では、本編どうぞ……。
古城は昨日と同じくアスタルテの所に預けられ、その他の者たちは教室にへ戻っていった。
古城はニーナと会話をしたり突いて遊んだりと楽しんでいた。
「これぇ古城、引っ張るな!?」
「あっごめんなさい」
突いて遊ぶ古城だが指が髪に引っ掛かってしまう。
ニーナに注意された古城は直に謝る。
すると、奥から御盆を持ったアスタルテが現れる。
「ミスター古城。紅茶とクッキーの準備しました」
「わぁ~い!」
淹れ立ての紅茶と焼き立てのクッキー。
それを見た古城は嬉しそうにアスタルテに抱き付く。だが、両手には紅茶とクッキーを乗せた御盆を持っているので慌てる。
「待って下さいミスター古城。紅茶とクッキーが落としてしまいます」
「落ち着かぬか。紅茶や茶菓子は逃げたりせん」
「はぁ~い!」
丁寧に紅茶とクッキーをテーブルに並べられ、古城はソファーに座り手を合わせ皆で頂きますと挨拶をして食べだす。
ニーナが食べやすい様にアスタルテが小さく砕いて渡す。
「美味しい!」
「相変わらず上手いな」
「
三人仲良く一時の平穏を過ごす。
クッキーを食べ終えた古城は何気なく窓の外、青空を眺めて何を決めたのかアスタルテに向く。
「ねぇアスタルテ」
「どうしました。ミスター古城」
「外であそびたい」
晴天の空。その空の下で遊びたいと言い出す古城に困ってしまうアスタルテ。
昨日の襲撃を考え、外出はなるべく控えた方が良いと那月や雪菜、ニーナやアスタルテの共通の認識だった。
もし外出して襲われれば古城を守れるか分からない。
アスタルテが色々と迷っているとニーナが切り出す。
「古城よ。外は色々と危険じゃ。それは昨日体験したであろう?」
「うっ……」
「この陽気じゃ。外で遊びたいのは分かるがアスタルテを困らすでない」
「……ごめんなさい、アスタルテ」
「いえ」
ニーナに諭され落ち込みながらもアスタルテに謝る古城。
アスタルテも遊びに行かせない事に罪悪感で胸一杯になり顔に出さない様に耐えていた。
外出する事無く室内で遊べそうなトランプなどをして楽しんでいると古城は何時の間にか船を漕ぎ眠っていた。
その眠る古城に釣られてニーナも眠り、アスタルテは室内を静かに清掃をしていた。
清掃は滞りなく終え、那月の私物が減っていないか確認していると紅茶の茶葉がなくなっている事に気付いた。
「茶葉の在庫無しを確認。在庫購入を推奨、ですが……」
穏やかに眠る二人を見てどうするか迷うアスタルテ。
買物に向かうのは良いのだが二人の護衛が居なくなれば襲われる可能性が高くなる。だが、買物に行かない訳にもいかない。
「……
報告した後、買物に行くことに決めたアスタルテは部屋を出て那月が居るであろう教室にへと向う。だが、その数分後に古城が目を覚ましてしまう。
「……おしっこ」
眠たそうな表情で立ち上がる。
古城の腹部分で寝ていたニーナがズレ落ちて目を覚ました。
「何処に行くのだ古城?」
「トイレ……」
「そうか……気を付けてな」
「うん」
そう言ってニーナは寝てしまう。
少しふら付きながらも目的地のトイレに到着しておしっこを済ませる。そこで、古城の眠たさが無くなり意識が確りと覚ます。
「…………」
トイレの僅かな窓の外。
それを見た古城は外で遊びたい欲求に駆られた。ダメ、だと言われてもしてしまう子供ならではの好奇心に歯止めが出来なくなり、悪いと思いながらも外に出ることにした。
幼い足を走らせ高校生だった頃の記憶を頼りに階段を下りていく。今は授業中だった為にすれすれ違う人物はいなかった為に止められ事無く無事、校舎の外に出てしまう。
静かな学校に不思議に胸高鳴らせる古城は歩いていく。
最初は校庭などを散策していたのだが、詰まらなくなったのか古城は校門前に来てしまい外でに出て行ってしまう。
まるで冒険を楽しむかのように学校から離れていく古城。
古城が居なくなった事に雪菜たちが気付いたのは午前中の授業が終わった昼休みであった。
「フフフッ、待ッテイマシタ。彼方ガ一人ニナルコノ時ヲ……」
◆
古城は一人、アイランド・サウスを散歩していた。
なので治安もそれなりに安定しており子供が一人で出歩いても危険は早々ない。だが、それは一般市民であり第四真祖の古城には該当しない。
ともあれ、今は子供の古城が第四真祖であるなど誰にも分かる訳なく、周囲からは親から離れて歩いている様にしか見えない。
「すんすん、いい匂い……」
歩いて冒険していた古城の鼻腔に美味しそうな匂いが刺激する。その匂いに釣られて歩く方向をそちらに向ける。
歩いて数分。時代劇にでも出てきそうな佇まい茶屋で、『団子屋』と書かれた暖簾を下げており、その暖簾の隙間から覆いしそうな匂いを漂わせる煙が出ている。
それに釣られて古城は無意識に店の敷地に上がると店員の「いらっしゃいませー!」の挨拶に意識が戻りキョロキョロと首を振って建物内を見渡す。
「どうしたのボク? お使い?」
深緑の着物。その上に白いエプロンを着た女性店員が話し掛けられる古城。
最初は驚くも少し緊張しながら古城は店員の問答する。
「えっと……おいしそうなにおいがして……つい」
「そっか……美味しそうな匂いしてるもんね。親とか居るのかな?」
「うんん、ひとりです」
すぐに白状すると店員に嬉しそうに古城の頭を撫でる。
店員の自身が働いている店の団子を子供が素直に美味しいそうと褒めてくれたのが嬉しく思う。っで、続けて親御さんなどが居るのかを訊くと古城は直に受け答えをする。
「お金とか持ってきてる?」
「うん。ユキナから貰ってる」
古城のポッケから財布を取り出し見せる。
「……うん、これならお団子何本か買えるけどどうする?」
「かう!」
「うん。じゃ縁台に座って待っててくれる?」
「うん!」
手渡された財布の中身を見た店員は団子が何個か買えることを確認、食べるかどうかを古城に訊いて食べると言ったので縁台に待っているように言う。
古城は店員の指示に従って縁台に座って人が流れる姿を眺める。
「お待たせボク、団子三本にサーブスのお茶ね。お茶は苦さ控えめだから飲めると思うよ」
「ありがとうお姉ちゃん!」
「ゆっくり寛いでね」
縁台に座る古城の隣に団子を乗せた皿が置かれる。
三個の刺さった串団子を焼き、その上に醤油餡が掛けられたシンプルな焼き団子。それを見た古城は目を輝かせながら一本の串を持ち、先端に刺さる一個目の団子をパクッと食べる。何度も噛み締めながら団子を味わう。
それから全部の団子を食べ終えてお茶を飲んでいると、古城の隣に誰かが座った。
「美味しそうに食べるわねぇキミ?」
「へっ?」
純白のドレス、つば広くこちらも白色の帽子。
上から下まで純白一色で染まり、顔はつば広い為に見えないが不思議な雰囲気を醸し出す女性。通り過ぎる通行人の興味を示して視線が集まる。
一度も会った事もない人物に古城は怯える。すると女性はクスクスと口元を手で隠して笑う。
「警戒しなくても大丈夫よぉ。私、こんな成りだけどぉ獅子王機関の者なのぉ」
「えっ、ししおうきかん?」
「そう。キミのぉ傍に居る姫柊雪那の同じ機関の者なのぉ」
「…………」
信頼を寄せている雪那と同じ機関の者、それだけで幼き古城は少しだけ警戒を緩める。
「雪那からぁキミを探すように言われたのぉ。一緒にぃ来てくれないかしらぁ」
「ユキナが?」
「えぇ、一緒に行きましょぉ」
「……うん」
困惑しながらも雪那が探していると言われては否定も出来ず、古城はその女性の手を握る。
団子代を縁台に置き、そのまま女性に導かれる様に古城は着いていった。だが、古城は何か不思議な感じを覚えた。
首筋がヒリヒリやピリピリとした嫌な感覚。その嫌な感覚は握っている女性から伝わってくるのが古城は何となくだが理解した。
手を放そうと力を入れるが離れない。
「あの、お姉ちゃん……放して」
古城は女性にそう告げるが女性は聞えないのか更に歩く速さが上がる。
「うふふ、あはは……はははは!」
引っ張られる様に古城は連れられ、女性は急に無機質に笑う。
流石にこれは変だと感じた古城は、力一杯に離れようとするが離れず引っ張られていく。
建物の横道や裏道、古城が知らない道をクネクネと連れられ何処かの廃墟らしき場所に到着する。そこで、女性は停止して握っていた古城の手を離す。
「だれ……なの?」
「…………」
手が離れた古城は恐怖を感じながら一歩下がり女性を睨む。
女性は反応する事無く棒立ちで動かない。それが逆に古城に恐怖を与える。
「アハハハハハハ!」
「ひっ!?」
首だけが180度曲がり古城を見て笑う。それを見た古城は悲鳴を漏らし更に一歩下がる。
「ダダダッ第ィ四ォォォォシシシシィィィソソソソソォォォォ!」
身体も古城に向かせ、離れていた距離を一瞬で縮ませ両手を首を締める。
「あっ……ゆ……きっ」
古城は小さな手を伸ばし常に傍に居て守ってきてくれた雪那の助けを求める。だが、その手の先には誰も居らず空を握るだけ。
更に女性は奇声を上げ両手に力を込める。その込め方は窒息ではなく首をへし折る勢いだ。
古城の伸ばした手をだらりの垂れ、口元から唾液の泡が溢れる。意識が朦朧となり何処に視線を向けているのか分からない。
そして瞳孔が開きだし最後に見たのは――
さて、子供ってダメと言ってもしてしまう子供は多くいます。
好奇心旺盛なのは良い事なのですが……。
さて、古城くんピンチです。大ピンチです。
このままじゃ古城くんが死んじゃうー(棒)
次も頑張って書くんるん。