ちなみに前話の投稿が遅くなったのはこれを9割書いてから『これ本編絡んでなくね?』と思って新しく書いたからだったりします。
ひとまず書くだけ書いて放置というのも個人的に納得いかなかったので投下。
レッドゾーンが母親に頼り、ジーニアスアンサーがきたねぇ花火と化した頃、トレセン学園。
おやつ時ということでウマ娘やトレーナーの姿も多いカフェテリアで顔を突き合わせる二人のウマ娘の姿があった。
「なあ、超絶の。私は常々疑問に思っていることがあるのだ」
「どうした、究極の? なるほど、聞くだけ聞いてやろう」
真剣な顔をして話し合っているのは白一色と黒一色、そっくりそのまま相反する色合いの出で立ちをした二人のウマ娘。
それぞれ名を
二人とも、超獣世界ではその名の通り神として君臨したものである。今となってはそんな二人も例によってウマ娘と化し、チームに所属して活動している。
「超絶の。我ら2人以外にも神の名を関する者たちがいるのは知っているな?」
「ああ、当然知っているとも究極の。あまりに度し難いことではあるがな」
ラフィアンロベリアがピ、と人差し指を立てて言う。その言葉を聞いて、ファインクレマティは腕を組みながら神妙そうに頷いた。
「──例えば、MRC。
「ふむ、確か奴らは呪文の扱いに長けていたな。ロマノフを名乗る者たちだ、3人揃わなければ真の力を発揮できぬ弱輩とはいえ、その知恵には目を見張るものがあるぞ」
それは、
「──例えば、HDM。
「だがあの力強さ、そしてこと万物の破壊への執着には見るところがある。特にデストラクトフェスだ──確か奴は幾度か進化……いや、変化か? ともあれ、いくつかの形態を持っていたはずだ」
それは、不死鳥から成り上がった3柱の神。持てる能力の全てを破壊という一点に極限まで振り切った、世紀末の滅亡論めいた狂気の破壊神。
「他にも、だ。神帝、起源神、竜極神、そしてゴッド・ノヴァ──ああ、あと九極とかいう輩もいたか? とにかく、数を挙げればきりがないが、この世界に降臨した神は真贋問わず多い」
そこでだ、どラフィアンロベリアは区切る。
「──翻って我らはどうだ、究極の?」
「どうだ、とは?」
「この世界において、奴らの中ではすでにレース以外での寄る辺を確固たるものとした者たちも多い。またそうでない輩も、」
「なんだ。いつにもまして迂遠だな、貴様何が言いたい?」
そして、彼女は決定的な言葉を口にした。
「簡潔に言おう。──我ら究極超絶神、いまいち影が薄くはないか?」
「それな」
あまりに気の抜けたファインクレマティの返答に、先ほどまでの重厚な雰囲気が一気に緩む。
彼女たちの会話を耳にして微かにざわめいていた他のウマ娘やトレーナーたちが各々ずっこけたりテーブルに突っ伏したりする中、ラフィアンロベリアは花が咲いたような笑顔でファインクレマティの手を取る。
「分かってくれるかファイン、我が同胞にして怨敵よ!」
「無論だラフィアン、我が対極にして朋友よ。実を言うとその問題には私も頭を悩ませていてな……」
そう。何を隠そうこの2人、ほかの神と比べてもいまいち影が薄い感が否めない。
先ほどラフィアンロベリアがあげた例でいえば、MRCやHDMはBNWに並ぶ第二、第三のライバル関係であるとして有名だ。
そして、神帝と起源神は
他にも竜極神は何をどう踏み外したのかウマドルグループ『ゲキメツ☆シスターズ』として活動しているし、ゴッド・ノヴァはチーム・ゼニスで、九極はチーム・ランドでそれぞれ猛威を振るっている。
その中で、唯一明確なライバルとなる相手を持たずに淡々とレース一本で人気を勝ち取ってきたのがこの二人だ。
間違いなく堅実かつ確実ではあるが、いささか以上に爆発力に欠ける。それが、彼女たちの悩みであった。
「だがどうする? ずっとこのスタイルでやってきたのだ、今更急な路線変更には無理があるぞ」
「そこはそれ、何事も経験というものだ。例えばそう、スマートファルコンとやらがやっている──」
「『逃げ切りシスターズ』か? ……一応確認だが究極の、よもや自分の脚質が逃げだとでも思っているのではあるまいな」
「だろうな……さんざん差し追込で走ってきたのだ、無理があることくらい自分が一番よくわかっているよ」
がっくりと肩を落とすラフィアンロベリア。
さてどうしたものかと首をひねる二人だったが、ここでその間に颯爽と介入する者の姿があった。
「話は聞かせてもらった! わはは、少し見ない間にずいぶんと可愛らしい姿になっているではないか!」
その右半身は橙と白、その左半身は黒と赤。
青と赤のオッドアイを不気味に不敵に煌めかせ、その少女は颯爽と自らの名を告げた。
「久しいな究極超絶神! 遅ればせながらこの私、バイオレンスヘヴンが来てやったぞ!」
「「
うん? と顔を見合わせる二人。それを見た少女──バイオレンスヘヴンもまた、あれ? と首を傾げた。
「おいおいおい、まさかお前たち、私がどっちの姿かの区別もつかんのか? え、あれだけ一緒に前線張っておいてそんな薄情な事ある?」
「いやでもなぁ、超絶の?」
「そうだな、究極の。ぶっちゃけ我ら二人で大方敵は殲滅できていたし、むしろ毎度重役出勤しては好き勝手暴れて後始末の手間を増やすから、正直な話部下からの好感度はすこぶる低かったぞ貴様」
「マジで!? 世界すらまたいでようやく発覚した衝撃の真実が今ここに!?」
頭を抱えるバイオレンスヘヴン。が、次の瞬間には何事もなかったかのように顔を上げ、人を小ばかにしたような笑みでこう言い切った。
「あ、ちなみに『私がどちらの姿か』だが見てわかる通り創造と破壊がごっちゃになっている状態だから区別する必要は別にないぞ。ぶっちゃけそっちに関してはからかい半分検証半分だしな。はっはっは、天下の究極超絶神ともあろうものが意見の一致もできないとは! やはり老いたということか!」
「超絶の」
「──応」
2人の──『究極超絶神ゼンアク』のゴッド・リンクが外れる。
それぞれがバイオレンスヘヴンに対して背中合わせの半身になり、ファインクレマティは右手を、ラフィアンロベリアは左手を拳の形として構えた。
そして、
「「バイオレンス・ヘヴン!!」」
「おっとその名前を冠している私の前でその呪文を唱えるとはいささかツンデレが過ぎるというか待って私ゴッドじゃなくてクリエイターだし流石に耐えられなグワーッ!!!」
詳細な描写は省くがそれはもうとんでもない破砕音があたりに響き渡り、バイオレンスヘヴンの体が縦回転しながら天井にめり込んだ。
周りにいたトレーナーとウマ娘が総じて顔を青ざめさせる中、ファインクレマティとラフィアンロベリアは顔を見合わせる。
「──はっ、しまった。ついやりすぎてしまった」
「そうだな、超絶の。サガよ、無事か? ──無事だな、宜しい」
『確かに無事だがせめて返答を聞いてからにしろー? 首が外れないんだがー?』
くぐもった声が上の方から聞こえてくる。
これをどうしたものかと究極超絶神が顔を見合わせていると、騒然とするカフェテリアに新たに入ってくる1人の影があった。
「──失礼、ルールオリオティスです。外で爆発音がしたと思ったら今度は中で破壊音がしたと通報があったので急行してみれば、これは何事ですか?」
「「──うげっ」」
「ああ言い訳は結構、今のリアクションで実行犯についてはわかりました」
『え、何? 下の方で何が起こってんの? っていうかいい加減誰か抜いてくれたまえよすごい埃っぽいここ!』
「ファインクレマティ、ラフィアンロベリア。トレセン学園生徒会風紀担当の権限であなた方を拘束させていただきます。僕がここに在校している限り、ルールは絶対のものです」
カシャン、と2人の手に手錠──さすがに本物を使うと色々とよろしくないので、演出としてのプラスチック製のイミテーションだが──がかけられる。
そのまますごすごと連行されていく2人だったが、結局突き刺さったまま置き去りにされたバイオレンスヘヴンは半泣きだった。
『誰か抜いておくれよー! はーやーくー!』
ファインクレマティ:超絶神ゼン
芝:A ダート:E
短距離:F マイル:A 中距離:A 長距離:C
逃げ:A 先行:A 差し:C 追込:D
ラフィアンロベリア:究極神アク
芝:A ダート:C
短距離:F マイル:A 中距離:A 長距離:C
逃げ:D 先行:C 差し:A 追込:A
バイオレンスヘヴン:創造神サガ/破壊神サガ
芝:A ダート:D
短距離:F マイル:A 中距離:A 長距離:B
逃げ:D 先行:A 差し:A 追込:F
これ自体その場の思い付きで描いた話です、次の閑話はちゃんとアンケート結果から引っ張ってくるのでご安心を。
とりあえず票が多い順に書いていく予定ですがうーんジーニアスアンサー人気なさ過ぎて笑う。
あ、それと元ネタがわかるようにウマ娘としての名前の横にクリーチャー名を書くようにしました。見づらいようであればまた違う表現にしてみます。
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