仮面ライダーエグゼイド異伝 パラドックス・ゲーム   作:たんぺい

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三話

「クソっ!?『Miss』じゃねーんだよ!」

 

監察医、九条貴利矢が変身する仮面ライダーレーザーLv0はプロトシャカリキスポーツゲーマーのアーマーたる自転車を模した鎧を身に纏い車輪のようなエネルギー弾でバグスター目掛け攻撃するが梨の礫だ。

『Miss』の表記の通り、眼前に数十体はゆうに居るバグスターに対して攻撃を仕掛けてもまるで煙を殴ってるかのように素通りしてしまう。

 

「バグスター切除手術は一刻を争うというのに!我々の攻撃は何故当たらないんだ!」

 

そしてレーザーに並び立つ白の騎士王の様に気高いナイトの様なライダーも焦る。

そう、鏡飛彩という青年が変身した仮面ライダーブレイブLv100タドルレガシーもまた似たようなものだ。

まさにRPG主人公の魔法騎士の様に、氷と炎を操る剣による斬撃や様々な魔法攻撃をバグスターにしかけていくが一切その攻撃が通じない。

 

 

そのバグスター達は()()()()()()()()()()()()()()()()()()()むしろアランブラもモータスもカイデンも同士討ちするかの様にバグスターウイルス同士で喧嘩する様にすら映る。

しかし、その余波ですら甚大な被害を物理的に促している。

アランブラの魔法の流れ弾、モータスの暴走、カイデンの斬撃の軌道…ソルティにバーニアにガットンも似たように好き勝手病院内で暴れたらそれがいくらの破壊活動となるのか。

 

更に、そうしてバグスターウイルスが暴れれば暴れるほど…宿主、つまりそれぞれのウイルス感染者が酷いゲーム病の症状を訴えて苦しみだす。

先に書いたかも知れないが、ゲーム病感染者は『消滅』というある意味で死より恐ろしい苦痛を味わう最期を迎える難病患者だ。

救助法が確立された今ですら、膨大なデータの海からのサルベージ作業から長いリハビリという苦難を乗り越えないと行けない苦痛を味わわせてしまう。

事前に救うには、バグスターウイルスを良性化させて無害化するかバグスターウイルスそのものをライダーの力で分離させて抹殺するしかないというのに、肝心のバグスターウイルスにライダーの力が通用しないのだ。

 

「またどこぞかの神の悪ノリか知らねえが!?新種かなんかかわかんねえとは言えこっちの攻撃が当たらねえんじゃ手も足も出ねえっての!」

「…ムテキ、いやこの場合は小児科医が持つマキシマムマイティのガシャットさえ有れば…こんな時に限って小児科医がゲーム病の重篤な患者になる、だと…!」

 

そんな窮状に貴利矢が悪態をつくなり、飛彩は小児科医…つまり宝生永夢が持つマキシマムマイティの力を思い出す。

マキシマムマイティXのガシャットはそれ自体はムテキに及ばないが、代わりにバグスターウイルスを変質化する『リプログラミング』というウイルス特効のワクチンの様な性質を持つ重要なガシャットだ。

だが、もともと貴利矢が集めたデータを元に永夢に合わせて作られた特殊なガシャットでもあるそれは使い手を選ぶ。

その肝心な使い手が病気で動けないのであれば打つ手が無くなってしまう…そんな八方塞がりになりかけた、その瞬間であった。

 

 

「クリティカルクルセイド!」

「パーフェクトノックアウト、クリティカルコンボ!!」

 

一つは渋い声、もう一つは高い声で響く必殺音。

ハート型のエネルギー弾による奔流が数多のバグスター達を竜巻の様に1箇所に掻き集め、赤と青のエネルギーの螺旋を纏った閃光が数十体のバグスター達を一気に爆砕しカオスな窮状を救ったのだ。

 

「パラド、上手くいったね!」

 

そんなレーザーとブレイブのピンチを救った片割れであるピンク頭の女の子の様なライダー、その名も仮面ライダーポッピーLvXときめきクライシス。

名は体を示すかの如くポッピーピポパポが変身したそのライダーは、陽気な口調でもう一人の救世主であるパラドこと仮面ライダーパラドクスに向けて労う言葉をかける。

だが、パラドはそちらは適当に流しややシカトするなり、貴利矢と飛彩の方に顔を向けこう切り出した。

 

「ブレイブ、そしてレーザー…さっきの戦い観戦させてもらったぜ。

この戦い、どうもいろいろルールがある様だ。全貌も黒幕の狙いも全然わかんねーが、少なくともプレイヤーには『参加資格』が必要だって事がわかった」

 

そう言うパラドに対し、勿体振らずにさっさと言えと怒る飛彩を制しながら彼は続ける。

曰く、こういう事だ。

 

「一つ、『バグスターはバグスターしか攻撃しない』。これはどうも基本ルールらしい、お前等には積極的に攻撃して来なかったのに俺に向かっては襲ってきたからな。

エムを安全なCRの治療室に隔離した後に、ブレイブ達に合流する間に拾ったホッピーにも話を聞いたが似たような感じでいってたよ、ガットンやソルティにからまれて大変だったらしい。

そしてもう一つ、『バグスターにはバグスターしか手を出せない』。これはお前等を見てわかった。

あのバグスター達は倒したからわかるがせいぜいレベルで言えば4以下、ブレイブやレーザーみたいな面子じゃ本来手も足も出ないぐらいの雑魚なのにかすりもしなかったって事は、そもそもルールに守られて当たり判定が消えてるって考えた方がしっくり来るからな」

 

と、天才ゲーマーでもあるパラドが長々と自分なりにゲームを解釈し説明するが…隣でポッピーが少しピヨっていた。

…どうやら、彼女にとっては話が長すぎて理解がオーバーフロー気味だったらしい。

そこで助け舟を出すかの様に、貴利矢が横から纏める。

 

「つまりだ、どうもこの病院を中心にした『バグスター対バグスター』の戦争に巻き込まれたらしいな。

永夢が死にかけてる理由やいきなりこんなバグスター大発生したのかはパラドも俺達もわからねえが、兎に角、人間は完全に手出しできない部外者でバグスターに…

つまり、パラドやポッピーに頼まないとどうしようもないって事だな」

 

そう貴利矢が一言で纏めるなり…よくこのゲームの本質に気付いたなプレイヤー諸君!という薄汚い高笑いと共に響き渡る声がする。

それは、それこそは、この場にいる仮面ライダー達が皆嫌というぐらいに知っている男の声であった…

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