システムとは、何か? 作:no w here
声を発さず、一部を除く幹部及び魔王に使う言葉は理解できる物ではない。戦働きは誰一人とて見たことがないにも拘らず、魔王や一部の幹部に重宝される。
少しでも、情報が必要だ。
故に3人―――今代の魔王、第9軍団長"黒"、第10軍団長"白"へ聞くことにする。
>>第10軍団長の場合
会議が終わり、第10軍団長の居る席に目を向ける。
既にそこにはいなかった。会議を終わる、その一言が発された直後に俺は目を向けたがその地点で居なくなっている。探知を用いてもそれらしき気配は城内に存在しなかった。勿論と言わんばかりに
かのものが首を傾げて此方を見る。その眼は俺自身の奥底を見据えるような気味の悪さ。斑となった髪の毛も光を映さない目と合わさってさらに増長された。…試しに声をかけてみる。
「すまないが、所用はあるだろうか?」
…首を傾げた後、眉尻を下げて小さく会釈した後出て行ってしまった。やはりというか言葉は通じなかった。
これで分かったのは
それと"思っている以上に人間らしい"事。首を傾げたのは恐らく話しかけられた言語を理解できなかったから。眉尻を下げて小さく会釈したのは、理解できず会話が成立しない事を申し訳ないという意味合いだろう。気味が悪いと思っていたが、それは単純に周りとの交流がままならない事が要因ではなかろうか。
>>第9軍団長の場合
「ん?修羅のことが聞きたい?」
頷く。
席を立ち、立ち去る所で第9軍団長へ話しかける。第9軍団長は少し考え、「まあいいか」という言葉と共に頷いた。直属とされている第10軍団長程は修羅を知らないだろうが、今は少しでも情報が欲しい。
「業務に携わらない程度で頼む。あまり時間はない」
「かたじけない。先ずは修羅の名前を」
「聞いたことがない。曰く"自分の名前で生きていけるならこんなところにはいない"…だそうだ。当人も忘れてるんじゃないか?」
捨て子、だろうか。或いは摩耗して忘れたのか。どちらとも判断は付け難いが、少なくとも人族一般の生まれとはかけ離れている。魔族とも同様。幸運にも
「修羅の保有スキルは」
「
「…なんだと?」
「文字通り
「―――ふざけろ、鑑定や探知に引っかからないのはスキルが原因じゃないのか?」
第9軍団長は首を横に振る。これについては何も話せることが無いらしい。苛立ちを隠さずに軍団長を睨みながらも次の話へ進める。…第9軍団長が時計を確認した以上、そろそろ業務に差し障る頃合いなのだろう。
「最後に一つ。強さは?」
「平均を取ればまちまち。人型に対して
「分かった。すまないな、貴重な時間を奪った」
「いや、構わない」
さて、あまり気は乗らないが―――魔王様の下へ向かおう。
「…信じないだろうな。タイマンに限れば、
>>魔王の場合
「あー…正直に言うけど、
まさか、そこまで強いとは思っても居なかった。絶句したまま魔王様を見る。纏う雰囲気は何処か面倒そうだが言葉に嘘は見受けられない。…事実なのだろう、だがそうなると疑問が上がる。
「ならば何故、彼は軍団長に指名していないのですか?」
「まずは言語ね。軍団長である以上、配下とのコミュニケーションができないとお話にならないから」
「それこそ彼を重用している者達に」
「それ以上に、彼の強さは正しく
波がある、どころではない。
最弱のタラテクト種に苦戦するが、第9軍団長の言葉が事実であれば人型ならめっぽう強い。確かに安定しない強さを持つ存在を軍団長にするのは憚られる。
「あとは、白からのお願いね。
「…白の私情、という事で?」
「そうね」
淡々と魔王様は答えた。だが、此処で得られた情報は大きい―――第10軍団長は修羅に対して
「修羅が此処に来た目的は」
「
「…探している人が生きているという保証は」
「無いわね。あと一つ位なら答えるけれど」
一つ。そう言われて考える。此処が恐らく修羅の事を聞ける最後の時間だろうとなんと無しに察した。
然し、知りたい事は悉く"知らない""分からない""
「…これは頼みなのですが」
「バルトが頼みなんて、珍しいね。私が聞ける範囲であれば答えるけど」
「修羅との合同作戦を組むために、第10軍団長に話を取り次いでいただきたいのですが」
「…んー…」
魔王様は気乗りしないのか、小さく唸る。5分程その状態が続き―――
「うん、良いよ。私から白に話を通しておく。その際に"修羅の意志を優先する"ってつけておくから修羅の意志依存になるけど、それでもいいかな?」
「ありがとうございます」
関係性
魔王→修羅:雑多
修羅→魔王:主従(主)
白→修羅:雑多
修羅→白:友
黒→修羅:強さに対する畏怖/敬意
修羅→黒:無心