星之宮学園。
私が進学した中学はマンモスといえるほど多くはないが、札幌市内にあるため比較的規模は大きく三棟の校舎の屋上がそれぞれ違う方角を向いた巨大な天体望遠鏡があるのが特徴だ。
三個もいらなくね?とは思った。思うよね?
もちろんサッカー部はちゃんと存在するし、毎年地区予選決勝まであがり本戦にも何度か出場したこともあったらしい。いやー、去年廃部になりましたとかじゃなくてよかった。
とは言いつつも中々人数はギリギリらしく、私たち一年生が4人(+マネージャー1人)が入部して現在13人となんとか試合できる人数だ。
まあそれでも雷門よりはマシですけど(マウント)。
部員は私ら一年生が4人(2度目)
二年生が5人で三年生、つまり今年卒業する先輩が4人だ。あとマネージャーは三年生と一年生の二人である。
それじゃあイカれたメンバーを紹介するぜ!!
まずは三年から。
黒柳〇子さんにも負けないくらいボリュームかつ鮮やかすぎて恐ろしい髪が特徴、目立ちたがり屋である一方でディフェンステクニックとテンションで常にチームの士気を高く維持し続ける現ディフェンスリーダーの
七美先輩とは逆に落ち着きのあるもののやはり高飛車であり結局似た者同士として扱われる、的確な指示でパスコースを塞がせてプレスをかけに行く守備的ミッドフィルダーの
物静かで白い長髪に赤と青のオッドアイとかいういかにも腐女子受けしそうなビジュアル、勝負ではタイマンなら攻撃・守備問わずチームでも一二を争うほどの実力を誇るリカバリーに長けた
チーム内では一番普通な見た目をしている癖に彫刻作品で日本一とれる才能持っててサッカー部に来た理由が謎すぎる、しかし鋭く相手からしたら嫌なタイミングでスライディングを仕掛けてくる中盤の切り込み隊長である
続いて二年。
三年生の先輩方を差し置いて現キャプテンを任されているわれらがリーダー、チーム全体を前向きに引っ張っていく適正はあるものの人の話を中々聞かなかったりする難儀な面も。即断即決でその場に応じた指示を出し一直線に素早く駆け上がり点を取りに行くミッドフィルダーの
我が強く点を取ることを一番の楽しみとしているため七美先輩や射手先輩としょっちゅう衝突するものの、不利な状況を苦ともしないガッツの高さと持ち前のワイルド感あふれる勢いで攻めあがるさまからオフェンスリーダーを任されている
マイペースではあるもののチーム内では貴重な理知的に性格で我の強い皆々様の細かな穴を埋めていくチームのブレーン、流れる水のようなしなやかな守備と観察眼で相手の勢いを削ぐ戦法を得意とする
正義感が強くチームのいざこざを率先して治めに行くものの逆に火に油を注ぐことが多い、チーム内では獅子谷先輩と並んで持久力が高く、どんな相手でも恐れずに勇猛果敢に突撃していくディフェンダーの
水瓶先輩とは違う意味で珍しい穏やかな性格で後輩のケアが上手い一方で騙されやすく中立的だからこそ板挟みになりやすい苦労人、安定した体感でどっしり構える現在チーム唯一のゴールキーパーの
最後に一年
強面が原因で同級生からは恐れられているが本当のところは慎重かつ堅実な性格で社交的というギャップがすごい人、試合では一転して羊家先輩よりも恵まれた体格から繰り出すタックルを始めとしたパワープレイを得意とする『暴れ牛』こと
穏やかな顔つきから「菩薩」などともよばれておりそのあだ名が示すようにチームの仲裁を引き受けることの多い知識人、普段は中立ゆえの優柔不断が目立つが試合ではフェイントや相手のパス先を迷わず防ぐ揺さぶり特攻持ちの
私と同じく一年の女子選手でありマルチワークを易々とこなし文武両道を絵にかいたような才女、飽きっぽさはあるものの攻守両方をこなせるバランサーであり私の親友の
そして噂の美少女、キック力はゴリラの私こと乙女乃スピカ。
うーん、私だけ簡潔でひどい言い様じゃないか?まあ事実なんですけどね。
それにしても入部直後はひどかった。
なにが大変って先輩方の我が強すぎるのよ。
わかりやすく言えばこいつらプロトコル・オメガの前世かよってくらい仲悪い人が多い。
実は最初のころは20人くらい新入部員がいたんだけど、内輪揉めが多すぎてほとんどがストレスで辞めてったんだよね。ちなみに毎年恒例らしい。いやな伝統。
残った私らはというとそれなりにやりすごしてた。
それこそ温厚な鶴賀先輩や水瓶先輩が練習手伝ったりはしてくれたけど、紅白戦とか練習試合になるとそうはいかない。
ひとりの先輩にパス渡すとその先輩の事が嫌いな先輩から圧をかけられる。ハーフタイム中に煽りあいは日常茶飯事。初期カオス波のギスギス具合よ。
特に私は同じフォワードの獅子谷先輩から目つけられてた。
私にパス回ってシュート指示出たとき露骨に舌打ちしてたくらいだからね。
じゃあどうやって連携するのかっていうと、それはもう別種の信頼よ。
「こいつならこれくらいのパス届くだろ。」とか、「この状況なら自分よりあいつ適任」みたいな口には出さないけど分かってはいるから何も言わずともできるようになってしまった。
あ、できるようになったのは私たち一年ズね。
先輩たちはさすがにできるよ。むしろ一年二年経ってもできてなかったらジャッジスルー決めてたわ。
まあチーム内でのいざこざは多々あったけれども無事今期のフットボールフロンティアの地区予選は突破した。
え?展開早い?だってスカウトキャラにもなってないようなもMOBが多すぎるんだもん。
ちなみに白恋中は出てなかったよ。まあ影山の仕業ですね。知ってた。
そんでもって地区予選一回戦目の相手なのだが…
「木戸川清修、ですか…」
FF本戦常連校の名門、木戸川。
イナイレに出てくる学校としてはかなり普通な感じのキャラが多いが、攻守ともに強力な連携を有する強豪だ。
しかも今年は向こうには「彼」がいる。
ジュニア世代から地区で名を轟かせた、無印イナズマイレブンの主人公の一人とも言えるストライカー。
そう……その名は…
「おやおやぁ?なんでこんなとこに女子がいるんだ?みたいな?」
「そのユニフォーム、本戦1試合目に戦う星之宮学園のものですね。」
「北海道から来たのに俺たちに負けるなんてご苦労なことだぜ!」
……いや君たちじゃないよ、グラサンタラコトリオ。
日本代表候補に選ばれるものの、オフサイドトラップで出番がなくなった長男。
ネオジャパンには入れたものの、クソダサZ教えただけで後はベンチ温め係だった三男。
そしてどっちにも入れなかった次男。
うーん……キャラは立ってるし実力もあるはずなのになんかパッとしないよね。
「…友、なんか俺たち馬鹿にされてる気がする?みたいな?」
「奇遇ですね。私もそう感じました。」
「こっち視る視線が呆れてるっぽくね?」
顔も大して良いわけではないし、漫画版だと出番95%くらいカットされてるし、なんていうんだろう…
キャラは立ってるからストーリー的には扱いやすいけどゲーム的には使いづらい、微妙な立ち位置よね。
ゲームプレイヤー的にも腐女子的にも。
「はぁ……」
「初対面でいきなりため息つかれたんだけど!?みたいな!?」
「し、失礼な方ですね…」
「喧嘩売ってんのかコラァ!」
やっべ、つい本音のため息がもれてしまった。
てかいきなりダル絡みしてきた君らに失礼がどうこうとか言われたくないなぁ。
「おい武方、問題を起こすのはやめておけ。」
「あぁ!?あっちが俺らのこと馬鹿にしてきたんだぞ!」
「さきに煽ったのはどうせお前たちのほうだろう。監督が呼んでるから戻るぞ」
「ちっ…仕方ねぇ。みたいな?」
「この喧嘩は試合で返してあげますよ。」
「ビビッて逃げんじゃねぇぞ!」
どうしたものかと悩んでると、彼らと同じく赤色の木戸川のユニフォームを着た少年が声をかけてきた。
どうやら連れ戻しに来てくれたみたいだね。助かるわ~。
なんて思ってたらあいつ豪炎寺やんけ!
噂をすればなんとやらってやつ?たまげたなぁ。
「すまなかった。チームメイトが迷惑をかけたな。」
「いえいえ、むしろ試合前に君と話せただけでもラッキーものですから!」
「俺の事を知っているのか?」
「少なくとも本戦に上がってきたチームはみんな知っていると思いますよ、炎のストライカーさん?」
「フッ……まさか北の果てまで知られているとはな。だが俺も君の事は知っているよ、『北国のヴァルキュリア』」
「……その誰がつけたかもわからない恥ずかしい二つ名で呼ぶのやめてほしいんだけど。乙女乃かスピカでいいですよ?」
「それなら俺のことも豪炎寺で構わない。この後の試合、お互い全力でぶつかり合おう。」
「ええ、楽しみにしています、豪炎寺君。」
私と握手をかわしてくれた炎のストライカーこと豪炎寺修也。
短いやり取りではあったが、彼からは心に秘めた熱い闘志を垣間見た。
…うん、私も久しぶりに燃えてきちゃった。
ていうか豪炎寺から握手いただいたんだが!?
感激ものですよこれは!!
はーこれから一か月は手洗わないでおこ。いやご飯食べる前は洗ったほうがいいわ(冷静)。
『さあついに始まりました、フットボールフロンティア全国大会!!中学サッカーに帆に血を決めるこの大会で本戦1試合目を飾るのはこの二校!北海道地区予選を突破、過去何度も本戦まで勝ち上がってきた北の覇者!星之宮学園!対するは関東地区予選Bブロックを突破、強力なストライカーが四人も新一年生として加入し攻撃力がさらに上がった名門!木戸川清修中!果たして勝利をつかむのはどちらなのか!?』
「…ん?どうしたスピカ?緊張してんのか?」
「そりゃあもちろん。私今までこんな大舞台に立ったことないですから。」
「はっ!それじゃオメーは今までの試合緊張してなかったってことじゃねーか!肝座りすぎなんだよ!」
「ふふっ……確かにそうかも、ですね。」
今までの試合、もちろん全部本気で挑んだし、楽しかった。
でも満たされることはなかった。
相手が名も知らないモブだったからとかそういうのが全ての理由じゃないし、私にも不完全燃焼の原因はわからない。
けど今は、この場所は、
実況の声がスタジアムに響き、観客席が熱狂する。
前を見据えた先には日本が誇ることになるストライカーがいる。
……うん、今わかった。
ギリギリの試合。
絶対勝てるって言いきれない試合。
最後の最後まで何が起こるか、勝敗が読めない、そんな試合を私は望んでたんだ。
今までは、二次元のキャラに会えるとか、必殺技使えるとかに浮かれてたけど、
今はその先のもの、闘志のぶつかり合い、それを望んでいるんだ。
だから私は、目の前の
……まいったね、私が実はこんなバトルジャンキーだったなんて。
「……豪炎寺君、私のこと
【悲報】主人公、デザーム化。
恐ろしいくらい話が進まない。
先週にこれ投稿したかったけど忙しすぎたんや、許してください。