腐女子、イナイレ世界に転生する。   作:楓/雪那

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ストライカーズOPのガッツポーズしながら走る五条さん今見ても笑えてくる。

それはそうといきなりエイリア編です。


腐女子、教祖と出会う

乙女乃スピカが失踪してから一年後

 

 

 

今年のフットボールフロンティアは無名のチーム同士が決勝戦で対決した。

方や実力こそ低かったものの、驚異的な成長速度で野生や帝国、木戸川といった強豪を不屈の闘志で突破してきた円堂守率いる雷門中。

方や帝国を作り上げた影山零治が新たに作った、対戦するチーム全員を負傷させ圧倒的な点差で勝ちすすんだ亜風炉照美率いる世宇子中。

 

 

 

人間の力を神ともいえるレベルにまで引き上げる劇薬、『神のアクア』を使用する世宇子に雷門中は何度も傷みつけられるが、円堂が伝説の技『マジン・ザ・ハンド』を土壇場で完成させて世宇子からゴールを死守。

円堂の覚醒を皮切りに雷門の反撃が開始、逆に自分たちの力を絶対的なものだと信じていた世宇子のメンバーは一気に崩れてしまった。

結果、雷門が4-3で逆転勝利、40年前までに無敗を貫いた伝説のイナズマイレブンの再来と話題になった。

 

 

だがその一週間後、事件は唐突に起こった。

東京各地の学校が謎の集団によって立て続けに破壊されていった。

 

 

『エイリア学園』

遠き星・エイリアより飛来した侵略者。

 

 

犯人たちはそう名乗り、この星で勝者を決める手段である『サッカー』を利用。

敗北した学校を未知の黒いボールで破壊して、同じく未知の技術でその場から忽然と姿を消す。

 

 

 

かの雷門中もサッカー部員たちが不在の際に襲撃を受け崩壊。

その後他校を守るため、エイリア学園からの刺客『ジェミニストーム』と対決するものの一点も取れずに大差で敗北。

さらにうち五名が入院するほどの大怪我をして離脱を余儀なくされた。

 

 

しかし残った雷門のメンバーは一度の敗北では挫けなかった。

エイリア学園に対抗するため、日本各地の凄腕の選手たちを集め『地上最強イレブン』を結成するために活動し始めた。

 

 

最初の行先、奈良では日本の総理大臣、財前宗助がアメリカ大統領との式典の最中に誘拐され、ジェミニストームによりテレビ局がジャック、宣戦布告を仕掛けられる。

雷門イレブンは総理の護衛を務めるチーム『SPフィクサーズ』のキャプテンで総理の娘でもある財前塔子を新たにチームに加えて戦いを挑むものの、結果は以前よりも点差を広げられて二度目の敗北。

負傷者こそおらず何故か財前総理も解放されていたが、新監督・吉良瞳子の指示でエースストライカーの豪炎寺修也がチームから離脱することになった。

 

 

そして現在、一行は北海道へと向かっていた。

その目的は北海道にある学校『白恋中』のストライカー・吹雪士郎をスカウトするため。

チーム自体は弱小でFFにも出場できなかったものの、彼一人の実力は一試合で10点近く叩き出すほど凄まじく、そもそも白恋がFFに出られなかったのも吹雪の能力を警戒した影山の陰謀によるものである。

 

 

「豪炎寺君がいない今、雷門には決定力が不足しているわ。エイリアを倒すためにも彼の力は必要不可欠です。」

「…すみません、監督。決定力、という言葉で思い出したのですが、俺にも一人だけ心当たりがある選手が北海道にいます。」

 

 

瞳子が納得のいってなさそうなメンバーに説明しているとき、司令塔である鬼道有人が彼女の言葉を遮って提案を出す。

 

 

「お兄ちゃん、それ本当?」

「ああ、俺も直接戦ったことはないが映像で見た奴のプレーは俺や豪炎寺を上回っているのは確かだ。技術の点で言えばアフロディと同格だろう。それこそ以前に影山がスカウトしようとしたほどにな。」

「影山が…!?」

 

 

一選手として高い自信を持つ鬼道が自分よりも上だと言い切れる選手。

数日前に自分たちを一蹴するほどの力を示したアフロディと並ぶかもしれない選手。

そんな選手が加わってくれれば心強いと思う反面、チームの支柱だった豪炎寺の離脱ゆえに簡単に受け入れられない気持ちも吹雪に対して同様にあった。

ただ一人、サッカーバカのキャプテンだけは違ったが。

 

 

「そんなすっげー奴がいたのか!フットボールフロンティアにも出てたのか?」

「いや、出場したのは去年だけだ。木戸川相手に一回戦で敗北したがあれはチームの実力が低かったのが原因だな。ただやつが本気で挑んでいたら帝国と決勝で当たっていただろう。」

「へぇ!……あれ?じゃあ去年は出てなかったのか?」

「それが……どうやら失踪したらしい。」

「え!?」

「理由などは一切不明だが去年のFF終了後にいなくなったそうだ。本人が置手紙を残したり、定期的に健在報告をしていたから事件とまではならなかったらしいが…」

「そんな居場所もわからないやつを探す暇なんてあるのかよ!」

 

 

鬼道の言葉にかみついてきたのは、豪炎寺とともに雷門のツートップを務めてきた染岡竜吾である。

誰よりも彼の離脱を認められない染岡にとって、吹雪士郎だろうが乙女乃スピカだろうが自分と並んでプレーすることを認めることはできない状態だ。

だが一方で現在チームの方針を決めている瞳子は鬼道の提案に賛成した。

 

 

「わかりました、鬼道君の意見を取り入れるわ。響木さんに連絡して情報を集めてもらうことにしましょう。ただ最優先は吹雪君のほうです。先に白恋中に向かいます。」

 

 

一行は改めて雪原目指して進んでいった。

 

 

 

 


 

 

 

 

「や、遅かったね、雷門中御一行さん。」

 

 

 

数日かけて白恋へと向かう雪原を超えて目的地へと辿り着いたイナズマキャラバン。

そこで円堂たちが目にしたのは、サッカーグラウンドで息を切らしている11人の男女、そしてそれとは対照的に平然としている一人の少女。

コート外のスコアボードには20対0となっている。

 

つまりはこの少女一人で1チーム、恐らくは白恋イレブンを下したのだという光景。

着いて早々に異様な光景を目にして雷門の面々は何も言えなくなっていた。

 

 

「……あなたが乙女乃スピカさんね?」

「そうですよ~。そちらがここ数日私の事探してるって聞いたので、先に回り込んで待ってたんですよ。」

「…これはどういうことかしら?」

「あ~、皆さん待っている間暇だったので、白恋中のサッカー部員たちと試合してたんですよ。ただ吹雪士郎君は不在だったんですけどね~」

 

「う~、まさかこんなコテンパンに倒されるなんて思ってもいなかったっぺ…」

「僕ら弱小でも一人相手だったら勝てるかなって思ったのに…」

「やっぱり全国クラスの選手は強いずら。」

 

 

悔しそうな顔を浮かべる白恋中の面々。

その様子を見てこの状況を作ったのが、あのか弱そうな少女であることを再認識して雷門イレブンは驚愕する。

しかしその中で二人、周りとは全く違う思いを抱いていた。

 

 

「すっっっげーな乙女乃!お前とってもサッカー上手いんだな!俺、お前と一緒にサッカーやりたいよ!」

「アタシもだよ!同じ女子として負けられない!」

 

 

やはりというかサッカーバカ円堂と、彼と似た者同士である女子選手の塔子である。

二人とも今すぐに試合をしたいという目をしていたが、瞳子は吹雪が不在だからと試合を許可しようとはしなかった。

ちょうどその時、吹雪士郎がやってきてまたもや驚く雷門イレブン。

彼らが捜していた人物は、ついさっきまで一緒にキャラバンに乗っていたマフラーの少年だったからだ。

改めてエイリア学園との戦いに協力してもらいたい、そのために試合をして二人の実力を見せてもらいたいと乙女乃と吹雪に申し出る瞳子。

二人ともそれを快諾して、雷門と白恋の試合が始まった。

 

 

 


 

 

 

雷門キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

 

 

どうも乙女乃スピカです。

歓喜しております。

 

 

ようやく雷門に合流できたわ。

ここまで長かった…ひたすら自然を相手に武者修行するだけだったからなぁ。

でもそれするか、ほかのチーム一人でボコすしかやれることなかったしなぁ。

影山に見つからないようひたすら特訓してたもんね。

ある時は猛吹雪の雪山をドリブルしたり。

ある時は影山の部下を気づかれずにぶちのめすために市街地の屋根パルクールしたり。

ある時は対人戦したいからって適当なチームにワンサイドゲームしたり。

 

 

…うん、よく居場所つかまれなかったな私!

戦ったことないからまだわからんけど、ぶっちゃけイプシロンくらいなら互角で戦えそうなんだよなぁ。

自信過剰かもしれないけどね。

 

 

というわけで長い苦節を経て教祖もとい主人公、円堂守に会えたんだけど…

うーん、あんま歓迎ムードじゃない?

 

うん、染岡さんとかがそういう目を向けるのは分かるよ。

豪炎寺抜けた直後だし、吹雪に向けてた感情がこっちに向くのもまだ分かりますねてぇてぇんだよなこれが(限界スレスレ)。

ただ風丸とか鬼道までそんな怪しいやつ見る目しないでよ!

あれか!白恋ボコボコにしてしまったからか!?

まあ時期が時期だしね。

負傷させてはいないけどエイリアと同じことしてるし。世知辛い。

 

 

まあなんやかんやあって原作通り雷門と白恋の練習試合はっじまっるよー。

ちなみに私は白恋側です。

なんでや!って言いたいとこだけど吹雪以外のメンバーが私相手にするのが嫌なんだとさ。

しかも追加で日本一のチームだししかたないね。

 

 

というわけでフォーメーションはこんな感じ。

 

 

雷門フォーメーション

 

  ―――――染岡―――――

  ―風丸――――――目金―

  ―――鬼道―一之瀬―――

  ―栗松――――――土門―

  ―――壁山――塔子―――

  ―――――円堂―――――

 

 

白恋フォーメーション

 

  ――乙女乃――喜多海――

  ―居屋――氷上――空野―

  ―――――荒谷―――――

  ―目深――――――雪野―

  ―――吹雪――押矢―――

  ―――――函田―――――

 

 

本来なら吹雪のポジションに合わせてFWとDFを切り替えている真都路ちゃんがベンチに入り、私がFWとして参加する。

対して雷門は豪炎寺離脱で現在10人。

そのため雷門の同じみ『ベーシック』のフォーメーションを染岡さんのワントップにした形だ。

 

 

『さあ始まりました、雷門中対白恋中!!実況はお馴染み角馬圭太が北の大地よりお送りいたします!』

 

 

あ、生角馬実況じゃん。

アニメだと沖縄まで自転車で来たらしいけどまさかあの雪原も自転車で越えてないよね…ね?

 

それはさておき、鬼道から染岡へのパスで試合開始。

 

 

「ふざけてんじゃねぇ!どけぇ!」

 

 

めっちゃキレてるやんけこっわ。

まあエースストライカーって期待されてた吹雪がまさかのDFとしてスタートだからな、舐められてると思っても仕方ない。

怒りを込めたドリブルで白恋メンバーを次々と抜いていく染岡さん。

ちなみに私は普通に避けた(いつもの)。

とりあえずね、吹雪君の実力みたいだろうからね、お先にどうぞということで。

 

 

「そういう強引なプレイ、嫌いじゃないよ。『アイスグランド』!」

 

 

はい、凍結岡さん。ヒャド岡さんとも言う。

フィギュアスケートのような動きでジャンプした吹雪が着地の際に足元から氷柱を発生させ、染岡を凍らせる。

まあドラゴンタイプに氷技は抜群だし、ちかたないね(ポケモン感)。

 

 

吹雪が奪ったボールは荒谷に渡り、続けて喜多海にパスされるがそのボールを風丸がカット。

さて、それじゃあ行きますか!

 

 

「もらった!……なっ!?」

「ふふっ。」

 

 

カットした後、持ち前のスピードで駆け上がろうとした風丸の前に立ちふさがる私。

まさか逆サイドにいた奴がいきなり目の前にきたらそりゃ驚くだろう。

けどここで風丸は動揺せずに、少し後ろへ下がってボールをキープする。

 

 

「通させてもらう!『疾風ダッシュ』!」

 

 

自慢のスピードにさらに加速と左右への揺さぶりをかけて抜き去ろうとする風丸。

でもその技、私も使ったことあるんだよね。

その技は振れ幅以上の範囲を同時に防げばいいんだよ。

 

 

「『ホロロギウムカット』!」

 

 

左足を軸にして右足で足払いをかけるように回転。

時計の針のようなオーラを足に纏う。

風丸が私の間合いに入った一瞬、わずかに彼の動きが遅くなり代わりに私は一気に回転をかけボールをカットする。

 

 

「なに!?」

「今度は私の番だね!」

 

 

一気に前線へと上がる私。

視界にいるのは栗松、鬼道、壁山、塔子、円堂。

土門、一之瀬、目金は逆サイドだしマークを全部外すみたいなことはしないだろうから、4人警戒で十分だね。

 

 

「やらせないでやんす!」

「遅いね!」

「まだだ!『スピニングカット』!」

「甘い!『竜巻旋風V2』!」

 

 

まずは栗松のスライディング。

これをジャンプで回避。

続けて空中で無防備な私に対して、着地目掛けて鬼道の『スピニングカット』が繰り出されるが、滞空したままボールにスピンをかけて『竜巻旋風』を打ち相殺。

問題なく着地すると同時に再び走って鬼道を抜き去る。

 

 

「は、速いでやんす!」

「あの速度…ジェミニストーム以上か!?それになんて体幹だ…!」

 

 

このままシュートを撃てるけど、シュートブロック二枚は厳しいかも。

ならもう一人突破しておくか。

立ちふさがるのは塔子。

すでに必殺技のモーションに入っている。

 

 

「通すもんか!『ザ・タワー』!」

 

 

天高くそびえたつ巨塔。

その頂上から雷を落とそうとしてくる塔子。

しかし私は焦らずに必殺技の構えに入る。

右手に鮮やかな光を纏い、塔子を巻き込んで宇宙空間を展開。

 

 

「『サザンクロスカット』!」

 

 

まるで瞬間移動したかのように塔子を抜き去る。

それと同時に巨塔の根元から十字に爆発が起きて、塔子を吹き飛ばした。

本来は『ザ・ジェネシス』の技なんやけどなこれ。

一応ここで説明しよう!

私の特性は「星座」。

88星座をモチーフにした技を使いこなすことができるのだ!

私の十八番の『リゲルオリオン』はオリオン座、さっきのブロック技『ホロロギウムカット』は時計座でドリブル技『サザンクロスカット』は南十字座をもとにして作り上げた。

そういうわけなんだ、許してくれクイール、君の技をパクったことを許してくれクイール。

てかカット三連続ってやかましいな。

閑話休題。

残るは壁山と円堂。

無印主人公の神の手を持つ伝説のキーパー円堂と、この先もずっとスタメンディフェンダーとして欠けることなくその円堂を支え続けた壁山のコンビ。

相手にとって不足はない!

 

 

「いくよ!『リゲルオリオン…V2』!」

 

 

戦士のオーラを顕現し、その左足と重ね合わせて撃つ利き足ではない一撃。

利き足ではないという縛り故に威力が上がるという矛盾を抱えた必殺のシュートは確実に1年前より上がっている。

 

 

「うおおおお!『ザ・ウォール』!」

 

 

気合を込めて叫んだ壁山の背後にせり上がってきた巨大な壁。

シュートを通さないと意気込んだものの僅かの拮抗後、壁は崩壊した。

だけど彼の努力は決して無駄ではない。

後ろで上半身を捻った守護神の姿がそれを物語っていた。

 

 

「『マジン・ザ・ハンド』!」

 

 

心臓に注ぎ込まれたエネルギーを全身に巡らせて解放、背後に魔神のオーラを顕現させる。

魔神の右手と円堂の右手が同時にシュートとぶつかり、完全に防ぎ切った。

 

 

「すっげぇシュートだったぜ乙女乃!腕がビリビリするぜ!」

 

 

 

私の得意技が止められた。

『リゲルオリオン』しかないわけではないが、最初に編み出したオリジナルの、思い入れのある技が。

まだ主人公を破れるものではなかった。

 

 

 

 

けど

 

 

 

 

それが

 

 

 

途轍もなく嬉しい。

 

 

 

 

「私も嬉しいよ、円堂君!まさかいきなり最強の技『マジン・ザ・ハンド』で対抗してくれるなんてね!」

 

 

 

悔しいのは事実。

決められたらきっと嬉しかっただろう。

 

 

でも今は、目の前の主人公の壁が高く感じられる。

その感情が、私を強くしてくれる

進み続ける原動力になってくれる。

まだ強くなれるのが、たまらなく嬉しい。

 

 

試合はまだ始まったばかりだ。




こんな戦闘狂みたいなキャラになる予定はなかったんですけどね。
当初は外から見たら人見知りで奥ゆかしい女子、中身は限界オタクだったんですけどどーしてこーなった(白目)
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