ストライク・ザ・ブラッド ~暁古城が……~   作:天狐空幻

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今回は早めに出せました。
では、続きをどうぞ!


暁古城。幼子になる。 第012話

 二度目の古城に対する襲撃から数日が過ぎて休日。

 学生たちは土日の休日を楽しむ者、バイトする者、補習を受ける者、色々といる。

 その中、古城と雪菜と凪沙の三人はアイランド・ウエストでショッピングを楽しんでいた。

 ウエストに訪れた理由は古城の身長に合う服を購入。後は純粋に子供などが遊べる遊具などが置かれているからだ。

 ショッピングモールの衣服コーナーには多くに衣服が並んでおり、特に夏物などが多く置かれている。

 常に二十度以上の気温を維持している常夏の島ならではの風景である。

 吸血鬼としての体質である以上は直射日光は辛いであろうと雪菜は生地が薄い長袖、そして上にはパーカーを選ぶ。

 やっぱし古城にはパーカーですねっと雪菜は思う。

 時間は過ぎていき昼食の時刻に差し掛かっていた。

 

「雪菜ちゃん、そろそろ昼ごはんにしよっか?」

 

「そうですね。古城もお腹空きましたか?」

 

「うん。なにたべるの?」

 

 ショッピングモール一階に飲食コーナーが儲けられており、和中洋の其々の食堂が並び立っている。

 そこそこの美味しい評価を受けており外食に態々このショッピングモールに訪れる客も存在する。

 

「子供の古城くんには脂っこい中華はダメかな?」

 

「じゃぁ和食にしますか?」

 

「わしょく……うどんたべたい!」

 

 古城のリクエストはうどんらしい。

 確かにうどんなら健康面では悪くなく、子供の消化にも良いと判断した雪菜は凪沙にそれで大丈夫かと訊く。

 凪沙も大丈夫と返事を聞いて皆で一階の飲食コーナーに向かう。

 すでに多くの客人が訪れているがそこまで混んでいる訳ではない。これならば長時間並んで待つことはないだろう。

 目的地であるうどんが置かれている和食屋の前に到着した三人。

 和食屋だけあって日本の古風をイメージされた佇まい、木製のテーブルとイスが並べられており、店内からは天ぷらを揚げる音が聞え、三人の空腹感を刺激する。

 

「わぁ美味しそう!」

 

「ですね。さぁ古城、こっちですよ」

 

「うん」

 

 テーブル一つにイスが四つ。

 雪菜が座り、その隣に古城が座り、そして古城の向かいに凪沙が座る。

 お冷とおしぼりを乗せた御盆を持った男性店員が近付いてきた。

 

「いらっしゃいません。メニューをどうぞ」

 

「ありがとうございます」

 

「お決まりになったらボタンを押して下さい。では」

 

 そう言って店員は離れていき、別の作業に移っていく。

 雪菜がメニューを広げ、古城にどれが言いかを尋ねる。

 

「古城はどれがいいですか?」

 

「キツネうどん!」

 

「じゃぁ凪沙は、"鯖の煮込み定食"しよっかな。雪菜ちゃんはどうする?」

 

「そうですね……私は"天ぷら定食"にします」

 

 三人はそれぞれのメニューを決めてボタンを押す。

 押されて数分もしない内に訪れた店員に注文、復唱して間違いがない事を確認した店員は離れていく。

 

「それにしても古城くん所々記憶が微妙だよね……」

 

「確かに覚えている所、忘れている所、色々とありますね。人物に対しての記憶は確りしてますけど、地理などは曖昧ですね……」

 

 古城の記憶の曖昧さを指摘する凪沙。

 同意して色々と不思議に思う雪菜、そこで古城に視線を向ける。

 お冷を飲みながらワクワクしながらお冷を飲んで待つ古城。

 

「古城、足をブラブラしてはダメです」

 

「えぇ~……」

 

「メッ……です」

 

「ふぇ」

 

 身長的に椅子に座ると足が宙に浮き、その足をブラブラと揺らす古城に行儀悪いと叱るもぶうたれた態度を示したので、雪菜は鼻を摘む。

 摘まれた古城は顔を顰め、凪沙はそれを見て笑う。

 

「あっ来たみたいだよ」

 

「うどん!」

 

「慌ててはダメです」

 

 また、鼻を摘まれる。

 それから食事を終えて店を出る三人は店内のゲームセンターに向う。

 

「雪菜ちゃんってゲームセンターで遊んだことないでしょ?」

 

「えっ、何でそう思うんですか?」

 

 古城と手を繋ぎ目的地であるゲームセンターに向っていると、急に凪沙の問いに面を食らう。

 なぜ、その様に訊いてきたのか聞き返す。

 

「なにかね。外で遊ぶイメージって雪菜ちゃんにないんだよね」

 

「まぁ凪沙ちゃんの言われた通り、外で遊ぶことは少なかったですね」

 

 勿論、外で遊ぶことは少ないのは仕方がない。

 神道系の勉学、剣巫での訓練。それ程の修行を重ねていれば外で遊ぶ暇などないだろう。

 こうやって暇があり遊ぶことが出来るようになったのは、この絃神島に来て以降である。無論、そのような事は説明出来る訳なく雪菜は曖昧に答える。

 他愛のない会話を楽しんでいるとゲームセンターに到着した。

 

「古城くんは何のゲームをしてみる?」

 

「う~……あっアレしたい!」

 

 指差す先に二人は視線が向ける。

 大き目のディスプレイ画面、その手前に銃の形をしたコントローラー。俗でいうシューティングゲームである。

 だが、今の古城の身長では難しい。

 

「あれは古城くんには難しいよ。それに身長足りないし」

 

「えぇ~」

 

 不満を漏らす古城。

 そこで古城を抱き上げて雪菜はシューティングゲームに近付く。

 

「これなら楽しめる筈です」

 

「うん!」

 

 嬉しく笑う古城に、雪菜も釣られて笑う。

 銃型コントローラーは二つあり協力してプレイできるそうなので、もう片方には凪沙がプレイする。

 古城では銃は重いのかフラフラさせながらプレイしており、凪沙も不得手なのか次々に敵に攻撃されて1ステージクリア出来ずにゲームオーバーになってしまう。

 流石に1ステージクリア出来ない事に悔しがる古城と凪沙。

 この何気ない所は兄妹だなと雪菜は思う。

 

「もう一回プレイだよ古城くん!」

 

「クリアする!」

 

 またお金を入れてプレイを開始。

 結果としては数回プレイして1ステージはクリア出来るも、2ステージ最初の辺りでゲームオーバーしてしまう。

 

「むっ難しい……」

 

「むっむずかしい……」

 

 ふてくさる二人。すると古城が銃型コントローラーを雪菜に渡す。

 どうやら雪菜がプレイしてほしいらしい。

 急な古城の申して出に困惑してしまう雪菜なのだが、凪沙も期待の眼差しを向けていた。

 完全に逃げ場を失った雪菜は溜息をさしながら銃型コントローラーを持つ。

 

「したことはありませんから期待はしないで下さいね……」

 

 お金を入れプレイ。

 どんどんと出てくる敵を百発百中で倒していく。

 1ステージを無傷でクリア、そのまま2ステージ、3ステージと次々とクリアしていき、最後のステージでも無傷で完勝してしまう。

 そして最後の画面には、2位と圧倒的な差をつけて堂々の1位になっていた。

 

「「…………」」

 

「……えっと」

 

 圧倒的な得点に雪菜を除いた二人は落ち込んでうなだれてしまう。

 その姿に何を言って慰めれば良いのか分からずに雪菜は困惑。

 後ではあるが、この圧倒的な得点はネット上で伝説になり多くの者達が挑戦、だが最後には多くの屍を築き上げていくのだが、当の本人は知る余地もなかった。

 その後、三人はプリクラなどを撮ったりと楽しみ、時刻が夕刻になりだしていた。

 モールで楽しんだ者たちは帰っていき、夕飯の支度の為に会に来た奥様方が敷き詰めだし時刻である。

 

「いやぁ~遊んだ遊んだ!」

 

「楽しかったですね」

 

「たのしかった!」

 

 天高かった太陽が黄昏色に染まり傾きだした時刻、三人は仲良く手を繋いで帰宅する。

 モノレールに乗り込み、南地区(サウス)の駅で降り階段を下りおうとした時、誰かに呼び止められた。

 三人は振向くと私服姿の浅葱が駆け寄ってきた。

 

「浅葱ちゃん?」

 

「藍羽先輩?」

 

 髪を染めた女子高生。

 周囲からはギャルっぽく見えるも、それを抜きにしても美人と言える人物。

 呼んだ人物が浅葱なのを理解した古城は左右を握っていた手を離し駆け出す。その駆け出した古城に気付いた浅葱は構えて受止める。

 

「こんにちは古城」

 

「わぁ~い、アサギだ!」

 

 受止め古城を抱き上げる。

 嬉しそうに抱きしめ返す古城に浅葱も嬉しく思う。

 

「こんな時間にこの駅にいるって事はどこかに出かけてたの?」

 

「うん。古城くんの今の身丈に合う服選びにね。それとついでにゲーセンで遊んできたの!」

 

「そうなんだ。姫柊さんも?」

 

「はい」

 

「そう……楽しかった古城?」

 

「うん!」

 

 頷いて笑顔を見せる古城に釣られて笑う浅葱。

 その光景を雪菜は少しだけ嫉妬してしまうも表情に出さずに堪える。

 

「浅葱ちゃんこんな時間にどうしたの、こんな場所で?」

 

「あぁ今日ね、管理公社のバイトだったのよ。それも結構時間かかっちゃってさぁ」

 

 凪沙の疑問に答え肩を鳴らすように首を回す。

 長時間にわたってティスプレに向っての作業はやはり若者にも大きな負担がかかるようだ。

 

「そっか大変だねぇ、管理公社のバイト」

 

「そうね。でも、割がいいから文句も言えないのよ」

 

 浅葱は苦笑する。

 すると、凪沙は何かを思い浮かべたのか手を合わす。

 

「そうだ、浅葱ちゃんはこの後は暇かな?」

 

「えっ? そうねぇ、帰って特にすることもないし……どうしたの?」

 

「じゃぁさじゃぁさ、ここの皆で夕飯食べに行かない?」

 

 急な提案。

 驚くのは浅葱だけではなく雪菜も驚いてしまう。

 

「急ですね凪沙ちゃん?」

 

「いやぁ~実はさ……買物忘れちゃって……」

 

「買物ですか?」

 

 凪沙の話では先程まで遊んでいたショッピングモールで夕飯の食材を購入する予定だった。だが、遊ぶことに夢中になってしまい忘れてしまっていたらしい。

 凪沙にしては珍しいと思う二人。

 

「なら仕方ないわね。夕飯は外食にすること家に連絡しないとね」

 

「ゴメンね」

 

「良いわよ。私も皆と外食したいし」

 

 抱っこしていた古城を降ろし、携帯を取り出して実家に連絡する浅葱。

 すると、同じく雪菜の携帯にも着信音が鳴り出した。

 急なことに驚きながらも雪菜は画面の出ている名前を見る。そこには、煌坂の名前が写されていた。

 急な連絡。何かあったのだろうかと思いながら電話を取る。

 

「はい、如何したんですか紗矢華さん?」

 

『あっ雪菜、今大丈夫?』

 

「はい。大丈夫ですけど……」

 

『そう、良かった。実は今日から三日間の休日を貰ったの、だから一緒に食事にでもどうかしらっと思って連絡したのよ。まぁ暁古城はおまけっとして連れて来てもいいだけど……』

 

「…………」

 

 なんてタイミングなのだろう、そう雪菜は思わずにはいられなかった。

 沈黙しながら視線を隣にいる凪沙に向ける。

 その視線に気付いた凪沙は、なぜ沈黙しているのか不思議な顔を向けてる。

 

「どうしたの雪菜ちゃん?」

 

「あの、実は……」

 

 雪菜は説明すると驚いた浮べる凪沙。

 まさか、この様なタイミングでとはっと凪沙は思う。

 

「ん~……せっかくだし一緒に食べよっか?」

 

「良いですか?」

 

「うんうん大丈夫だよ! ほら皆で集まってわいわいしながら夕飯なんて楽しいよね! そうだ、煌坂さんて何か好き嫌いとかあるかな? その辺りも考えて場所選ばないと、でもこの大人数になるとお店予約しないと席とか空いてないかも……それならいっそうのこと家に集まってパーティーみたいにするのもアリかな。でも、そうなると買物しないとダメかもしれないし……」

 

 凄い勢いで色々と考える凪沙。

 これは当分は話しかけても無駄そうだと判断した雪菜は視線を浅葱にむける。

 すでに連絡を終えて古城を抱っこして話をしていた。

 

「あの、紗矢華さんも来るんですけど大丈夫ですか?」

 

「紗矢華……あぁ煌坂さんね。うん、大丈夫よ」

 

「すみません」

 

「姫柊さんが謝ることないって。こんなタイミングもあるわよ。ねっ古城も煌坂さんに会いたいわよね?」

 

「キラサカくるの?」

 

「えぇ」

 

「やったぁー!」

 

 万歳する古城に少しだけ不満を募らせるが、喜んでくれるなら致し方ないと思う雪菜と浅葱。

 紗矢華の参加に不満がないことが分かった雪菜は携帯を耳に当てる。

 

「紗矢華さん。凪沙ちゃんと藍羽先輩も参加になりますけど大丈夫ですか?」

 

『藍羽浅葱と暁古城の妹? まぁそっちが大丈夫ならいいだけど……大丈夫なの? その……暁古城での監視とか諸々聞かれてたりしないかしら?』

 

「そこは大丈夫だと思いますよ。皆、そんな雰囲気を壊したりする人ではないですし」

 

『だといいだけど……』

 

 確かに以前から古城を中心に色々と集まってしまう獅子王機関の者たち。

 雪菜も浅葱が少なからず古城に恋心を抱いているのは知っており、その意中の人物の周辺に女性が集まり気が気でないのは仕方ないのかもしれない。

 男女関係が有るのか無いのか、古城をどう思っているのか、その辺りを聞き出したいのだろうが流石の浅葱も聞き出したりしないだろうと、雪菜もそのあたりは信頼はしている。

 集合場所を決めて雪菜は携帯を切った。

 




今回は古城の為の衣服購入及びゲーセンでの遊び、そして食べに行くお話でした。
最初は古城のアレコレを書こうかと思いましたが衣服は大切だと思い書いてみました。
さて、古城に好意を寄せる女性達が集まった女子会ぽい食事会が開催です。まっ深く追求させるお話ではありません(汗)

次も頑張って書きたいと思います。
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