腐女子、イナイレ世界に転生する。   作:楓/雪那

8 / 9
とりあえず初得点岡さんすき


腐女子VS翠嵐の侵略者

白恋上空を突如暗雲が覆い、グラウンドの中央に11人の男女が出現する。

エイリア学園第一の刺客・ジェミニストーム。

刺客、なんてたいそうな言い方ではあるが実際のところは控え選手の集まりというようなエイリア最弱のチーム。

エイリア石の力で身体能力、特にスピードは人間離れしているが、よくよく見るとパスは最短ルートを選ぶパターン化されたプレイング。

故に奈良での対決で二回目にも関わらず鬼道はその単調さを見抜いた。

今回は吹雪のスピード特訓を積んでいる。

それならばジェミニにも対応しやすいだろうね。

 

頭抹茶ソフトことレーゼは雷門が北海道にいる理由を問うが、円堂は白恋中に代わって戦うことを宣言。

レーゼもそれを了承し、両チームが準備を始める。

 

 

 

「吹雪君、君には前半ディフェンスに専念してもらいます。いいわね?」

 

 

雷門ベンチでは瞳子監督が今回の秘密兵器である吹雪を攻めではなく守りに回すことを宣言。

それに対してほかの面々は反発する。

 

 

「ちょっと待ってください、監督!吹雪のスピードを活かして点を取りに行くんじゃないのかよ!?」

「いや、監督の作戦のが正しいよ。君たちは吹雪君との特訓でスピードを上げたけれど、その自分たちのスピードとジェミニストームのスピードとのすり合わせは出来てないでしょ?吹雪君を攻めに回しちゃうと守備陣が対応できない可能性があるからね。技術力では君たちのほうが上なんでしょ?それなら前半時間かけて慣らしたほうが得策だよ。」

「なるほど…吹雪やシュートを撃たれる円堂に負担を集中させないためか…」

「それじゃあ乙女乃さんがフォワードとして出るでヤンスか?」

「いいえ、乙女乃さんにはミッドフィルダーとして出場してもらいます。今までの試合、ジェミニストームはレーゼの『アストロブレイク』以外の必殺技を使ってこなかったわ。あなたには相手の必殺技を分析してもらうわ。できるわね?」

「ええ、任されましたよ。」

「吹雪が攻撃に上がる必要はねぇ。俺が点を決めてやる。」

 

 

瞳子監督の指示に疑問を投げかける土門に私が丁寧に解説。

それを聞いてほかのメンバーも納得してくれた。

お願いですから監督、もう少しコミュニケーション取る努力をしてください。

指示の内容は間違ってないけど指示の出し方がダメなんです。

 

 

 

「よし!絶対やつらに勝って半田達に勝利の報告を届けてやろうぜ!」

 

 

円堂が手を前に出し、みんなが重ねていく。

円陣ってやつですね!

 

 

「やるぞ!今度こそエイリア学園との戦いを終わらせるんだ!」

「「「「おう!!」」」」

 

 

(終わら)ないです(無慈悲)

ほんとにまだ序盤中の序盤なんすよこれ…

すでに鬱展開の影がちらほら見えてますけどまじで。

 

 

雷門フォーメーション

 

  ―――――染岡―――――

  一之瀬――――――乙女乃

  ―――鬼道――風丸―――

  ―土門――吹雪――栗松―

  ―――壁山――塔子―――

  ―――――円堂―――――

 

 

ジェミニストームフォーメーション

 

  ―リーム――――ディアム―

  グリンゴ――レーゼ――イオ

  ―――――パンドラ――――

  ―ガニメデ――――カロン―

  ―――コラル――ギグ―――

  ―――――ゴルレオ――――

 

 

 

『さあ両チーム準備完了です!果たして運命はどちらに味方するのか!?一之瀬から染岡へのキックオフで試合開始です!』

 

 

ボールを持った染岡に続いて鬼道たちも駆け上がる。

不敵な笑みを浮かべていたレーゼだったが、すぐにその余裕は崩れ去った。

雷門のスピードが非常に速くなっている、それこそ自分たちに並び立つほどに。

油断大敵とはまさにこのこと。

動き自体は捉えられてはいるが、地球人(こいつらもだけど)を見下していた彼らにとって今の雷門は明らかに格上であることを察してしまった。

 

 

フォワードツートップのリームとディアムは動揺のため棒立ちのまま何もできず、少し遅れて仮面をつけた男・イオとヘルメットをつけた小柄な選手・グリンゴが襲い掛かるものの、染岡のボールさばきに翻弄され地面を転がってしまう。

そのすきに一之瀬へとパスを出すもののお団子ヘアーの女性・パンドラがこれをカット。

しかし彼女もまたパスを出す直前に鬼道にカットされる。

鬼道曰く前回の試合でパンドラはパスを出す方向へ舌なめずりをする癖があるらしく、それがばれた今彼女のパスは格好の餌食というわけだ。

再び染岡にボールが渡り、右足を振りかぶってシュートの構えに移る。

 

 

「喰らえ!『ドラゴンクラッシュ』!」

「くっ…『ブラックホール』!」

 

 

青い竜のエネルギーを帯びたシュートがゴールへと突き進む。

しかし巨漢のキーパー・ゴルレオは右手に黒い渦を発生させ、シュートを吸収、がっちりと捉えた。

必殺技を止められた染岡は悔しそうな顔をするが、ほかの面々はジェミニのスピードについていけてることに喜んでいる。

けど私は見逃さなかった。

ゴールを守ったゴルレオの顔に焦りが見えたことを。

彼もまた自分が必殺技を使わざるを得ない状況に追い込まれたことに動揺しているのだろう。

やっぱりこういうチームって……

 

 

 

「もろいんだよねぇ…」

 

 

 

私の呟きはだれにも聞かれずに宙へと消えてった。

 

 

 

 

ゴルレオのスローインから試合が再開、肥満体型のギグへとボールが渡る。

鬼道がそれを奪おうとするも、小柄な体系に似合わずパワーを活かしたタックルで鬼道を突破し、パンドラへとパスを出す。

風丸がブロックに入り彼女の口元に注意を払うが、今度は舌なめずりをせず右手にエネルギーを集める。

 

 

「『ワープドライブ』!」

「なに!?」

 

 

右手のエネルギーを手前に発散すると、彼女の身体とボールは出現した穴へと消えていき風丸の背後に再び現れる。

 

 

「イオ!」

「レーゼ様!」

 

 

パンドラからイオへのパスを彼は栗松のディフェンスに間に合われる前にダイレクトでレーゼへと繋ぐ。

最高速度で疾走するレーゼ。

雷門メンバーは目で追うのが精いっぱいだ。

ただ一人を除いて。

 

 

「『アイスグランド』!」

 

 

そう、吹雪だ。

フィギュアスケートの動きでレーゼを凍らせてボールを奪う。

やーい抹茶かき氷ー。

吹雪のロングパスを鬼道が受け取り、彼の前に眼帯をつけた細身の男・カロンが立ちはだかる。

 

 

「『イリュージョンボール』!」

「おせぇ!『フォトンフラッシュ』!」

 

 

ボールを三つに分裂させ、相手を惑わす鬼道の十八番。

しかしカロンはボールを気にも留めず空中で高速回転し、発光する。

まばゆい光に目をくらまされてる間にボールを奪い取ったカロンはグリンゴへパスを出すが、これも吹雪がカット。

今度は私へとパスを出し、私は染岡へとパスを飛ばす。

 

 

「今度こそ!『ドラゴン……』!」

「やらせん!『グラビティション』!」

 

 

再び右足を振りかぶりシュートを撃とうとする染岡だが、牙をむき出しにした大柄な男・ガニメデが両手を地面に叩きつける。

すると彼を中心に強力な重力波が発生し、染岡を地に伏せる。

ボールをカットしたガニメデが攻めあがろうとするものの、今度は一之瀬が立ちはだかる。

 

 

「ボールは貰うよ!『フレイムダンス』!」

 

逆さ踊りをする一之瀬の周囲に炎が発生し、ガニメデを包みこむ。

もだえ苦しんでいる間にボールをカットした一之瀬から私へとパスが渡る。

 

 

「これならどう?『リゲルオリオンV2』!」

 

 

戦士のオーラに合わせて叩き込む左足。

ゴール目掛けて進むシュートに対してゴルレオは再び『ブラックホール』を発動しようとするが、その間に一人の男が割り込んでくる。

 

 

「『アステロイドベルト』」

 

 

その人物はディフェンダーのコラル。

彼は自身の周囲に小さな隕石群を召喚してボールにぶつけることで威力を落とす。

おかげで余裕をもってゴルレオにブラックホールを使わされ、キャッチされてしまった。

と、同時に前半終了のホイッスルが鳴り響いた。

0対0、引き分けではあるが、私たちのほうが支配率は上だ。

 

 

同点、一点もとれなかったこの状態は本来なら焦りを見せるところだけど、今まで散々苦渋をなめさせられた相手に無失点という結果は雷門を大いに奮い立たせた。

 

 

「同点…けど流れは俺たちのほうに来ているな。」

「ああ、この調子なら勝てるはずだ!」

 

「乙女乃さん、ジェミニストームの特徴は掴めたかしら?」

「ええ、だいたいですけどね!」

「ほんとかスピカ!」

「うん、ディフェンス技はまだ微妙だけど『ブラックホール』と『ワープドライブ』に関してはね。」

 

 

私の分析にみんな興味を持って真剣な顔で聞き始めた。

恥ずいなこれ。

 

 

「まず『ブラックホール』だけど、()()()()()()()()()()()。これが一番重要なこと。」

「威力がないってどういうことッスか?」

「いい?基本的にキーパー技のほとんどは自身の身体のエネルギーを放つことによってシュートの威力に対抗してるの。けどあの技は『ボールを引き寄せることに特化している』んだ。恐らくあのキーパーに瞬発力がないからだと思うんだけど、コース狙いを防ぐため、自身の一番欲しい位置にシュートを誘導するためだね。」

「つまり、あのキーパーはすべてのシュートを自分の腕力だけで受け切っているということか?」

「そういうこと、鬼道君。ただ初撃のドラゴンクラッシュのときにエネルギーを吸い取ってる感じもしたから多少は威力を落とす効果もあるだろうね。けど基本はあのキーパーの基礎能力だけだよ。」

「でもあいつは『イナズマブレイク』を止めたんだぜ?それを力押しで突破するなんて…」

「それなら大丈夫。染岡君なら破ることができる。」

 

 

確固たる自信を持って言い切る。

染岡さんなら、あいつから一点取れるって。

それを聞いた染岡の顔は一瞬驚いたものになるが、すぐに引き締まったものになる。

 

 

「……おう、任せろ!」

「次に『ワープドライブ』。これは間違いなく距離制限がある。なかったらボールを持った直後円堂君の後ろに出ればいいだけだもん。私の目算だと発動場所からだいたい11歩まで、5歩下がってちょうどいいって感じだね。」

「ほんとにそれでピッタリなんでヤンスか?」

「いや、試してみる価値はあるだろう。」

「ええ、その通りよ。吹雪君、後半からはフォワードでいってもらうわ。」

「はい、わかりました。」

 

 


 

 

お互いに後半への準備が完了した。

フォワードを吹雪と染岡のツートップにしてディフェンスを4人の雷門の基本陣形だ。

後半はジェミニボールからスタート、リームからディアムへのパスでスタートする。

吹雪は「士郎」から「アツヤ」のモードに変わり、ボールを奪おうと突進するが、ジェミニは最短ルートのパス回しでボールを回していく。

その程度の技術なら吹雪にすぐに取られそうなものだが、ジェミニは最短のパスルートに素早く駆け込むことでよりパスを短縮化して、目にも止まらない速さで攻めあがる。

フォワードのディアムがボールを受け取り、正面に風丸が待ち構えているのをみて右手にエネルギーを集める。

 

 

「『ワープドライブ』!」

 

(発動位置から目算11歩…ここから5歩くらい)「ここだぁ!」

「なに!?」

 

 

ディアムの姿が消えた直後に風丸は乙女乃の予想したようにその場から5歩下がり、ピンポイントでディアムの出現場所を探り当てた。

『ワープドライブ』はその性質上、相手に自分の位置がばれないがそれは裏を返せば相手の位置も入る直前の状況でしかわからない。

つまり出口で待ち構えられてたら対処できないんだ。

ボールを奪った風丸はそのまま前線に駆け上がっていく。

 

 

「通さない!」

「ボールヲヨコセ!」

「いや、通らせてもらう!『疾風ダッシュ』!」

 

 

パンドラとグリンゴがブロックを仕掛けるが、風丸は必殺技で二人抜きを成し遂げた。

ずいぶん吹っ切れた顔してるじゃんか。

メンタルケアの甲斐があったね。

突破した風丸はパスを出そうとするが、その視線の先の吹雪はカロンとギグにマークをされて動けない。

前半で唯一彼らのキャプテンに勝るスピードを見せたんだ。

マークは妥当だろう。

 

 

(くっ…吹雪には出せない…どうする?)

 

 

「風丸!染岡にパスだ!!」

「風丸君!染岡君を信じて!」

 

 

偶然にも私と吹雪の叫びが重なる。

風丸はハッとしたように意識を取り戻し、ボールを蹴る。

 

 

「いけっ!染岡!」

(乙女乃が教えてくれた活路を、風丸が繋いでくれたパスを、なによりも、大嫌いなアイツが託してくれた思いをここで無駄にするなんてできねぇ!)

「今度こそ、俺が決めてやる!これが俺の…………『ワイバーンクラッシュ』だ!!」

 

染岡が宙へボールを蹴ると、それに合わせて大地から翼が生えた青い竜が出現する。

ボールとともに天に昇ると再び染岡の足元に戻ってきて、蹴り込みを入れられる。

『ドラゴンクラッシュ』よりはるかに威力の上がったそのシュートはゴルレオ目掛けて突き進む。

ゴルレオは3度目の『ブラックホール』を発動。

なんとかして翼竜を吸い込もうとするもののそれは叶わず、彼の身体もろともボールはゴールへ押し込まれた。

 

雷門の初得点。

そして宇宙人相手にした初得点だ。

 

 

宇 宙 人 の 初 め て を 奪 っ た 男

なんか卑猥だな。

てか染岡さんが吹雪からの思いを受け取ってワイバーン誕生させたとか実質セッじゃん!

豪染もいいけどやっぱり吹染やね。てぇてぇ。

 

 

「風丸君もよく『ワープドライブ』攻略できたね!」

「ああ!乙女乃のおかげだ!」

「よーし!このまま勝つぞー!」

 

 

雷門側が盛り上がってる中、ジェミニには焦りの氷上が目に見えて浮かんできた。

再びジェミニボールで試合再開。

今度はリームからレーゼへと渡る。

そしてレーゼは一気に最高速度で動き出した。

 

 

「我々が!人間ごときに!負けてたまるかぁぁ!!」

 

 

もんのすごい形相で攻めあがるレーゼ。

鬼道、一之瀬、土門を必殺技を発動する隙すら与えず抜き去る。

 

 

「通さないッス!『ザ・ウォール』!」

「『ザ・タワー』!」

「邪魔だぁ!」

 

 

壁山と塔子の必殺技をシュートで粉砕。

弾きかえったボールを再びキープし、円堂のみが残る。

しかし、レーゼ一人ではない。

彼の後ろからディアムが追従、レーゼと同時にジャンプする。

 

 

「「『ユニバースブラスト』!」」

 

 

黒と緑のエネルギーをボールから解放すると宇宙空間が展開、さらに同時に踏みつけることでボールは宇宙空間をゴムのように引っ張りながら突き進む。

前回止められなかったレーゼ単体の『アストロブレイク』よりも威力の高い連携シュート。

しかもシュートブロック可能な味方は突破された直後。

まずい、円堂のアシストに間に合わない……!

 

 

「――――やらせるかぁぁぁぁぁ!!!」

「風丸!?」

 

 

なんと風丸がシュートの前に割り込んでくる。

ちょっと待て君シュートブロックできないやろ!

あれか!?お手軽タフネスブロックか!?それは入院ルートまっしぐらだからやめろ!

…いや、違う。

風丸は左足を軸に、右足を上げた状態で回転し始める。

すると彼を中心に風が巻き起こって、だんだん大きくなって台風へと変わる。

風丸の姿が台風の中で隠れるほどになると、その竜巻をシュート目掛けて打ち出した。

竜巻はゴールを守る障壁となってシュートの威力を削っていく。

けど単体じゃ止めきれない…少しづつ竜巻の内側に入り込まれてる。

このままじゃ破られるのは時間の問題……いや、そっちが目的か!

 

 

「時間は稼いだぞ、円堂!あとは頼んだ!」

「!…わかった、お前の思い、受け取った!」

 

 

竜巻が消滅するが、『ユニバースブラスト』は止まらない。

だけど魔神の出る準備は整った。

 

 

「『マジン・ザ・ハンド』!」

 

 

円堂の背後に現れる黄金の魔神。

その右手をシュートに向かって叩きつける。

少しずつ円堂が押されていき、彼の足元の地面が靴跡で削れていく。

シュートブロックを挟んでもなおこの威力。

『ユニバースブラスト』の強力さを物語る光景だが、それでも魔神はしっかりとボールを受け止めた。

 

 

「馬鹿なっ……!」

「いよっしゃあああああ!!止めたぞぉぉぉぉぉ!!」

 

 

レーゼは愕然とし、円堂が歓喜で吠える。

ボールは円堂のスローインで風丸へ、そこに初期の冷静さ、余裕の表情なんて微塵もないレーゼが襲い掛かる。

ただボールをとる、そのことだけに突き動かされた彼のスピードは吹雪と乙女乃以外の面々では追いつくことができなかった、はずだった。

 

 

「はあああああ!!」

「なっ!?うわああああ!!?」

 

 

『疾風ダッシュ』の動きで加速する風丸。

けどその体には赤い熱風を帯びており、レーゼを抜き去るとともに爆風で彼の身体を吹き飛ばす。

 

 

「いけっ!()()()!」

「っ!うん、任された!」

 

 

風丸からボールを受け取った私は敵陣目掛けて疾走する。

 

 

「これがラストワンプレー、絶対にもう一点決めてやる!」

 

 

「くらえ!『フォトンフラッシュ』!」

「ここ!」

 

 

空中で発光するカロンの身体を覆い隠すようにボールを軽く浮かせ、目くらましを阻止。

 

 

「通さん!『グラビティション』!」

「そーれ!」

「うおっ!?」

 

 

ガニメデのグラビディションの発動のラグを見越して、もう一度ループパス。

今度は彼の真上に来るように蹴り上げる。

重力が強まるとボールは彼を押しつぶさんと言わんばかりの勢いで落下、思わず彼は両手を地面から離してしまい、『グラビティション』が解除され彼を突破しボールをキープ。

 

 

「『アステロイドベルト』!」

「ほっ!とっ!それ!」

 

 

自身の周囲に無数の小隕石を呼び出しこちらに向けて射出するコラル。

その中から「私に命中するルート上にある隕石」のみに対象を絞ってボールを蹴る。

隕石に当たり破壊するとこちらにボールが跳ね返ってきてそれをまた蹴る。

連続でこれを繰り返していると、次第にコラルの集中力が切れ、一瞬の隙を縫って突破する。

 

 

「二度も点は決めさせん!『ブラックホール』!」

 

 

私の必殺技よりも先に必殺技を使用するゴルレオ。

ボールを自身に引き寄せることでシュート態勢を崩そうという魂胆だろう。

確かにこの状況で私なら決めるのは難しい。

ボールが引き寄せられている以上、3回蹴りを入れる必要のある『ツインベアインパクト』が使えない。

でも『リゲルオリオン』じゃあパワー不足。

それならどうするかって?

 

 

「出番だよ!吹雪君!」

「待っていたぜ、この時をよぉ!吹き荒れろ!『エターナルブリザード』!」

 

 

荒れ狂う吹雪を纏った強烈なシュートが、ゴルレオの右手に吸い込まれている。

ガシッと、彼が取ったと認識した時には、彼はすでにゴールごと凍てついていた。

 

 

2対0

 

 

スコアボードが変動するとともに試合終了のホイッスルが鳴り響いた。

 

 

無失点で勝利、地球人が宇宙人に勝った瞬間だ。




吹雪の影…薄い、薄くない?
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