いやぁ~嬉しいですね。これからも頑張って投稿していきます。
では、本編どうぞ!
密かな名店『Lucifer』での食事会が半ば迎えた頃、1人の少女が会話を切り出した。
切り出したのは凪沙だった。凪沙は雪菜と紗矢華とは何処で出会ったかを聞いて来たのだ。
「雪菜とは学校でのルームメイトだったのよ」
「えっそうなの?」
「えぇ。えっと……はい、これが小学生ぐらいの写真ね」
スマホを弄り幼き頃に撮った写真を凪沙に手渡して見せた。
手渡されたスマホの画像を見て、その凪沙の隣に座っていた浅葱も覗き込む。
その写真は以前、古城に見せてあげた写真であった。
「うわぁ。雪菜ちゃん子供の頃から可愛い!」
「そうね」
「勿論、雪菜は天使みたいに可愛いのよ!」
その写真を見てはしゃぐ凪沙、その可愛らしさに浅葱も同意する。だが、雪菜は小さい頃の自身の写真を見られ照れていた。
すると、凪沙は何かを思ったのか自身のスマホと取り出し弄って雪菜たちに画像を見せた。
「ふっふっふっ。これ誰か分かる?」
「これは……」
「何処かで見たこと有るわね」
ポニテにした黒髪、赤いフレームのメガネを掛け一見して地味な少女。少しだけ考えた後、雪菜がある事に気付いた。
顔の輪郭などは確かに似ている。だが、今での雰囲気が全然違うことに困惑しながら視線をある人物に向けた。その向けた人物は浅葱だった。
「これ、藍羽先輩……ですか?」
「えっ!」
その答えを聞いて声を漏らしたのは浅葱と紗矢華だ。
紗矢華は純粋に驚き、浅葱はそのスマホを奪い取り画面を見た。そして、顔を青褪めた。
その写真に浅葱は見覚えがあった。それは間違いなく中学生だった頃の浅葱自身の写真であった。
だが、浅葱にとっては黒歴史的な写真であり全力で削除した筈であった。なのに今でもその写真が存在することに驚愕して凪沙に問いただした。
「ちょっと凪沙ちゃん! この画像誰から!?」
「古城くん」
「古城!」
「ふぇ!?」
エビの天ぷらを咥えていた古城に向かって鋭い眼光が飛ぶ。その事に驚き咥えていた天ぷらがポロッと落としてしまう。
そこで古城は今は子供であることを思い出し、その行き場のない怒りを浅葱は押さえ込む。
「このバカ古城、あれ程消せって言ったのに消してなかったのね」
握っているスマホがミシミシしている。
その不穏の音を聞いて凪沙は涙目になって抑えようとする。ミシミシ奏でているのは凪沙のスマホだからだ。
「待って浅葱ちゃん! それ凪沙の、凪沙のスマホだよ!」
「あっ」
訴えを聞えやっと我に返った浅葱は握っていた力を緩め、隣で涙目になっている凪沙に謝りながらスマホを返した。
返されたスマホが無事なのかを確かめる為に色んな箇所から見て、無事だと確認が取れた所で安堵の溜息をさす。
「ふん。だったらコレはどうよ凪沙ちゃん?」
「えっ?」
不適な笑みを浮べる。
その笑みを浮べる浅葱に頬を引き攣る凪沙。スマホを操作して雪菜に渡した。
渡されてスマホの画像を見て雪菜や紗矢華は直ぐに誰なのか分かった。
「あっこれは凪沙ちゃんですね。小学生ぐらいの頃でしょうか」
「わーわー! 酷いよ浅葱ちゃん!?」
「最初に私の中学頃の写真なんか見せるからよ。因果応報」
「うぅぅ」
お返しとばかりに凪沙の幼い頃の写真を雪菜たちに見せて反撃した浅葱。流石は浅葱、やられっぱなしでは無いらしい。序に、浅葱が何故に凪沙の小学生頃の写真を持っているかと言うと古城が送ったからである。
そんな写真の見せ合いをしていると雪菜がある事を思い出した。
「あの、藍羽先輩」
「んっ? どうしたの姫柊さん」
「以前、古城の携帯に先輩の寝姿の写真が送られてきたんですけど……心当たりは……」
「…………」
表情が凍る。
凍った表情を見て雪菜は触れるべきではないと思ったが後の祭りである。浅葱は古城に視線を向き、笑顔で答える。
「古城」
「…………」
沈黙で後ずさる古城。
綺麗な笑顔を浮べる浅葱に底知れない恐怖を感じたのか古城の頬に引き攣っているのが分かる。
「携帯……貸して」
「はっ、はい」
そう返事を返すことしか古城には出来なかった。
持っているスマホを恐る恐る手渡し、浅葱は笑顔でお礼を述べると凄まじい速さで操作るす。
「ちっパスね。でもね、その程度のパスなんて屁でもないのよ」
そりゃ、軍事機密並みのプロテクトを破れる凄腕のプログラマーならスマホ程度の防壁無しに等しい。そのままパスを打ち破り、古城のスマホを操作して発見した。
「削除」
容赦なく、無慈悲に、削除した。
本来なら勝手に相手のスマホの情報を改竄・削除など違法なのだが、周囲の誰もが止められなかった。それ程までに鬼気迫る表情を浅葱は浮べていたのだ。
他には何かを探した後、スマホを古城に返して自身のスマホを睨む。
「出てきなさいモグワイ」
『おうどうした嬢ちゃん』
電子音の声。
浅葱のスマホにアバターらしきキャラクターが浮かび上がっていた。
モグワイ。絃神島の都市機能を制御する5基のスーパーコンピュータのアバターである人工知能。裏では矢瀬に従い、『管理者』の仕事も手伝っている。勿論、その管理者など浅葱たちは知らない。
出てきたモグワイに怒を孕ませた眼光を睨みつける。そこで、流石に只事ではないとモグワイは判断した。
『どっどうしたよ嬢ちゃん。そんな眉間に皺寄せてると跡になるぜ……』
火に油。まそにその言葉が合う。
「モグワイ、正直に答えなさい。10月末の波朧院フェスタ時期に私のスマホで勝手に古城に何の画像を送ったの?」
『…………』
そこでモグワイが沈黙した。心当たりがある証拠であった。
浅葱は不適な笑みを浮かべ、最後に呟いた。
「ウイルス、覚悟してなさい」
『嬢ちゃん、ちょっ――』
ブツッ。
そう述べた後にスマホの電源を落とした。
モグワイの弁明を一切聞かずに断ち切る姿、に周囲に居る雪菜たちは恐怖を感じる。顔を下に向けている為に髪を垂れ下がり浅葱の顔を隠す。
それから1分ぐらい時間が経過した後に浅葱は笑顔を向けた。
「ごめんなさい。もう大丈夫」
いい笑顔。誰もが頷くしかなかった。
場の空気が変化して気まずい雰囲気を醸し出す室内、そんな中で1人モゾモゾと身を動かしている人物がいた。その人物は古城だ。
「ゆっゆきな~」
「えっ、あっはい、何ですか古城?」
急な呼びかけに反応が遅れてどもる雪菜、そんな反応を示すが古城には関係なくそのまま話を続けた。
「とっトイレ」
「お手洗いですね。では一緒に」
「ひとりで、だいじょうぶ」
一緒に行こうと席を立とうとするが古城に遮られた。一緒に行くのかと思っていた雪菜ではあったが古城も1人の男の子である。恥ずかしい感情が無いわけではないと思い席に腰を下ろす。
「では、周囲の人などに迷惑させてはダメですからね?」
「うん」
注意を受けて頷く古城。
席を立ち、雪菜と紗矢華と背後を通り扉を開けて出て行った。
部屋から出て周囲を見渡しトイレが何処にあるのかを確認して、お手洗いの案内板を見つけた古城はそれに従い進み男子トイレで用を済ませた。
水道で手を洗い、ハンドドライヤーで手を乾かして雪菜たちが居る場所に戻ろうとした時だった。
「むぐっ!?」
背後から口元にハンカチらしき布で抑えられたのだ。
流石の古城も驚き叫んで雪菜たちに助けを呼ぼうとするも、口元に布を押さえられた叫ぶことが出来ない。懸命に手を伸ばすが、丁度誰も店員が通る事無く、そのままの状態で抱えられ連れられた。
やっと投稿できました。
実はこの十四話、最初は完成してたのですが執筆しなおしました。なので時間が掛かってしまいました。
さて、話の最後に古城くんが何者かに襲われました。誰なのでしょう。
次回もお楽しみに。