遥か東方に生きる   作:NoRAheart

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今回は7000文字と短め。



邂逅

国境の長いトンネルを抜けると雪国であった

 

 

嘗て、私が男として生きていた頃読んだ事のある川端康成の「雪国」の有名な出だしである。

この一文は暗から明への移り変わりがはっきり分かる、大変素晴らしい一文だと文学者の誰かが高説を垂れていたのだが、私はそう言ったモノは二の次だと思う。

 

私がこれを初めて読んだとき、只々一ページ目にあるその一文に飲まれ、私は静かに本を閉じた。

一行目から、たった一行だけで私はお腹いっぱいになったのだ。

もうそれだけで、私は十分だった。

 

 

イメージしたのだ

 

 

古臭い木製の座席に座り、頬杖をついてうつらうつらと成りながら、トンネルの暗闇のせいで映る私の詰まらなそうな顔。

やがて暗闇から一遍、急に視界を眩い光が差し込み「すわ抜けたか」と思った私の視界に広がる白の世界を。

白で覆われた世界を更に白で染め上げようとする空から降りゆく淡い綿を。

上も、下も、真ん中さえも。

何もかもが白い世界を。

 

想像した。

 

興奮した。

 

感動した。

 

それはそれは素晴らしい世界なのだろう。

走って、飛び跳ね、踊り踊って。

人の目など気にするものかと両手一杯に広げる私を、私という存在を、白は覆い隠そうとするのだろう。

なんと素晴らしきものであるか。

当時の私はそう思った。

 

 

さて、つらつらと私は「雪国」について語ったが、何故私がこんな事を語っているのかと言うと

 

 

「どうですか、我が国が誇る都市中心部の摩天楼を見たご感想は」

「……ぁ、いや済まない。呆けていました」

「いえいえ、良いんですよ。移住してきたほとんどの方が初めてこの光景を見て同じような反応をしますから」

 

 

長い通路を抜けると見上げる程の摩天楼が私の視界いっぱいに犇めいていた。

ああ、なんと懐かしい事か。

 

私はそんな事を思いつつ、森曹長に連れられそのまま駐車場に止めてある軍用ジープに乗せられ、折角という事で都市の中心をぐるりと一周してもらった。

彼女が運転する軍用ジープの助手席から見える、嘗て見た『日本』と呼ばれていた頃のこの国の首都と同レベルか、それ以上の光景に私は息を呑む。

おのぼりさん……という訳ではないのだが、今代の人類が早い進歩を遂げた事を月夜見ら、また間接的だが私からの技術提供があったとしても、この光景には感心せざる負えなかった。

 

 

「よく……よく建てられましたね、こんな高層建築物を。地震対策は大丈夫なのですか?」

「無論です……とは言っても四十年ほど前までは白嶺さんの言う通り、地震の関係もありまして五階建てまでのモノしか建物の安全を保証出来なかったので、法律でも高さ制限が出ていた時期もありました。しかし近年、前時代の技術を記した書物が発掘されて我々の技術が大幅な進歩を遂げたのもあり、こうした高層ビルも建設が可能になったのです……そういう白嶺さんはもしかして建築専門の方なのですか?」

「いえそういう訳では無く、知識として知っているだけでして」

「そうですか」

 

 

森曹長の操るジープは摩天楼を抜けて、やがて住宅街へ。

そしてその一角にある、少し年期の入った肌色のマンションの前に車を止めた。

そこで森曹長が車から降りるのに倣い私も降りて、彼女の後ろをついていくとマンションの三階「304号室」の前で彼女は止まった。

どうやらここが私の仮住まいの様だ。

 

 

「こちらが白嶺さんの仮の住居、築二十年、家具備え付きの2LDKとなっております……失礼」

 

 

懐から部屋の鍵を取り出して開錠。

そして入室し、靴を脱いで中に入ると外装と同じく肌色の部屋が私を待っていた。

家具も言われた通り一通り備わっているが、よく見ると傷が入っていたりしているのを見るにこの部屋と家具は色々な人に使い回されているのがよく分かった。

 

 

「さて、白嶺さん。前に常盤中佐がお話したように、ここは移住者の仕事が決まり、収入が安定するまでの仮の住まいとなります。ここで暮らせる期間は三か月、最大延長は半年までとなります。昔は移住者が多かったので期間が終わればすぐに追い出されるのですが、今は移住者もあまり来ませんし、この部屋が気に入られたのなら賃貸か、購入する事が出来ます」

 

 

成程、払下げか。

ここが気に入ったのなら考えておくとしようと、その事については頭の片隅に留めておく。

 

 

「それと、こちらが部屋のカギと政府から貸し出される物の一つとしてこちらの情報端末を」

 

 

森曹長に差し出された部屋のカギとスペアが二本、そして嘗てよく使っていたスマート〇ォンによく似たそれ。

操作方法も同じく渡された説明書をザッと見るに、大方同じの様である。

 

 

「端末ではニュースや求人等の情報をリアルタイムで閲覧できるので、ぜひ活用してみて下さい。ただ、貸出用の端末ですので色々な機能がロックされていますので、ご不快でしたら早めの私用の端末の購入をお勧めします。では私が特に説明すべきことは以上となりますがご不明な点は御座いますでしょうか?」

「特に問題はありませぬ。森殿、お手数をおかけしました」

「いえ、これが仕事ですので」

 

 

彼女は私に微笑み「それでは」と敬礼して部屋を後にしたのを確認し、私は焦げ茶色のソファーに身を投げ出して深く息を吐いた。

 

想像以上だった。

それがここ『高天原』を見た感想だ。

技術進歩に伴って発生する公害等も今のところ見られない。

私は嘗てのナメクジ達が栄えていた頃を思い返し、今回はあのような事にはならないと『高天原』の都市の様子を見て断言出来た。

手に持っていた常盤に渡された大きめの封筒より数十ページほどしかないが、写真付きで分かりやすい解説の載っていた『高天原』の紹介パンフレットを開く。

 

車については水素エンジン。

電力は自然エネルギー、主に風力や太陽光を利用。

パンフレットを見る限りでは前時代の人類より活発的にエコに取り組んでいる様だが、パンフレットに態々自らの都市の欠点を書く訳無いだろうと私はパンフレットを閉じた。

 

今度は先ほど森曹長から貰った情報端末を開いて求人情報を求める。

この都市に何年暮らすかは自分でも未定だ。

一年程で出て行ってしまうかもしれないし、十年ほどここにいるかもしれない。

しかし数百億年ぶりに文明的な暮らしを、生前の人生の続きを再びここで出来るのだ。

すぐにここから立ち去る事はよほどのことが無い限りウカノ達には悪いが、無い。

その為には安定した職に就いて、確実な収入を得た方がいいだろう。

 

私はソファーの上でうつ伏せになっていた身体を起こして仰向けになり、端末をタップして求人情報を探す。

当然求めるのは技術職、研究職辺り。

それらのキーワードを打ち込むと丁度就職シーズンだったのか、かなりの数の会社がヒットした。

中小企業にベンチャー企業に大企業、延べ数千にも及ぶ企業が人材を求める中で私は

 

 

『公務員第一種・科学省上級技官採用試験』

 

 

この項目に目が離せなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

道すがら森曹長に聞いたことだが、この『高天原』において政府についで権力を持っているのは軍部か科学省と言われているそうだ。

軍部が権力を持っているのは私にも分かる。

彼女の話によると『高天原』に攻めこむ妖怪は多く、その頻度と数はもはや戦争状態だと考えてもいいだろう。

そんな彼らに政府の人たちも頭が上がる筈もないとの事だが……それだけ聞くと第二次大戦に走った旧日本帝国を彷彿させて不安になるのだが一先ずそれは置いておくことにする。

それはさて置き科学省が権力を持っているのは理解できなかった私は彼女にその事を問うと、科学省はトップの入れ替えがあってから徐々に勢いを増してきたとの事。

元々新技術の開発等を行って、それを民間に広く流すことで都市の発展に貢献してきた科学省は経済界での影響力がただでさえ大きかったそうだがトップの入れ替え直後からその動きが顕著になって、勢いを増した……というよりそのトップについている八意某が個人で色々な技術を生み出したことで生じるその恩恵を科学省は受けているという形だ。

 

それって拙くないだろうか?

増長してはいないだろうか?

そんな考えがあったため、科学省の試験を受ける事にした訳だ。

まあ上級技官の高い給与と、私がやりたい職の条件が一致していたというのもあるが。

 

さて件の試験まで一か月期間がある訳だが、私は試験対策のために毎日中央図書館を訪れていた。

採用試験の試験科目は数学、化学、物理学、生物学、常識問題、知能テスト。

理系問題や知能テストについては過去問を見る限り私なら問題なく解けるレベルだが、常識問題、特に出題範囲に入っている『高天原』の歴史関係は一か月で急いで覚えないといけないという事で図書館で勉強をしていたのだが

 

 

「じ~」

「……」

 

 

今現在目の前の金髪金眼の女性にめっちゃ見られています。

 

別に見られている事自体は問題ない。

長年無駄に生きてきたことで培われてきた集中力はちょっとやそっとじゃ乱れる事は無い自身がある。

問題は私の目の前にいる人物がそこに座った事で私の周りにいた人たちが皆が皆照らし合わせた様にそそくさと離れて行ったものだから、今この場には私と彼女の二人だけという事だ。

私も彼らに倣い、ここから離れるべきかと考えたが既に離れるタイミングを逃した今、ここから離れるのは彼女に失礼だろう。

しかしずっと見られている状況はいただけない。

最初こそ本棚から取ってきたであろう書籍、タイトルが『レッツ人心掌握・上級編』なんて物騒な物を読んでいるものだから驚きこそしたが、私は雑念を振り払ってすぐに目の前の勉強に戻った。

しかし一時間たった辺りか、前から視線を感じた私がチラッと前を見ると、彼女がじっとこちらを見ていた。

「何故、こっちを見るか?」と疑問に思ったが、一先ず気づいていないフリをして無視する事にした訳だが

 

 

流石に二時間は見過ぎだと思う

 

 

館内放送が流れる。

時刻は五時半、閉館三十分前であると。

私もその退館を促す放送に従い、読み切れなかった本を借りる為の手続きを済ませ、さあ帰ろうかと図書館前の石畳を歩いていると

 

 

「こんにちは」

 

 

先ほどの金髪金眼の女性が待ち伏せしていた。

私になんの用事があるのだろうかと首を傾げる。

少なくとも私と彼女は赤の他人、初対面の筈である。

 

 

「……私に何用ですか?」

「うん、用事。質問が二、三……ね」

 

 

質問?

何故私に質問なんかをと私は益々疑問に思う。

 

 

「一つ、貴女は外から来た人間?」

「然り、ここには三日前に入国しました」

「ええ、知ってますわ」

 

 

此奴……

 

 

「二つ、何処で読み書きを覚えたのですか?」

「外で覚えました」

「へぇ……外でねぇ」

 

 

にこにこ笑う彼女。

一見害の無さそうに見えるが、そんな彼女が私にあからさまに探りを入れるのは何故か?

彼女から発せられるピリピリとした気は、私の肌を刺激する。

この女、若いクセに只者では無い。

私にそう思わせるだけのオーラを若い彼女は既に持っていた。

 

 

「三つ、これが一番重要ですよ」

「面倒です、帰ってもいいですか?」

「駄目です、今更逃がしませんよ。では最後の質問、貴女の名前は?」

「……白嶺千鶴」

「白嶺千鶴……ちづちゃんって呼んでもいいですか?」

「はい?」

 

 

突然彼女の気が霧散したかと思えばそんな事を言ってくるそんな彼女の実体を私は図り損ねる。

 

 

「あ、私の事はとよちゃんか、とよとよって呼んで下さいね」

「だが断る」

「なんで!?」

「はあ……いったい貴女は私に何を望んでいるのですか」

 

 

私はため息を吐いて彼女にそう問う。

すると彼女は私に手を差し出し

 

 

「千鶴さん、軍に来ませんか?」

 

 

と宣った。

 

 

「軍?私がですか?」

「そうです、私こう見えても軍の人事権を握っていまして、職業柄人を見る目は肥えていると自負していますの。最初は士官学校に行ってもらうけどその後は私の許にいる限り軍での出世を約束してあげましょう。どうです?決して悪い条件ではないとは思うのですが」

「私はただの脆弱な一般人です。そんな私が軍に入れるとはとても思えないのですが?」

「……それでも構いませんわ、私は貴女が欲しい」

「何故?」

「勘ですわ」

 

 

勘?

普通勘で人材を見分けられる者がいるだろうか?

ノーだ。

なれば、彼女のこの接触は偶然ではなく謀られたものであると考えた方がいいだろう。

先ほどの三つの質問にどのような意味があるのか分からないが結果的に彼女のお眼鏡にかなったらしい。

 

 

「私は言葉を並べるのは嫌いではありません……が、それは今は邪魔でしかないとは思いませんか?千鶴さんもう一度だけ言いますよ」

 

 

軍に来ませんか?

そう言って私に改めて手を差し出す彼女。

夕日が彼女の背に落ち、オレンジ色の残光は彼女に後光を与え、まるで私の進むべき道を、使えるべき主を照らしている様に見える。

 

私はそんな彼女の手を

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お断り致します」

 

 

取る事はなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふふ、振られちゃいました」

 

 

とある一室、金髪金眼の女性が一枚の資料を握ったまま、上等な椅子に腰かけて左右に振っている。

部屋にはただ、ギシギシと椅子の軋む音が響くだけ。

 

 

「宜しかったのですかお嬢?」

 

 

そんな彼女の背後に控える年配の男がそう問いかけるが、彼女は首を横に振る。

 

 

「いいのです。今、千鶴さんの意思を無視して彼女を軍に引っ張り込んでも彼女は私の手足と成る筈が無い……詰まるは無意味ですわ」

 

 

彼女と千鶴の出会いは偶然であった。

偶々休日で図書館を訪れていた彼女はいつもの席でいつもの様に読書を楽しむつもりでいた。

いつもの様に……彼女の席の近くに座っていた人たちが彼女に遠慮して遠くの席に移動して行ってしまうのはいつも悲しく思っていたのだが今回は違った。

ふと顔を上げれば目の前には黙々とペンを走らせる綺麗な黒髪を持つ女性がいたのだ。

 

最初は興味。

その綺麗な容姿に、私を見てもここから去らない度胸。

それだけでも彼女の興味対象となるには十分の要素だった。

直ぐに目の前の女性の素性を調べる様に彼女の手の物に小型端末で伝えると返信はすぐに返ってきた。

『白嶺千鶴』

三日前にこの『高天原』に入国した者だった。

故に情報も最低限しか無かったため、調べも早かったのだろう。

しかしその最低限しか書かれていない情報さえ、彼女の興味を更に引き立てる物だった。

 

一つ、単独で『高天原』にたどり着いた点。

今この『高天原』の周りには妖怪の群れが跋扈しており、妖怪に会わずにここにたどり着くのはよほどの実力が無い限り不可能だ。

 

その点を見て、彼女は千鶴を妖怪の類かと警戒したが二つ目の情報を見てそれを解いた、寧ろ納得した。

彼女の持っている霊力の総量、入国審査用の簡易測定器とはいえ測定結果が『計測不能』と出ていた。

『測定不能』、簡易測定器の限界値は成人男性の平均的霊力保有量の三十倍まで。

つまりそれ以上の霊力を彼女は持っているという事だ。

それだけの霊力を持っているのならある程度の妖怪相手に単独でも負ける事は無いだろう。

とはいえいくら霊力保有量が多いからと言ってそれを扱う程の実力が伴わないと意味が無いのだが。

 

三つ、苦労なく読み書きができる点。

彼女たちが普段使っている文字を苦労なく使えるのはこの『高天原』でしっかりと教育を受けているここの住人達か、外界のごく一部の豪族等の知識人だけ。

つまり、彼女はそのごく一部の貴重な知識人の一人という事だ。

 

それらを見て、彼女の興味は感心へ。

そして今度は千鶴を軍に入れてしまおうと彼女は画策する。

 

無論ただ彼女は千鶴を欲した訳では無い。

今現在、彼女は軍において手駒が少ない。

そんな彼女の右腕と成り得る優秀な人材を欲していたのが一つ。

もう一つは可愛い妹の為である。

今年から士官学校に通う妹だが、妹の才覚は彼女が知りえている妹の同期の者と比べ物に成らないだろうと思っている……いや、確信している。

そんな妹と切磋琢磨出来る者に、出来る事なら孤立しやすい妹の友人になって欲しかったのだ。

 

そうして彼女の帰宅のタイミングに合わせてアンブッシュ。

夕日を背に、最高のシチュエーションでもって、直球勝負で彼女を誘うが結果は失敗。

今思えば早急過ぎたかと、自分の至らなさを恥じる。

しかし、先月のやり取りだけで彼女は千鶴を諦めるつもりは無かった。

 

 

「お嬢、それは?」

「これですか?千鶴さんの試験結果。コネを使って回して頂いたのだけれども……ご覧になられますか?」

「では失礼して」

 

 

彼女は後ろに控える男に今まで見ていたそれを手渡す。

 

 

「ほう、全科目満点ですか」

「お気の毒様……合格率1%未満の超難関の試験で満点なんて、ね」

「お気の毒ですか?」

「そう、お気の毒です」

 

 

手持無沙汰だったのか、扇子を取り出して開閉を繰り返す彼女はここでは無いどこか遠くを詰まらそうに眺める。

 

 

「才能があるのは素晴らしい事、さりとて今競争の激しい科学省の中で異常に突出した人材はきっと一生平で使い潰されるか弾かれる。何故なら彼女は人脈もバックも持っていない、しかも外界の人ならなおさら風当たりが強い筈」

「醜いですな」

「大方の人間なんて所詮そんな生き物ですわ。以前の八意家当主ならまた違った結果になったかもしれないでしょうが今代八意家当主、師匠は確かに歴代八意家の中でも突出した天才と言われております……が、興味のない事、詰り下らない争いをしている下のことなんて師匠はきっと見向きもしていないでしょうね。師匠の目に留まれるほどの活躍を出来ればいいのですが、今の科学省の中ではそんな大仕事させてはもらえないでしょう」

 

 

男はそんな社会の荒波に呑まれるであろう千鶴に少しばかり同情していると、彼女が小さく「でも」と続けた。

 

 

「千鶴さんが足の引っ張り合いしか能のない屑ども相手にただで倒れるとは到底思えません」

「ほう、理由を聞いても?」

「勘ですわ」

 

 

白嶺千鶴。

彼女たちの様に地位も、人脈も持たない彼女がその才覚を持って一体何を為すのか?

出来れば弾かれてくれる事を彼女は祈った。

そうすれば千鶴を手回しせずとも手に入れられるのだから。

しかしそんな思いと裏腹に

 

 

「千鶴さんという存在が、一石が、この『高天原』にどんな波紋を起こすのか、楽しみ……そう、楽しみで楽しみで、心が躍るわレイセン」

「左様ですな」

 

 

金髪金眼の彼女、綿月豊姫は今日も笑う。

その裏にはどんな思いがあるのか、それは誰にも分からない。

 




ども、bootyです。

今回は豊姫さんが出てきましたが、口調とか大丈夫ですかね?
少々不安です。
今回は幕場的な回なので少し短めですが、7000文字で短めって……
それだけ執筆に慣れてきたって事でしょうかね?


9月13日
綿月豊姫の台詞を大幅に訂正
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