「ンンッ……マ゜ッ! ア゛ッ!↑」
ステイシーが放ったインムトジルギアの悪影響を受け、介人を襲ったガオーン。
性欲に狂う野獣と化したかに見えたガオーンだったが、彼を信じる介人は正気を取り戻すよう声をかける。
そして、介人の言葉を受けたガオーンの心は今、欲望と愛の二つの感情の間で揺れ動いていた。
「ぷももえんぐえげぎぎおんもえちょっちょちゃっさっ」
せめぎ合う二つの意識に
ついには意味不明な言葉を上げ、白目をむいて口から泡を吹き始めた。
「ガオーン! (心が)痛いか?大丈夫か?」
「狂いそう……! (このままじゃ)狂うぅ^~~~」
どうやらガオーンも限界の様子。
このままでは、彼の心が壊れちゃ^~う。
友の心を苦しみから解放してやるため、ついに介人は一大決心をした。
「……ガオーン、もしかして俺のことが好きなのか?(青春)」
「(介人の)太いシーチキンが欲しい……」
「お前……本気で、言ってるのか? お前……本気で、言ってるのか?(二回目)」
「完全☆合体☆合金☆おちんちんください!!」
「ガオーンがさっき、本気で言ったんなら……俺は、その言葉に応える」
「!!」
そう、介人はガオーンの苦痛を取り去るために、彼の愛を受け入れることを決めたのだ。
「介人……」
ガオーンはフラフラとよろめく体で、全裸の介人に覆いかぶさった。
介人は硬く目をつむり、ガオーンのすべてを受け止める姿勢だ。
「…………」
だが、ガオーンが介人に手を出すことはなった。
ガオーンは、自らが結んだ介人の両手足の拘束を外し、彼を自由にしてやる。
「ガオーン、どうして……」
「介人の言う通りだよ。僕は君のことが大好きだから、介人が嫌がることは絶対にしない。耐えます(意地)」
意思の力でインムトジルギアの呪縛を押さえつけることに成功したガオーン。
ようやった! それでこそ男や!
「で、でも……いつまでも耐えられそうにはない、かな」
「よし、俺たちもステイシーを探しに行こう。インムトジルギアを壊せば、ガオーンも元に戻るはずだよ」
「そうだね。けど、肝心のステイシーがどこにいるのかわからないよ? やみくもに探してても、らちが明かないんじゃ」
「大丈夫。俺に一つだけ、心当たりがあるんだ」
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆
ステイシーを目指し一直線に駆ける介人と、その後を追うガオーン。
果たして介人の予想は的中。
目的のステイシーは、介人が見当をつけた場所にいた。
そこは、介人が初めてステイシーと遭遇した所。
高架下を思わせるコンクリート屋根の下にある、人気のない小さな商店通り。
この場所で、ステイシーは以前のように、ただ一人で機械たこ焼きを食べていた所だった。
ステイシーもガオーンも、介人がなんのヒントもなくこの場所を的中させたことに、驚きの表情を浮かべる。
「五色田介人……なぜ僕のいる場所が分かった……?」
「そうだよ(便乗)」
「
「こんなもの、別に美味しくもなんともない。単なる気まぐれだ」
「そう? それにしては、ちょっと笑ってるように見えるけど」
介人の指摘に、ステイシーは自分の頬に手を添えた。
「やはり君はふざけた男だ。気に食わない」
ステイシーはどこからか、ギアトジンガーを取り出した。
「介人、僕たちも!」
「分かった!」
ガオーンたちもギアトリンガーを手にする。
「「チェンジ全開!!」」
「……暗黒チェンジ」
『邪バーン!』
介人たちが正義の戦士ゼンカイジャーに変身するのと同様に、ステイシーもまたダークセンタイギアを用いることで、姿を変えることができるのだ。
それは紫色の暗黒戦士、『ステイシーザー』。
「「二人だけでも、機界戦隊ゼンカイジャー!!」」
「暗黒のパワー……ステイシーザー!」
両者は共に名乗りを上げた。
そして間髪入れず激突する、ゼンカイザー&ゼンカイガオーンvsステイシーザー。
ステイシーザーは、ゼンカイガオーンを惑わすように声をかける。
「君は人間が好きなんだろう? 半分人間の僕に攻撃できるのかな?」
「確かに僕は人間ちゅわんが大好きだよ。けど、君は僕を操って介人を傷つけさせようとした。だから今は、もう許さねえからなぁ~?」
怒り心頭のゼンカイガオーンには、ステイシーザーの動揺を誘う言葉も通用しない。
ガオーンの心を揺さぶり、孤立したゼンカイザーを叩く予定だったが、当てが外れた。
ゼンカイガオーンはゼンカイザーとの巧みなコンビネーションによって、ステイシーザーを圧倒する。
「ちっ。なら、これでどうだ」
『ジュウイチバーン! マースクマン!!』
ステイシーザーはギアトジンガーに別のダークセンタイギアをセット。
11番目のスーパー戦隊、『光戦隊マスクマン』のコピーを召喚する。
「また偽物か、壊れるなぁ」
「(困ったらすぐ先輩戦隊を呼び出すとか)お前……ホンマ……使えんわー……はーつっかえ!」
実体化したマスクマンの偽物を見たゼンカイガオーンとゼンカイザーは、呆れたように言った。
即座に襲い掛かるマスクマン。
が、本物の親愛を結んだ今の二人には、偽物の愛のソルジャーなど敵ではない。
二人だけのゼンカイジャーは、五人がかりのマスクマンを凌駕する勢いで戦っていた。
思わぬ劣勢に動揺を隠せないのはステイシーザー。
「クッ……だったら、こうだ!」
『ジュウゴバーン! ジェーットマン!!』
続けて、十五番目に活躍したトレンディ恋愛戦隊、『鳥人戦隊ジェットマン』のコピーを召喚する。
十対二の数の差は大きく、流石に押されるかに見えた二人だったが
「僕の介人を愛する気持ちを……」
「スーパー戦隊の平和を愛する気持ちを……」
「「利用するのはもう許せるぞオイ!!」」
怒りをパワーに変えたゼンカイガオーンとゼンカイザーは、偽物とはいえ十人ものスーパー戦隊と対等に渡り合っていた。
「ヴォー……怖えぇー……」
『サンバーン! バトルフィーバージェーイ!!』
強敵に対して一歩も引かない介人とガオーンに恐怖を覚えるステイシー。
さらに、三番目のスーパー戦隊である『バトルフィーバーJ』の偽物を呼び出した。
「さすがにこれだけの数を呼び出せば、あの二人にも勝ち目はないだろう……。さぁ、正義の味方解体ショーの始まりや」