シャンフロ恋愛系短中編(旧:私が君に恋したのか君が私に恋したのか)   作:オタマトーン

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1話 二人の始まりside-k

「だ・か・ら!なんで君はそこまで出来るのにこんな普通なことができないんだ!」

 

道場で彼と向かい合って私は何度目になるかわからない怒声を上げた

 

「リアルはスタミナがなかなか回復しないし、スキルがないのがつらいよな。STRもAGIも低いしこれクソゲーじゃね?」

 

ふざけてるとしか思えない。彼から剣の振り方を教えてほしいって言われたから、ついでにリアルで龍宮院流の真髄を真似した技を披露してほしいと思い了承したがちぐはぐさに腹が立つ。

反応や回避は確かにお祖父様の流れを感じる、なのにそこから振るう剣が適当すぎる。

なんで直前まで両手で持っていた剣を片手持ちに変えてあんな無様に振れるんだよ

普通に回避した後両手でコンパクトに私の面を打てばいいのに、片手で横からフルスイングって、それじゃあ私の防御が間に合っちゃうし、防御されたら私の事蹴り飛ばそうとして剣道着に引っかかって転ぶとかふざけてるとしか思えない。

 

「良いから、竹刀はちゃんと振れ!両手で持ってさっきやった素振りみたいに!!あと何より蹴ろうとするな!!!!」

 

「えー、別に剣道がやりたいわけじゃないんだけどな」

 

こいつの剣の振り方を教えてほしい、ってマジで振り方だけを知りたいのかよ。でも基本が出来なきゃ応用なんてできないしっかりと教えてやる。とりあえずまた素振りからだ。

 

何より二刀流のほうがやりやすいとか、舐め腐ってるのかって気分だ、あまりにもうるさいから一度やらせたけど片手だから防御も力負けするし、振る軌道も子供のチャンバラごっこだからすぐに道場に転がしてやった

 

「ほら、素振りがまた雑になってる」

 

「そういわれてもどう違うのかよくわかんねーよ!」

 

私は彼に教えるために手を取り、腕の軌道を直すように振らせて気づいた

 

(近っ!手握っちゃってる!あ、私汗臭くないかな)

 

瞬間、私は後ずさった。今までそんなことしたことなかったのに後ろに足を出した瞬間、裾を踏みつけて後ろに倒れそうになる

 

「あぶなっ!」

 

彼がとっさに私を助けようとしてくれたのか私を横抱きみたいな姿勢で止めてくれた

そんな場合じゃないのに、私は鼓動が止まるかと思った。

何も言えず、少しも動けず、だけど心臓だけはうるさかった。

だから彼が何かを言ってるのが耳に入ってきても少しの間理解できずに抱きかかえてもらっている姿勢を維持してたら、唐突に彼が膝をつき苦悶の表情を浮かべ始めた。

 

「すまん、立ってくれ。。。腰が。。。。」

 

「ご、ごめん!大丈夫、ちょっと待っててすぐ人呼んでくるから」

 

すごいドキドキしたしなんか無性に嬉しかったりもした、だけど私を支えて腰を痛めるってまるで私が重いみたいじゃんって少し怒りたくもなったり、そもそも悪いのは私だからと急いで兄さんを呼びに行った。

兄さんはなんか眉間に皺をよせながら彼に手を貸し、休憩室まで運んでくれた

 

 

 

「その、ごめんね。大丈夫?」

 

彼をベットに寝かせながら服をまくり、腰の位置に湿布を貼る

お兄様は運んだ後にそういったこともしてくれようとしていたけど、私のせいで無用な怪我をさせてしまった以上あとよろしくとは言えずに、兄さんを追い出して私が看病をした。

その際に線が細いと思ってたのに、意外と背中は広くて引き締まっていたのを見たせいか無性にドキドキしてしまった。痛いところがよくわからないため、背中から腰にかけて軽く触りながら冷静を装いながら位置を確認したけど、

 

(鼓動とか聞こえてないよね?)

 

私はもういっぱいいっぱいでした。

 

「ああ大丈夫大丈夫、どうも今一つしまらねーな俺」

 

彼はそう言って笑っていたし、客観的に見たら質の悪いコメディでも私にとっては柄でもないのに王子様みたいに感じた。

 

「そうだよ、ゲームばっかりやってないでもう少し体鍛えたらどうだい?」

 

意外と引き締まっている体を知っているのにそんな憎まれ口をたたきながら今日の練習は終わりになった。

 

 

 

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