中高生であるウマ娘が広大なレース場を走る。彼女たちにとって、走ることは本能だ。速く、強くなるためにトレーナーとともにレースへ挑戦する。
華やかで清らかに見えるトゥインクル・シリーズだが、一大娯楽産業の側面をもつ。形は何であれ、金が絡めばヒトはどんなことだってする。例えば、遺伝的に頭がよく、強くて、ウマ娘に慕われるトレーナーの産出とか。
こんな妄想チックなアイデアを形にしてみました。
※pixivでも別名義で投稿
君がこの動画を見ている頃には、もうすでに私の体は灰になっているだろう。だから君は私のことを探す必要はない。前を向いてトゥインクル・シリーズより先の長いウマ娘生道を走ってくれ。
いや、私が言えることではないか……。
優しい君は泣いているだろう。すまない……。
……えっと……そうだな、君に言わないといけないことがいくつかある。
約束していたスイーツ食べ放題にも連れて行けなかったことだ。チームにある私の引き出しに5枚入っているから好きに使ってくれ。一人で全部使ってもいいが、テイオーやスペシャルウィークあたりに恨まれるぞ。
それとマックイーンが行きたがっていた牛丼屋。君は知らなかったと思うが、私も行ったことがないんだ。2人で行っていたら大惨事になっていたかもしれない。アイネスフウジンあたりに今度お願いしてみるといい。
君が欲しがっていた新しい勝負服だ。最後のレースに間に合わせることができずすまない。来週あたりに届くはずだ。死んだトレーナーからの勝負服だなんて縁起が悪いかもしれないが……よかったら受け取ってくれ。そして、
あーと、なんかあった気もするが……忘れてしまった。
また思い出したら――いや、なんでも無い。たぶんもう無いから安心してくれ。
マックイーン、ありがとう。
私は君のトレーナーになることができて本当によかった。
だから君を無敗の9冠にできなかったことが悔しい。
ダービー。
これから先の長い君に無茶をさせてしまった。
秋の天皇賞。
あれは私の作戦ミスだった。
春の天皇賞。
ライスシャワーの力を見誤り対策を怠った私の責任だ。
君は史上最高のウマ娘になれる素質を持っている。
引き出すことのできなかったトレーナーで申し訳ない。
私のことは適当に忘れてくれ。
君にはもう不要な
5年間。君とともにトゥインクル・シリーズを走れたことを誇りに思う。
どこへ行っても君との思い出は心のなかにある。
優しい君だ。気にするかもしれないからはっきり言っておく。経済動物であるトレーナーを気にするな。
……ただ、もしもマックイーンが
―――――今までありがとう、【ターフの名優】メジロマックイーン。
Tips トレーナー
種族 トレーナー
ヒトに姿形がとても良く似ている。歴史の中においてウマ娘の隣に立つヒトはトレーナーであったとされる。現代ではウマ娘のレースを支える存在としてトレセン学園などに所属。近年の研究でトレーナーの血が濃いほどウマ娘と心を通わせる能力や指導能力が高い傾向があると判明した。その結果、いくつかのウマ娘の名門では優秀なトレーナーを作り出すために、血統の保存と掛け合わせが行われている。無敗の3冠ウマ娘であるトウカイテイオーや、凱旋門賞ウマ娘に勝ったスペシャルウィークのトレーナーは、血統によって作り出されたトレーナーである。また、昨年活躍したメジロマックイーンのトレーナーは、父に7冠ウマ娘、母にティアラ3冠ウマ娘、父父にクラシック3冠ウマ娘のトレーナーによる配合から産まれた近代トゥインクル・シリーズの傑作と言われている。
一方で活躍しなかったトレーナーは種族特徴としてウマ娘以外には受け入れられにくいこと、経済的な自立が困難なことから30までの生存率は1割にも満たない。そのため、一部のウマ娘の間ではトゥインクル・シリーズ引退後にトレーナーを