メモリアルパック3つ買ったらプチョヘンザとジョー&ジョラゴンが出てきて笑った。謎の引き。
『オレ』は誰よりも速い。
“そうあれかし”と生み出されたのが他ならぬオレだからだ。
音速を飛び越え、轟速をねじ伏せ、轟き覇王る一陣の赤い疾風。
走るために生まれ、走るために生き、そして走るために死んだ。あの野郎に阻まれて最後まで走り抜けなかったことは無念の一言に尽きるがな。
だが、どういうわけかオレはこの世界にこうして二度目の生を受けた。それも、見慣れた赤いボディではなく人間大の体で。
ならば、と固く決意した。
……今度こそ、オレは最速になる。相手が誰であろうと、オレの夢は阻ませねぇ……抜き去り、置き去りにしてやろう。それが皇帝だろうが、異次元の逃亡者だろうが。
オレの名はレッドゾーン。
昔は大陸を駆け抜ける音速の侵略者。
そして今は、コースを駆け抜ける超音速のウマ娘だ。
──
『残り200m! ガードオブホーリー抜け出したが届かない! ブレイズクローは伸びない! ブレイズクローは伸びない! ライブラリアウト迫ってくるがレッドゾーンなおも突き放す! なんという末脚! なんという末脚だ! レッドゾーン速い! レッドゾーン速いぞ! 後続を大きく突き放して今一着でゴールイン!! 赤き侵略者が音速の走りで日本ダービーを制しました!!』
……さて。
結論から言えば、オレがウマ娘とかいうよく分からん概念に転生してからかれこれ十数年が経った。
ランド大陸で暴れまわっていたあの頃に比べりゃ速さも硬さも随分と落ちぶれちまったが、今の体も及第点っちゃ及第点だ……こうやって存分に走れるだけ恵まれてるたぁ思うしな。
ま、今の体は鍛えれば鍛えるだけそれに応えてくれるから、その分機械の体だったあの時よりも充実した日々は送らせてもらってる。
「おーす、勝ったぞトレーナー」
「おう、お疲れさん」
レース終わりにトレーナーに顔を見せる。
最速を目指しているオレではあるが、今はトレセン学園──日本ウマ娘トレーニングセンター学園、諸々端折って説明すると競走ウマ娘を育成することを目的とした学園だ──に所属する一生徒。流石に校則には従わざるを得ず、チームに所属してトレーナーの世話になっている。といってもまぁ、適当に暇していた中堅トレーナーをとっ捕まえて無理やりチームをぶち上げさせてそのあたりの条件はクリアしたけどな。トレーナーがそれが許される程度にはキャリアあってよかったぜ。お陰で二人だけのチームでのびのびとやらせてもらっていた……皐月賞まで無敗でぶっちぎったあたりからどういうわけか続々と逃げウマが集まってきて、今となってはそこそこの大所帯だが。どうしてこうなった? ……考えるまでもなくオレのせいか。
ま、そんなこたぁどうでもいい、大事の前の小事些事だ。
「今回はどうだった? ……って、聞くまでもないか」
「当然だ。こと逃げに関しちゃオレの右に出るウマ娘は数えるほどしかいねぇと自負してる」
「それでもいることにはいるんだな」
トレーナーのその言葉に、オレはにやりと笑いながらこういった。
「──ま、
「ハハッ……いいね、やっぱり君はそうやって自信満々な方が似合ってるよ」
「当然だ。燃え上がるほどレッドで燃え尽きるほどヒートなのがこのオレだからな。今に見てろ、ほかの連中全員まとめてぶっちぎってやる」
……前世では本当に燃え尽きたことについては黙っておく。畜生、革命軍の連中絶対許さねぇ。だがオレはこの世界で思う存分駆け抜けてやるさハッハッハざまぁみやがれ。
こうして人間大のサイズになってから痛感したぜ、あんなデカい体は不便しかねぇってな。環境の違いは大きいだろうが。
……ま、そんな前世のあれこれはさておいて。
「だから、頼むぜトレーナー? オレにとびきりの夢を見させてくれ」
オレは獰猛に笑って見せ、右腕の拳を突き出した。
それを見たトレーナーはフ、と笑いをこぼして、
「ああ、やって見せるよ。お前と一緒に音速のその先を見に行くって約束したからな」
ゴツ、と拳を突き合わせる。
今回の日本ダービーは言っちまえば前座も前座……目指すのは無論、有馬記念。短~中距離適性のウマ娘であるオレにとって厳しい壁ではあるが、そんなことは百も承知だ。その壁を乗り越えてこそ意味がある──そう。
今度こそ、オレは最速になって見せる。
──
……の、はずだったんだが。
「突然ですまない。実はこのチームに新しく入りたいって子たちがいるんだ」
「ほー、そりゃまた奇特な奴もいたもんだな。ここって確か逃げウマ以外お断りだろ?」
「別にお断りってわけじゃないんだけどね……チームの象徴が君だから、逃げウマばっかり集まってくるってだけで」
「そうだったか? いやそうだったかもな、ハハッ」
「というわけでだ。サプライズってやつでね、みんな、入ってきてくれ!」
……薄々予想はついてた。小学校の時の同級生には『
……さて、それでだ。
何が言いたいかというと。
「初めまして、ドギラゴンバスターです! よろしくお願いします!」
「アタイはプチョヘンザだよ! よっろしくぅ!」
「……ん、ドレミミラダンテ」
「ヒュッ」
──
予想外の事態にフリーズするオレに対してにこやか笑顔で握手を求めてくる
「──逃がさねぇからな?」
「ヒェッ……お、オレはレッドゾーンだ。よ、よよよろしく頼むぜ3人とも」
「これからお世話になりますね、
どうやらコイツの中ではチーム入りはすでに確定事項らしい。
いやしかもよく見たら後ろ二人も目が笑ってない。3人分の視線がとんでもない圧を伴ってオレを射抜く……あまりの威圧感にともすれば今にも燃え尽きそうな勢いだ。
出来る事ならそれこそ音速で断りたいものだが、しかし困ったことに因縁が因縁であるため頭ごなしにNoとも言えず、微妙に事後承諾的なアレではあるが押し切られる形で3人の入団を認めることとなった。なってしまった。突如としてやってきた膨大なストレス源に胃が燃え上がるような感覚を覚えながら、オレはややぎこちない動作で腕を伸ばす。
片やにこやかな笑顔のまま、片や冷や汗を流してややひきつった笑みを浮かべ。ギリギリミシミシと音が聞こえてきそうなほどに固い握手を交わす。
その光景を横から見ていたトレーナーは、大剣を加えた赤い龍と赤いバイクのトランスフォーマーのような人型が鍔迫り合いをしている光景を幻視したという。
こうして、先行きが一気に不透明になったオレの不穏なウマ娘ライフが始まった。有馬記念獲るまで生きてられっかなオレ……。ある日いきなり背後から
次に組むデッキのアイデアが浮かんだら続くかもしれません。
──
レッドゾーン:轟く侵略 レッドゾーン
芝:A ダート:C
短距離:A マイル:A 中距離:B 長距離:G
逃げ:A 先行:A 差し:C 追込:E
──
ドギラゴンバスター:蒼き団長 ドギラゴン剣
芝:A ダート:G
短距離:E マイル:A 中距離:A 長距離:B
逃げ:B 先行:A 差し:A 追込:C
──
プチョヘンザ:百族の長 プチョヘンザ
芝:A ダート:B
短距離:E マイル:D 中距離:A 長距離:A
逃げ:C 先行:A 差し:A 追込:B
──
ドレミミラダンテ:時の法皇 ミラダンテXII
芝:A ダート:G
短距離:E マイル:A 中距離:B 長距離:A
逃げ:C 先行:A 差し:C 追込:A