キミの愛馬365   作:なちょす

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食パン食べたらカビ生えてたよ⋯⋯カレンチャン⋯⋯。

あっ、足をつりながら書きました。
結局はバカップルが書きたかっただけ⋯。
足をつりながら読んでください。


んんw拙者、ど根嬢倶楽部会員No.1のサポカクソザコ侍にて候www特別にキングコールをする権利を進呈するでござるブッフォwww

 第一印象は最悪だった。

 

 そいつは、プライドが高すぎた。自分が誰より優れていると信じて疑わず、これと決めたら断固として譲らない。何をするにも上から目線で物を言う。スカウトに来たトレーナーだって、自分の理想と覚悟に釣り合わなければバッサリ切り捨てた。初めは、俺もその1人だった。

 選抜レースの結果が良ければ話は別だったかもしれない。けれど、そいつは埋もれていった。どこか力みすぎな走りをし、"何か"を振り払おうと無我夢中で走っていたせいで自分の力を十分に発揮出来ず⋯⋯ただ、レースを走り終えた。

 それでも、そいつは言い続けた。

 

 

 ───私はキングヘイロー、一流のウマ娘よ!

 

 

 誰もが困惑した。

 現実を、自分の力を直視出来ないウマ娘だと、呆れていた。

 一流を叫ぶ、口先だけの二流だと。

 

 だからこそ、最悪な第一印象だった。

 それを言い続ける事がどれだけ覚悟のいる事か、知らない連中からは。

 その瞳の奥に宿る、決して消えない炎が見えない連中からは。

 

 だからこそ、譲れなかった。

 だからこそ、認めさせたかった。

 だからこそ───。

 

 

『そして俺こそが、一流トレーナだ!』

 

 

 誰にも渡したくないと、思った。

 

 

 そこからはあっという間と言うもので、二人三脚でトゥインクル・シリーズを駆け抜ける日々が始まり、俺達は我武者羅にやってきたつもりだ。

 

 日本総大将(スペシャルウィーク)が。

 不死鳥(グラスワンダー)が。

 異端の逃亡者(セイウンスカイ)が。

 怪鳥(エルコンドルパサー)が。

 

 同世代が次々と勝利を収めていく中、アイツだけは勝てない日々が続いた。意見の食い違いが起こった事など沢山ある。譲れないものの為に対立した事など、数え切れないほどある。

 春も。夏も。秋も。冬も。トレーニング中も。トレーニング後も。レースの前も、後も⋯⋯いつだって小競ってばかりの日々だった。

 

 そうして迎えたあの日⋯⋯6月7日の、東京優駿───。

 

 

『キングヘイロー14着!!どうした黄金世代、無念にも馬群へと沈んでいった!!』

 

 

 前もって決めていた差しではなく、普段のレース展開からは考えられない、"逃げ"の強行策。元々先行策か差しでしかレースした事が無いアイツにとって、ぶっつけ本番⋯⋯それも逃げの戦法など誰が見ても無理だった。スタミナが切れた所を他のウマ娘達に狙われ、馬群の並に飲まれていったのだ。

 

 ターフから次々とウマ娘達が戻る中、アイツだけはただ一人、立っていた。

 

 泥まみれの勝負服を払うこと無く。

 雨にうたれる事を気にもとめず。

 

 こちらに背を向け、拳を握りしめながら、ただ⋯⋯立ち尽くしていた。

 

 

 ───キングは後退などしない。決して首を下げないの。

 ───私は一流のウマ娘、キングヘイローよ。こんな事で立ち止まったりしないわ!

 

 

 レースが終わって、アイツはそう言った。ただ前だけを見据えて、絶対に涙を零すことなど無かった。俺が何を言っても、きっと聞きはしない。それは譲れない王の意地であり、曲げられない王のプライドであり、自分自身が決めた⋯⋯王である為の絶対的な覚悟。

 拳を握りしめ、震える声で強がりに満ちた高笑いをして、そうしてまた、俺の前を歩くのだ。

 

 トレーナーは、ウマ娘と一心同体だ。勝てないのはウマ娘としての素質や血だけでは無い。どれだけ期待されたウマ娘がいようとも、その隣を歩くトレーナーが無能であれば勝ち続けることなんて出来やしない。

 

 なのに───こいつは、キングヘイローは⋯⋯決して俺を攻めようとはしなかった。決して、他のウマ娘を貶すような事は言わなかった。世間の標的だって、全てこの無謀な王ただ一人へと向けられた。

 

『⋯⋯何焦ってんだよ。』

『焦る?このキングが?そんなはず、ないじゃない。』

 

 立ち止まったキングヘイローの顔は見ずに、ただ前に立つ。あの日、自分が一流トレーナーだとほざいたのは俺だ。お前を独占したいが為に、覚悟があるなんて宣言したのは俺だ。

 

『一人でツッパんな。お前のトレーナーは俺だ。お前を勝たせてやれないのは俺の力不足だ。だからその⋯あぁー⋯⋯だから⋯⋯。』

『⋯⋯だから、このキングの前を歩こうって?そんな権利、あげた覚えはないけれど?』

『権利なんか要らない。これは俺の⋯⋯お前のトレーナーになった、俺自身の"義務"だ───キング⋯⋯良く、頑張った。』

 

 

 歩き出そうとした時、服の裾が掴まれた。

 後ろから、たった一回⋯⋯鼻をすする声がした。

 

 

 それだけで、充分だった。

 

 

 結局その後も子供の喧嘩みたいな小競り合いは続いたし、レースだって勝ったり負けたりの日々を繰り返した。一時期学園側からも、同世代に比べて戦績の残せていないコイツとの契約解除の話すら話題に上がった。

 

 けれども───もう、立ち止まらない。迷わない。

 何度泥に塗れようと。

 何度敗北の味を噛み締めようとも。

 後が無い、崖っぷちに立たされようとも。

 

 俺達は、二人で宣言した。

 

 

 

 必ず、有馬記念で勝つと。

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

『第3コーナー曲がりまして先頭は変わらずセイウンスカイ。その後をエルコンドルパサーが続いていく。グラスワンダー、スペシャルウィークは機会を伺っているかまだ出てこない。2馬身離れてキングヘイローここに居た。』

 

 雨の中山。年末最後の有馬記念は、悪天候をものともしない熱気に包まれていた。黄金世代と呼ばれるウマ娘達が一堂に会し、その頂を掴もうとしてれば当然だろう。序盤から展開が大きく変わる事は無く、彼女等は声援を背に受けながら走っている。

 キングヘイローは人気こそ他の同期に比べれば低かったが、それでも会場からは確かにアイツの名前を呼ぶ歓声も聞こえてくる。独りよがりかもしれないが、それだけで胸が熱くなった。自分達がしてきた事が間違いじゃないと思えた気がした。

 

 王は、一日にして在らず。

 

 嘗てアイツに掛けた言葉が、頭の中で反芻される。

 

 聞こえるか、キング。お前を呼ぶ声が。

 見えるか、キング。お前が進むべき道が。

 

 何度も何度も、何度だって負けてきた。

 それでも歯を食いしばって、立ち上がってきたのがお前だ。

 

 

 緑の勝負服、不屈の塊。

 血統を証明する為の戦い。

 

 

『第4コーナー、ここでグラスワンダーがセイウンスカイを交わす!スペシャルウィークとエルコンドルパサーもセイウンスカイに並ぶか───おっとここでもう1人、外からウマ娘がもう1人!!』

 

 

 先頭を行く黄金世代の面々が、確かに笑った。

 

 

 もし。

 もしも、たった1人だけ───頂を掴めるのなら。

 一日だけでも、アイツが王になれるのなら───それは今日、この時だ。

 

 

「撫で切れぇ!!キングヘイローッ!!!!」

 

『キングヘイローがグラスワンダーに並んだか!残り200メートル、グラスワンダー粘る粘る!最終直線の大接戦、どっちだ!どっちだ!キングヘイローッ!!キングヘイローが差し切ったッ!!』

 

 

 大歓声が巻き起こる中⋯⋯こちらを向いた、不屈の王が、力強く己の拳を掲げた。

 

 

『1着はキングヘイロー!17人の優駿達を引き連れて、堂々たる王の凱旋だッ!!』

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

「ちょっと、何らしくない変顔してるのよ。」

「は?普通の顔だが?寧ろお前の方が引き攣りスマイルなんだが??」

「はぁ?言うに事欠いて、このキングが引き攣ってるですって??」

「えぇしてます絶対してます、今おもしろい顔してます〜!」

「その言葉そっくりそのまま返してあげるわよ鏡でも見たらどうかしら〜!」

 

 レース後の控え室、互いに頬を抓るトレーナーとウマ娘。結局いつになっても、こんなやり取りは変わらない。

 まぁ⋯⋯違うところと言えば、1人は泥まみれで全身びっちょびちょ。1人は泣き腫らして顔面びっちょびちょという所だろうか。

 

「大体、このキングが1番を取ってきたんだから労いの1つでもしなさいよへっぽこ!泣き虫!」

「誰がへっぽこで泣き虫じゃい!じゃあ何だハグでもしてやろうか!!」

「へっ!?」

 

 素っ頓狂な声を出し、キングヘイローは耳がピンと立った。⋯⋯なんだその反応。完全に予想外である。もっと軽く、『馬鹿じゃないの!』ぐらいしてくるかと思ったのに⋯⋯おい、なんでちょっともじついてる。なんでちょっと控え目に両手を広げてる。言ったこっちが恥ずかしく⋯⋯いや、まぁ、うん。

 

「⋯⋯お疲れ⋯キング。」

「⋯⋯えぇ。」

 

 抱き締めた彼女の体は、その衣服の冷たさを感じない程に火照っていた。走り終えた後だからだろうか。年相応な人間の少女と変わらない体に、多くの力と夢を乗せて、ウマ娘達は走っている。

 自分の背中に手を回してくるコイツもその1人だ。それがどうしてか、とても愛おしくすら思え───。

 

 

「キングちゃん、トレーナーさんとぎゅーってしてる!!大人だねぇ〜!!」

 

 

 ⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯ん?

 

 

「ち、ちょっとウララ!今いい所だから邪魔しちゃダメだって!!」

 

 

 ん?ん??何故セイウンスカイの声がするのか。何故応援席にいた筈のハルウララの声がするのか。チラリとドアの方を見てみれば、なんと黄金世代と一緒にハルウララ。控え室にも春がやってきましたってか、やかましわ。

 

「あ、すみません!どうぞ続けてもらって大丈夫です!」

 

 スペシャルウィークさんや、何を期待している。続きってなんだ。人参どっから持ってきたの??

 他の同世代も各々方どうにも楽しそうな反応じゃあないですか。

 

 気まず。

 

「⋯⋯⋯⋯。」

 

 ほれ見ろ。うちのキングの体温が上昇しているじゃないか。心做しか、背中に回ってる腕の力もどんどん強く⋯⋯お?。

 

「お、おい、キング。力ッ⋯力強⋯!」

「⋯⋯⋯⋯わ。」

「お"ぉ"ぉ"ぉ"お"ぉ"お"お"お"お"ッ!ベアハッグ!!キングッ!おい聞こえてんだろ、あんぽんたんッ!スットコドッコイ!!む"ん"む"ん"ッ!!」

「見世物じゃあ、ありませんわぁッ!!!!」

 

 次の瞬間には、身体が無重力を感じていた⋯⋯俺は、今宙を舞っているのだ。

 そう言えばウマ娘って、100キロくらいのバーベル平気で持ち上げるんだよな。おいおい、死んだわ。

 

「ぐぇ"ッ!!!!」

「ケッ!?」

「キング〜、投げはマズイよ。」

「あらあら⋯⋯トレーナーさんも楽ではありませんね?」

「お前⋯⋯ホント覚えてろ、畜生⋯⋯。」

 

 控え室で起きるのは、小さな笑い声。誰から発せられたそれは波紋となって、やがて大きな笑いに変わっていく。

 此方に背を向けたキングヘイローの、鏡越しに映ったその顔に浮かんだ笑みを⋯⋯俺は忘れはしないだろう。

 

 今日というこの日も⋯⋯自分達がしてきた事の全ても───決して。

 

 

 

 

 

 

 それはそれとして、二度とハグはしてやらんがなッ!!!!




キングヘイローのここすこ

高飛車でプライドクッッッッソ高いお嬢様がどんどんレースで成長していく話かと思ったのに初見のど初っ端で1番スポ根してるだなんて分かるわけないよねっていうか自分の血統と一流を証明する為に走るっていう覚悟に手足としっぽと馬耳が生えた生き様がもう本当にすこだしあんなに泥と雨が似合う美少女居んのかってレベルで語彙力皆無になる⋯えっ、てか勝負服解放した時、あのお嬢様セリフからあんな固有演出になるって分かってた兄貴姉貴居るの??
キングコールしてくれる取り巻きウマ娘ちゃん達もキングの絶対に他人を見捨てない王の精神というか人柄の良さに惹かれて好きでやってるんだろうなって思ったら感慨深いものがあって泣きそうになるし同室がハルウララなのも堪りませんとらるホテル。大体不屈の塊ってなんだよカッコよすぎてこちとら史実の高松宮記念見返してまた泣いたしなんなら撫で切られたわ。親のG1より見た高松宮記念。
ストーリーモードで一緒に母親に宣言した時とか『エッモ』しか言えなかったし自分は散々一流を叫んでるのにトレーナーが俺も一流トレーナーとか言ったらこっちの事真っ先に心配してくれるのとかそういうとこだぞお前⋯⋯しゅき⋯⋯。
うまぴょい、絶対しような!!(8連敗)

それはそうと、オーバーデビルは強敵でしたね。
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