ストライク・ザ・ブラッド ~暁古城が……~   作:天狐空幻

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お待たせしてすみません。
続きをどうぞ……。


暁古城。幼子になる。 第006話

 昼食を食べ終えた2人は別れ、古城は再度アスタルテに預けられ、那月は担当する授業に戻っていった。

 アスタルテに預けられた古城は眷獣召喚と満腹の二つの要因で睡魔に襲われそのままソファーで昼寝をして、眠りから覚めた頃には学園の午後の授業が終え放課後になっており雪菜が迎えに来ていた。

 

「目を覚ましましたか古城?」

 

「むにゅ……ユキナ?」

 

「はい。帰りますよ古城」

 

「うん。ナギサは?」

 

「本当は一緒に買物に行く予定でしたが、古城が気持ちよく寝てたので先に夕飯の材料を買いに行きました」

 

 妹の凪沙が居ない疑問に雪菜は適格に返答する。

 重たい瞼を擦りながら身体を起こし窓から射しこむ夕日を見詰る古城。

 預かっていたアシタルテに別れの挨拶をして雪菜と古城の2人は手を繋ぎ、教員室から出て校門に向う。すると、校門の前に2人の人影が伸びていた。

 

「おう。姫柊ちゃん!」

 

「遅かったわね。姫柊さん」

 

 朝に出会った浅葱。その浅葱の隣の茶髪のツンツン頭、ヘットホンを首からぶら下げている男性。

 矢瀬基樹。藍羽浅葱の幼馴染であり暁古城の友人兼クラスメート。音響系の過適応者(ハイパーアダプター)であり、第四真祖である暁古城の真の監視役でもある。

 

「待たれてたんですか?」

 

「基樹が今の古城が見てみたいって言うからね」

 

「いや~、子供の古城を見てみたかったからな。しかし、あのギラギラとした目付きが無くなって可愛らしいじゃねか」

 

 弄るネタが出来たなっと笑みを浮べる基樹に、古城は雪菜の後ろに隠れて警戒しだした。行き成りその様に警戒されるとは基樹も思っていなかったのかショックを受ける。

 

「酷くねぇ?」

 

「基樹の笑みは邪に見えるんでしょ」

 

「あはは……」

 

 ショックを受けた基樹を呆れる浅葱に、空笑いする雪菜。

 落ち込む基樹に浅葱は耳を掴み引っ張り出す。

 

「ほら、目的は達したんだから帰るわよ」

 

「イッテテ! 引っ張るなよ浅葱!?」

 

「それじゃ姫柊さん、古城のこと宜しくね」

 

「あっ、はい」

 

「あぁバイトに遅れるでしょ!」

 

「分かったから! 痛い痛い!」

 

 そのまま引っ張られていく基樹。そんな去っていく2人を困惑した表情を浮べながら見詰る。

 困惑して固まっている雪菜に、古城は掴んでいる手を引っ張って意識を戻す。

 

「かえるんでしょ?」

 

「あっそうでしたね。帰りましょうか古城」

 

「うん」

 

 急に現れ去っていく嵐に困惑しながらも、雪菜と古城は夕日が射しこむ帰宅道を歩いていく。

 2人で並んでモノレールに向っている途中、公園の前を通る。

 

「ねぇユキナ、こうえんであそぼ!」

 

「ダメですよ。もう遅いですし」

 

「えぇ……」

 

 公園で遊ぶように求めるが雪那は却下されて不満を漏らす古城。

 

「今度の休みに遊んで上げますよ」

 

「ほんとう?」

 

「えぇ、ですから今日は帰りましょう。あっ、途中でるる屋のアイスでも買いましょ。凪沙ちゃんも喜びますしね」

 

「やったぁ!」

 

 帰る途中、食後のアイスを購入する事にした雪菜が述べると両手を挙げて嬉しさを全身で表現する古城。そんな愛らしい反応に雪菜も嬉しく思う。

 その歩く姿は仲良い親子に見えた。

 2人はるる屋のアイスを購入して暁家のあるマンションに帰ってきた。

 扉を開けると香ばしい良い匂いが返ってきた2人の鼻腔を刺激した。古城は繋いでいた手を離してドタドタと廊下を走りリビングに駆け込む。

 

「ナギサ! ただいま!」

 

「あっ古城君、お帰り。もうそろそろ夕飯出来るからね」

 

 厨房で料理をしていた凪沙はリビングに駆け込んできた古城に気付いてお帰りと挨拶を交わす。

 その後から雪菜が姿を表し、先に行った古城を捕まえる。

 

「先ずは手洗いうがいですよ古城」

 

「うぎゅ」

 

「あはは!」

 

 古城が首根っこを掴まれた姿に笑ってしまう凪沙。掴まれた古城はそのままの状態で雪菜と一緒に洗面所に連れられて行く。

 それを見た後、凪沙は最後の盛り付けに取り掛かる。

 手洗いうがいを終えた2人がリビングに戻り、一緒に盛り付けをしてテーブルに並べる。並べ終えた3人は席に着く。

 

「では」

 

「「「頂きます!」」」

 

 手を合わせ食事を取る。

 古城は相変わらず食器の扱いが下手で口元を汚してしまい、それを苦笑する雪菜と凪沙の2人。雪菜は汚れた古城の口元を綺麗にしながら楽しく食事を続けた。

 食事を終えた3人。だが、そこで問題が浮上した。

 

「……雪菜ちゃん」

 

「……何ですか凪沙ちゃん」

 

 食べ終えた食器などを流し台に置いて水に付け、食後のるる屋のアイスを食べ終えた3人は、食後の満腹感を感じながら和やかな時間を過ぎていた。

 そろそろ、時間も時間なので解散して雪菜も自身の部屋に戻ろうとした時、ある事に気付いた。

 それは――古城の風呂はどうするかだ。

 

「流石にこれは雪菜ちゃんには頼めないよね」

 

「そっそうですね。流石にお風呂は、今は子供ですけど……それなら凪沙ちゃんは大丈夫なんですか?」

 

「私の方は子供の頃は一緒に入ってたし、兄妹だから大丈夫……かな」

 

 かなり不安が募る最後の言葉。

 古城は子供で1人で入らすには不安が残る。勿論1人で入れるならそれで良いのだが、もしもの場合が起きてはまずい。

 古城が第四真祖の吸血鬼なのは雪菜は知っているし、何か問題を起こして怪我や死に至っても蘇るのは知っている。だが、凪沙には古城が吸血鬼であることは知られてはならない。

 何故なら凪沙は、この魔族が蔓延る魔族特区の住人でありながら魔族恐怖症があるからだ。もし古城が魔族だと知られ恐怖されたら兄妹の仲に溝が起きるかもしれない。

 それなら雪菜が一緒に風呂に入れば良いのだが、子供であろうとも異性は異性だ。一緒に入るのに抵抗が無い訳ではない。

 悩みに悩んでいると古城が1人で脱衣所に向って歩いていた。

 

「古城?」

 

「古城君?」

 

 呼ばれて反応した古城は振り返り。一言、言い放つ。

 

「1人で入れる……」

 

「っでも!?」

 

 古城の1人で入れる発言を聞いた2人は慌てる。

 1人で入れるならそれに越した事は無いのだが、古城は俯いて顔を隠すように立っていた。何故、顔を隠しているのか、そのように疑問に2人が思っているとボソボソと小声で古城が答える。

 

「はっ……恥ずかしい」

 

「「…………」」

 

 その真っ当な答えに二人は黙ってしまう。そうだ、異性と入って恥ずかしい思いをするのは古城とて同じなのだ。

 顔を真赤にして俯いてしまう古城に2人もどのように返事を返せば良いのか分からずに黙ってしまう。

 

「……入るね」

 

「「……どうぞ」」

 

 その小さな騒動は呆気なく終結してしまう。

 風呂を入り終えた古城は眠たいのかウトウトよ船を漕ぐ状態で自室に戻っていった。

 それを確認した雪菜は自身の家に帰り、凪沙も風呂に入り、暁家から騒動が治まり静けさが戻る。

 静寂の中、着信音が古城の部屋に響いた。

 

「ふぇ……あっキラサカだ」

 

 眠たげな瞼を擦りながら音源を辿ると、自身の携帯がなっている事に気付いた古城は横にしていた身体を起こす。

 身体を起こして携帯を手にして画面を見て知っている人物の名前が表示されていた。知っている相手だと気付いた古城は通話を押す。

 

『ちょっと暁古城、出るならさっさと出なさいよね! 私の貴重な時間を使って電話してんだから!』

 

「どうしたのキラサカ?」

 

『……ちょっと、これ暁古城の電話番号でしょ?』

 

「うん」

 

 煌坂紗矢華。姫柊雪菜の元ルームメイトで獅子王機関の舞威媛(まいひめ)である。

 自身のアドレス帳のお気に入りに登録され、出るはずだった男性の声で無いことに困惑を隠せない紗矢華は問うが古城は普通に返される。

 

『あんた誰よ? 私は確かに暁古城で登録している番号に連絡したんだけど?』

 

「ぼくが、あかつきこじょうだよ」

 

『はぁ?』

 

 互いの会話が噛み合わない。

 

「こんなじかんに何かよう?」

 

『すっ少し待ってなさい!』

 

「ん?」

 

 携帯の通話が切られ数分後再度携帯に着信音が鳴る。古城は慌てる事もなく操作する。

 

『あっあんた本当に暁古城だったのね! 私を騙したの!?』

 

「だますって何を?」

 

『…………』

 

「どうしたのキラサカ?」

 

『まっまた電話するからちゃんと出なさいよ! 良いわね暁古城!』

 

 また一方的に通話を切られる。

 流石に子供の古城でも困惑したが睡魔に襲われ気にする事無くベットに横になり眠りについた。

 

 

   ◇

 

 

 暗く湿った空間。

 鉄が腐り錆びた異臭が空間全体を覆う。不衛生なのかヘドロの塊が所々にあり、鼠らしき鳴き声が複数聞える。

 そんな暗い空間に3人の影が見られる。

 

「……どう言うことだ?」

 

「何ガデスカ?」

 

 3人の影の内、一番大きな影が声を放つ。その僅かに怒気の孕んだ声が暗い空間に響き木霊す。

 その怒気に孕まれた声に返答する小さい影。

 

「貴様が良い案があり、確実に成功すると言ったから任せたものの……結果がこれか!」

 

「弱体化ハシテマスヨ? 実際ニネ」

 

 声を大きく荒げて近くの鉄板を殴りつける。その一撃は硬い鉄板を簡単に凹ませ、その音が空間に響くが影達は一切動じる事無く平然としている。

 影の1人が頬に手を置いて溜息をもらす。

 

「まぁ流石って所かしらねぇ……普通ならぁ消えてるんでしょぉ?」

 

「エェ、本来ナラ記憶スラモ戻ッテイル筈ナンデスガネェ……第四真祖、甘ク見テイマシタ」

 

「それならまだ良い。本来の目的である眷獣を封じる事が出来なかった」

 

「でもぉ、眷獣一匹出すのが精一杯って感じねぇ。コレは成功と見てもぉ良いと思うんだけどぉ?」

 

「……弱体化はしているのは確かだ。このまま第二段階に移行しても問題無いと思うが……」

 

「まぁ不安要素は大有りねぇ」

 

「保険ハ要リマスネ」

 

「失態を続けるようなら後は無いぞ?」

 

「分カッテマスヨ」

 

 3人の影は会話を終えると同時に気配が消え、空間に静けさが戻る。

 謎の影達は一体何者だったのか。計画とは何なのか。

 絃神島に闇が近付いている。




 さて、今回は謎の敵が現れました。
 実は敵の名前決まってないですよテヘペロ……マジどうしよ(汗)

 煌坂が古城との電話を切って再度連絡した間、雪菜に事情を聞いていました。なのであんなに怒った感じで電話してます。
 そこら辺も書きたかったですが一々区切って、また区切るのも変でしたので書きませんでした。会話文短いし……。
 さぁ、これから古城はどうなるか……頑張って書きます。
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