ゼンカイザーとゼンカイガオーンの二人に対して、マスクマンにジェットマン、さらにバトルフィーバーJをも召喚したステイシーザー。
ステイシーザーは、乱戦中のゼンカイザーたちに向けて、バトルフィーバーJを差し向ける。
二対十五はやはりヤバい。
「ところがどっこい、俺らがいるんだよなぁ!」
「『すぐ来て、大事な……命やから……すぐ来てや!』ってセっちゃんから連絡があって、飛んできたっすよ!」
「(仲間のピンチには必ず駆けつけるヒーローもののお約束からは)あぁ逃れられない!」
圧倒的数の有利を得て安堵するステイシーザーだったが、それを打ち消すように現れたのは、すでに変身済みのゼンカイジュラン、ゼンカイマジーヌ、ゼンカイブルーンの三名。
「お ま た せ」
「みんな、来てくれるって信じてたよ!」
「もうちょっと早くても良かったけどねぇ」
と会話を交わしながら偽物戦隊と戦うジュラン、介人、ガオーン。
「敵は多いですが、大したことはありません。今日は私とあなた達でゼンカイジャーです!」
「いや元からゼンカイジャーなのは自分たちだけなんだが!?」
ブルーンとマジーヌも冗談を言い合いながら、ダーク戦隊と戦闘を始めた。
そして協力した五人を前にしては、コピーといえど総勢十五人ものスーパー戦隊は、あっという間に倒されるのだった。
消滅する偽物のスーパー戦隊たち。
残されたステイシーザーの前に、ゼンカイジャー達は集合した。
「見たかステイシー。人間は一人一人は小さいけれど、俺たちゼンカイジャーはたった二人でも最強。さらに全員そろえば無敵になれるんだ!!」
「クソっ……まさか、ダーク戦隊たちがここまで役立たずだったなんて……!」
啖呵を切るゼンカイザーに悔しさをにじませるステイシーザー、
そんなステイシーザーに、ゼンカイザーは声を上げる。
「ステイシー! 俺たちに勝ちたいんだったら、お前も誰かと協力してみろよ!」
「なにを言っているんだ? だからこうやって、歴代戦隊の力を使って……」
「違う! それはただ、力を利用しているだけだ!! 協力っていうのは、信じられる相手と心を一つにすることだ!」
「……信じられる相手だって……?」
仮面越しで分からないが、ステイシーの声に諦めとも嘲笑ともつかない色が混ざったように、介人は感じた。
「ふざけんな!(声だけ迫真) 僕は父親であるバラシタラに捨てられ、今もこうしてトジテンドから利用されている……。そんな僕に、心から信じられる相手なんている訳ないだろいい加減にしろ!!」
激高するステイシーザー。
その時、彼の持つインムトジルギアの力が回復した。
ステイシーザーはギアトジンガーにインムトジルギアを挿入♂。ゼンカイジャーたちに銃口を向けた。
ゼンカイザーは、即座に腰のゼンカイバックルを開け、一枚のセンタイギアを取り出す。
「だったらこっちはこのギアだ!」
『ジュウヨンバーン! ファーイブマン!!』
ギアトリンガーのハンドルを回し、歴代初の兄弟戦隊である『地球戦隊ファイブマン』の幻影が出現。
それぞれのシルエットが、五人のゼンカイジャーの体に吸収される。
「あんたたち、逝くわよ! スーパーブラザージョイント!!」
「「「「アッー!」」」」
介人の号令が飛ぶ。
ファイブマンギアのもつ兄弟愛の力によって、魂の兄弟であるゼンカイジャーの五人も、腰を起点に合体(意味深)した。
「F.C.O.H.(太いちんぽがおまんこにはいっちゃう)」
「太すぎるッピ!」
「Oh! まんこに太いのが入っトゥル」
「おまんこがこわれちゃう! 女の子になっちゃう!」
いきなりのことにジュラン、ガオーン、ブルーン、マジーヌが口々に叫び声をあげる。マジーヌはもともと女の子だろいい加減にしろ。
ゼンカイジャーの喧騒をスルーして、ステイシーザーはギアトジンガーの引き金を引く。
「シーザー暗黒邪爆撃!!」
対するゼンカイザーも、五人の力を集結した一撃を放った。
「必殺全開! スーパーベクトルバスター!!」
インムトジルギアのクッソ汚い排泄物エネルギーと、ファイブマンギアの清らかな愛のエネルギーが空中でぶつかりあう。
二つの力の均衡は、一瞬にして崩れた。
「(俺たちの)愛のパワーを(受け取って)ください!」
スーパーベクトルバスターの光の奔流がステイシーザーの攻撃を打ち砕き、闇の戦士の体を包み込んだ。
バァン!
爆炎に包まれるステイシーザー。
炎が晴れた先には、元の姿に戻ったステイシーがいた。
大きな怪我は追っていない様子だが、身にまとった軍服の所々が裂けている。
その足元には、砕け散ったインムトジルギアがあった。
「……今日の所は僕の負けのようだ。だが、いつか君たちに教えてあげよう。愛の力なんて、しょせん信じるに値しない幻だということをね……」
そう言い残し、ステイシーはワープゲートを通ってトジテンドへと帰っていった。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆
戦いを終えカラフルに帰宅した介人たち。
ヤツデとセっちゃんが五人を迎え入れた。
元に戻ったガオーンは早速、介人たちが一話で買って帰った食材を使い、料理大会用のメニュー作りに再挑戦する。
「……よし!」
ガオーンが作ったのは二つ。カレーライスのルーとエビピラフだった。
「それじゃあいただき……」
「あっ、おい待てい」
早速試食しようとする介人をガオーンが止める。
「どうしたのガオーン?」
「ちょっとね。このカレーと、エビピラフを……んっ!」
ガオーンはカレールーが入った皿を持つと、大胆にもエビピラフに全部かけてしまった。
当然介人たち四人は、ガオーンの行動に驚きの声を上げる。
「「「「えぇーっ!?」」」」
「まだよ、まだまだ。まだ調理は続いてんだよ」
そう言うと、今度は袋に入ったポテトチップスを取り出す。
これはカラフルのお店で売っている商品の一つだ。
「最後にこのポテチを、パラパラり~」
カレーをかけたエビピラフをグチャグチャに混ぜ、その上からポテトチップスを砕かず、そのままふりかけた。
「完成! これが僕のオリジナルメニュー、カレーピラフさ!」
自信満々のガオーン。
介人たちは早速、ガオーンの作ったカレーピラフを口に入れる。
「うん、おいしい!」
料理を食べた五人は、「美味しいけど、美味しい」、と口々にガオーンの腕を褒めちぎった。
最初から一つのメニューで作るのではなく、異なる三つのメニューを組み合わせる。
ガオーンが今回の騒動で実感した、仲間との絆を料理のかけ合わせにも応用したのである。
(ジュランあたりにからかわれるから、絶対に口にはしないけどね)
内心で言い訳じみたことを考えるガオーン。単に恥ずかしがっているだけなのだが。
そんなガオーンに、介人が声をかけた。
「あっ、そうだ。ねえ、ガオーン。次は、たこ焼きを使ったオリジナルメニューを作ってくれないかな」
「いいけど、なんで?」
「ステイシーにも、ガオーンの料理を食べてほしくってさ」
「ステイシーに……?」
「あいつ、誰も信じられる相手がいないって言ってたでしょ。だったら、俺たちがその信じられる相手になればいいと思ってさ。そのためのお近づきの印にね」
「そっか……」
介人の、敵であろうと思いやる心の温かさに、ガオーンの胸はキュンキュンした。
「僕、介人と友達になれて本当に良かったーって思うわけ」
「俺も、ガオーンと友達になれて……最高やな!」
互いに微笑みを交わすガオーンと介人。
きっとこの二人の友情は、なにがあっても壊れることはないって、はっきりわかんだね。