Fairy Tail 虚弱のバーテンダー   作:Campus#R

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1作書きかけで4年も失踪した癖に唐突にプロット思いついて投稿する二次作家がいるらしいっすよ!


すみません………ゆるして……



プロローグ

ーーX777年

 

闇ギルド『エビルガーデン』消滅事件

フィオーレ王国の山間部に構える闇ギルドが一夜にして消滅。

遠方より見掛けた警備兵によると青い炎が煌々としていたとの事。

奇妙にも周囲への影響は皆無。被害は闇ギルド以外の民間人には何一つ無かった。

 

ただ最も奇妙だったのは、光の後には遺体も骨も灰すらも残さず一人の少年のみがそこにいたという。

 

 

 

 

 

 

 

「また大層な事件じゃったのぉ…」

 

評議員の一室でお茶を飲みながら新聞を読むのはフェアリーテイル3代目マスター マカロフ・ドレアー。

 

「なんじゃマー坊。普段から街中を破壊()とる様なギルドには珍()しくもないさね」

 

向かいでからかうような笑みを浮かべるヤジマ。

 

「いや申し訳ないのぉヤン坊。バカ共にはきちんと言うておく」

 

「ええよ、い()もの事さ」

 

魔道士ギルド『フェアリーテイル』はフィオーレ王国屈指のギルドでありながら、その理念よりやりたい放題。街中の器物破損や山中の地震など枚挙に遑がない。

本日もカエデの町にある教会を半壊させたとして、マカロフは評議員より呼び出しを受け、その後ヤジマの部屋でくつろいでいた。

 

「で、話とはなんじゃ?正直もう小言はうんざりなんじゃが…」

 

()がうよ。いやタス()かにフェアリーテイルにはもう少し控えてほ()いと常々思っとるけども。頼み事さね」

 

「頼み事?」

 

「ウム。来なさい!」

 

部屋の奥へ呼びかけると一人の少年が歩いてきた。

歳は10歳を超えた頃。短く切られたダークアッシュの髪にくっきり整った顔立ち。ブラウンがかった瞳。

 

「……っ!」

 

少年はマカロフと目が合うと小走りでヤジマの椅子の後ろへと隠れた。

 

「ふむ、誰じゃその子は?ヤン坊所のお孫さんか?それにしてはあんまり似とらんのう」

 

「残念ながら()がうよ。さっき見てた新聞記事あったろ?」

 

「ああ」

 

「この子はその生き残りさね」

 

「なに!?」

 

椅子の背から覗く少年をまじまじと見つめる。恥ずかしそうに俯いた少年には、闇ギルド消滅に関わったとはとても思えなかった。

 

「匿っとるのか?」

 

「ああ、あの()件の後にな。内々に処理出来れば良かったんじゃが、生き残りがいたという情報を止める事が出来んでな。そろそろここに置いておくのも厳()い。」

 

「なるほど。その頼みってのは」

 

「ウム。この子をフェアリーテイルで引き取ってはくれんか」

 

「…評議員では出来んのか?」

 

「残念ながら。というのも当事者であるはずのこの子はそれより前の記憶を覚えていないようでな。何か()ら証言出来れば身の潔白は証明出来たかも()れんが…。

闇とはいえギルド一つが一夜に()して消滅じゃ。このままでは危険人物と判断されて処刑されるやも()れん」

 

「そうか……」

 

悲痛に顔をしかめるマカロフ。

 

(どうする?受け入れるとしてもこの子が安全な保証は無い。無いが……)

 

「不安なのはわかる。じゃがこの子を預けれるのはマー坊()かおらん。頼む。引き受けてはくれんか。」

 

少し悩んだ末、マカロフは立ち上がりヤジマの椅子の後ろで隠れている少年へと歩いていった。

 

「よ!」

 

「!!……」

 

目線を合わせて見つめれば、驚いた様に肩を竦ませ、下を向く。

 

「お主はこれからどうしたい?」

 

「……?」

 

不思議そうに顔を上げれば優しい顔が見えた。

齢10を過ぎる少年には不釣り合いなほど純粋な瞳に映るのは、安心を感じさせる暖かな瞳。

その目につられるように自然と言葉は流れ出した。

 

「……ぼくは……誰かと一緒にいたい。目が覚めて周りには何も無くて、朝日だけが誰かも分からないぼくを差してくる。知らないが襲ってくるんだ。

もう、あんな孤独は……感じたく、ない……」

 

流れ出した言葉は自然と震えて、涙が伝う。

そこに居るのは打算も嘘も悪意も無いただの少年だった。

 

「…ヤン坊。この子はウチで引き取ろう」

 

「マー坊…!」

 

「最近同じ歳くらいの身寄りのないガキ共がウチにいる。あいつらと過ごせば何も問題は無いだろう。」

 

「…恩に着る」

 

「なーに!その分今後については多めに見てもらえると助かるわい!

して、この子の名前は?」

 

「本人は覚えていないようでな、ワスが付けた。名前はミデン。ミデン・メガロセウス」

 

「ミデンか。ではミデンよ。」

 

「?」

 

涙の流れるまま前を向けば、手が差し伸べられていた。

 

「ワシらの家族になろう。もうお主を一人にせんよ。約束じゃ」

 

そうして嘘偽りの無いその言葉に、ミデンはマカロフの手を取った。

 

 

 

 

 

バタリ

 

 

 

 

 

そしてそのまま倒れた。

 

「えぇーーー!なんでーーー!!」

 

「いかん!無理をさせ過ぎた。マー坊、すまんが隣のベッドで寝かせる。ミデンはまた後日引き取りに来てくれ」

 

「待てい!どうなっとるんじゃ?ミデンは大丈夫なんか!?」

 

「この子は体力が無いうえに虚弱タイスツ(体質)でな。5時間も動き続けると倒れてしまうんじゃ。今日はもうかれこれ6時間くらいじゃな。ただ、これなら少し寝れば治る」

 

「そ、そうか。また難儀な子じゃなぁ」

 

 

 

 

 

数日後。マカロフに手を引かれてミデン・メガロセウスはマグノリアにあるギルドへとやって来たのだった。

 

 

「ようこそフェアリーテイルへ」

 

 

 

 




一応エドラス編まではプロット出来てるんですよ。
書けるかどうかは別として。

やる気が続く限り精一杯頑張りたいと思います。

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