仮面ライダーエグゼイド異伝 パラドックス・ゲーム   作:たんぺい

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二話

「パラド!!お前いきなり何てこと言うんだ!」

 

パラドが悪知恵を働かせて、有りもしない遊園地のチケットの話をでっち上げる様に言ったあとポッピーは上機嫌で部屋から退散した後…永夢は血相を変えてパラドを叱りつけていた。

が、しかしパラド本人はどこ吹く風だ。

 

「心滾らせるなよエム、俺が『ないモノ』なんて空手形でポッピーをハメようなんて萎えることする訳ねーだろ。

ほらよ、俺がこないだ商店街に行った時に貰った福引券で当たったんだ」

 

と、ひらひらと服のポケットからパラドが取り出したのは、少しくちゃくちゃにはなっているが確かに遊園地のチケットだ。

そしてこう続ける、俺は遊園地なんかよりゲームの方が好きだから金券ショップにでも売りつけてゲーム代にあてるつもりだったが気が変わったんだ、と。

そう言われて永夢は気が変わったとはどういう事か、と問いただすと、逆にパラドから質問が飛んでくる。

お前こそいい加減ポッピーをどう思ってるんだ、と。

 

「ポッピーは…関係ないだろ!僕が言いたいのは…」

「じゃあ、俺がポッピーをデートにでも誘ったら良かったのかよ」

 

永夢の説教に、パラドが混ぜっ返す様に切り込むと永夢の瞳から途端に生気が消え果て暗黒をたたえるそれになり表情も怒りから『無』へと変貌する。

彼が本気で怒ったり呆れたりすると見せる、ある種の永夢の本質だ。

長年培ってしまった『諦め』と『憎悪』の顔、優しい青年である彼が溜め込み続けた闇そのもの…マイティノベル騒ぎで事情が明るみに出てしまったそれもまた永夢の肖像。

 

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少なくとも、真実に近い所を突き止めた…と。

 

「そんな顔するって事は、エムにとってポッピーは大事なんだろ。

俺は所詮ウイルスだ、男と女がどうとかわかんねーけどよ…多分、ポッピーもわかってねーけどよ。

少なくとも永夢は他人にももっとワガママになるべきだ、それはわかるぜ。

好きなやつに好きだって言えるぐらいワガママになれねえ方がおかしいだろうがよ」

 

そうパラドに突きつけられて、永夢は絶句する。

反論しようにも言ってる事に間違いは無い、やり方は事後承諾気味で強引すぎるが()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

そもそも、パラドはバグスターウイルスでも永夢と共存する特異な存在。

言い換えれば永夢とはある意味で同一人物に近いのがパラドというバグスターウイルスだ。

そんな彼が呆れて強引に動いた、それがそもそもどれだけ情けなく罪深いか。

 

「…そうだなパラド、お前が言うとおりだよ。僕はもっと素直に生きるべきだって、わかってたつもりなんだけどな。

僕は、生まれてこの方誰かをデートなんて誘った事も無いから…ゲームだけが友達だったから、人との付き合い方は歪なのは自覚してる。

そうだな、僕はお前に感謝こそすれ説教する筋合いなんて無かったかも知れない。

悪かったよ、色々」

 

そういって苦笑する永夢に対してパラドはこう返す。

お前がそもそも本質大人しいだけでいい子なだけなら、こんなワガママ放題で自由な俺がお前から産まれるかよと。

そりゃそうだ、と二人して爆笑する中で事件は突然起きた。

 

突如として、甲高い悲鳴や野太い絶叫があちこちから響き渡る。

何事か、と永夢とパラドが顔を見合わせる中…突然、永夢が胸を抑えながら苦悶の絶叫を上げてバタンと倒れるのだ。

そして、永夢の身体からオレンジ色の粒子が舞い散り、手先が透明になり消えかかるのが見える。

 

 

「『ゲーム病』…!?なんでだ、何があったエム!!何か強いストレスが!?」

 

パラドは明らかなゲーム病…悪性バグスターウイルス疾患者特有の症状に苦しむ永夢の姿を見て、思わず駆け寄り抱き起こそうとする中で今度は内線の電話がけたたましく鳴り響く。

反射的にパラドがそれを取り、何の用だ今は忙しいのに!と怒ると此方も大変なんだという聞き慣れた声が返ってきた。

 

「レーザーか!大変なのはこっちもなんだ!悪いが後に…」

「そういう訳には行かねえんだよ!カイデンにソルティにモータスに…兎に角バグスター共が数百体規模で病院はおろか街中まで大集合して暴れてやがる!自分じゃ目の前の敵相手にするのも手一杯なんだ!

お前や永夢の力が必要なんだよ!いつもみたいにふざけてる訳じゃねえ!!」

 

と、声の主はレーザー…監察医の九条貴利矢である。

彼が言うには数百体以上の規模の敵がいきなり押し寄せている、シンプルに大ピンチだ。

だがピンチなのはこちらも同じ、否、ゲーム病で今にも消えかかっている永夢の方がある意味大ピンチだろう。

それを簡潔にパラドが伝えると、貴利矢は声だけでもわかるぐらいに血相を変えた様な焦りと恐怖が入り交じる声になりつつこう続けた。

 

「…なんてこった、こちとらムテキやマイティノベルの力が必要なのに!?

自分が言ってたその数百体のバグスター、自分や鏡先生が変身して攻撃しても()()()()()()()()()()んだ!向こうの攻撃は当たるのに!?

変種か新種かわからないが、自分達じゃとにかく手が出せねえから永夢の天才ゲーマーの力を借りてえのに…」

 

 

そんな貴利矢の声を聞いたパラドは、わかった兎に角も俺だけでもそっちに向かう…と言おうとした瞬間、ガチャリとドアを開く者が複数現れる。

魔術師の様な姿をしたバグスター、アランブラ。

戦闘機の様な姿をしたバグスター、バーニア。

自転車にのったバグスター、チャーリー。

この『タドルクエスト』『ジェットコンバット』『シャカリキスポーツ』それぞれを司る三匹のバグスターらは、パラドを視野に入れると一目散に襲いかかるのだ。

 

「ち…テメエ等、俺の心を滾らせるなよ…!?

マックス大変身!!」

 

一方のパラドも黙っては居ない。

自らの腰にゲーマードライバーを装着すると、ガシャットギアデュアルを装填し腕を逆さまのムの字に構えて変身ポーズをキメてから2つのヴィジョン『ノックアウトファイター』『パーフェクトパズル』を召喚し合体する様なエフェクトと共にマザルアップ!という掛け声と共に変身を開始する。

 

赤い拳、強さ!

青いパズル、連鎖!

赤と青の交差!

パーフェクトノックアウト!

 

ゲーマードライバーから鳴り響く音声と共に現れたパズルの戦士であり格闘ゲームの闘士である矛盾極めたコンボの天才『仮面ライダーパラドクスLv99』は、斧であり銃でもあるガシャコンパラブレイガンを片手に、まず初め銃モードで威嚇する。

 

レーザー、九条貴利矢は「攻撃がすり抜ける」と言った。

だが、パラドはどうすり抜けるかも知らない、まずは当てることより情報収集を兼ねた牽制…の、ハズだったのだが、3体のバクスター達はパラブレイガンの攻撃で難なくふっ飛ばされてしまう。

 

「何だ…?当たるじゃねえか!だったらコイツでどうだ!!」

 

ズ・ゴーン!という展開音声と共にパラブレイガンを斧形態に変更し、Bボタンを6回バババンと叩いてからチャーリーとアセンブラの2体をすれ違いざまに斬りつける。

6連鎖!という音と共に文字通り6回分の全力攻撃を一度に叩き込まれた2体はあっという間に爆発四散、そして…

 

「バーニア、てめえには裏ワザ決めてやるぜ!」

 

ゲーマードライバーのレバーを閉じてから再展開、するとウラワザ!という音声がドライバーから鳴り響く。

そして回し蹴りの要領でバーニアの腰を目掛け思い切り蹴り飛ばす!

 

『パーフェクト、クリティカルコンボ!!』

 

という完全勝利を伝える音声と共に、3体のバグスターウイルスをあっさり駆除したパラドは…

 

「…なんだってんだ?あのバグスターどもはあまりにも歯ごたえが無さすぎた。

それは良い、だけどレーザーが言ってた事も気になるし何よりエムの容態が心配だ。

とにかくレーザー達に合流しないとな…」

 

と、ひとりごちながらパラドクスの姿のまま永夢を抱え高速で移動するのであった…

 

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