラスの男子と話したなんて聞くとモヤモヤする。
だぁ!好き以外ねぇよ。
「八幡…。返事…聞かせて?」
「お、俺は…。俺も…加蓮のこと…、す、好きだ。俺と付き合ってくれ…」
よし!言えたぞ。
「やったぁ~」
加蓮が抱きついてきた。
「これからも、よろしくね」
「おう」
加蓮が俺から離れて、ドアから顔を出して…。
「八幡、付き合ってくれるって」
加蓮、何を言ってるの!
リビングから『今日はお赤飯ね』って、お母様の声が。恥ずかしい!!
加蓮が元の位置に座り、お茶を一口飲む。
「ふぅ、緊張した」
「俺はまだドキドキしてる」
「じゃあ、ドキドキのついでに2つ目」
「おう」
「私、アイドルになる」
…アイドル?ステージで歌ったり踊ったりする?
「えぇ!!」
「驚き過ぎだよ」
アイドルになるということは、恋人とかいたらマズイんだよな。もうお別れなのか…。
「あ、彼氏居ても大丈夫だって。学生らしく、あと目立たないようにしてくれって」
「おいおいユルいな」
「でも超大手。346プロだよ」
「すげぇ…」
「私、アイドルになりたかったんだ…」
初めて聞いた…。
「病院のベッドで見てたテレビ
の中に居た、綺麗な衣装、きらびやかなステージ、透き通った歌声のアイドル達。私には遠い世界だと思ってた…」
今は元気だけど入退院してたんだよな。
「スカウトされて断ったんだ。だけど、やっぱり憧れた世界に飛び込んでみたいと思った。もしかしたら、デビュー出来ないで終わってしまうかもしれない。でも、挑戦したい」
加蓮の目は、真剣そのものだった。
「加蓮の夢なら俺は応援する。でも…」
「でも?」
「無理はしないでくれ」
「わかった」
「それなら、俺は『アイドル・北条加蓮』のファン第一号な」
「ありがとう、八幡」
また加蓮に抱きつかれた。
…幸せです。