1500文字よ〜
アリス)...虚様、もう少しだけお待ちくださいましね。
エリス)貴女は何をしに此処へ来たの?私から騎士クンを奪う権利なんて誰にも無いんだよ?
アリス)そうですわね、ですが逆を言えば私から虚様を奪う理由にもなりませんわ!これは、理屈等では無いのです!貴女がユウキ様を愛しているように...私は、虚様を愛しているのです!だからこれは、世界よりもたった一人の殿方を賭けた女の戦いなのです!!...受けて頂きますわ。
その答えを聞いたエリスは...驚きを顕にしたが、次の瞬間笑みを浮かべた。それこそ...かつての草野優衣のような少女のように。
エリス)ふふっ、私達は...世界より好きな男の子を選んじゃう同類なんだね...良いよ。けど...彼が騎士クンから能力を手に入れるまでが勝負だから、貴女の方が遥かに不利だね。
アリス)やってみせますわ。虚様とは、まだまだしたい事が山ほどあるのですから...ねっ!!
剣をエリスに叩きつけるが、エリスは手に魔法の障壁を張って防いだ。
アリス)はぁぁ...あああああっ!!
渾身を込めた剣戟がエリスの防壁を砕く、エリスが後ろに跳ぶが既にアリスが剣を横薙ぎに振り切っていた。
エリス)!!...なんちゃって、ね?
アリス)!?斬った筈のエリスの胴体は、幻惑魔法を使った幻だった。その幻から魔力を集め...
エリス)ジェノサイド・レイン!!
闇の魔力から暗黒の豪雨が降り注ぐ。
アリス)!!...ホーリースラストッ!!
構えた剣が巨大化、その剣を振り下ろし闇を全て斬り払う。
激しい戦いの中...
虚)...ユウキ、か。俺もお前も...好きな娘の愛が重いと色々苦労するな?俺はお前が大嫌いだけど。
苦笑いを浮かべて、ユウキに触れながらそんな事を語りかける。だが...
虚)俺の中に...流れ込みはしている...けど、いくらなんでも遅すぎる。なんでだっ?
本当は、正式なプリンセスナイトであるユウキでない虚にはまず能力を移し取る前に認証がユウキがやるよりも時間がかかる。結果として、そこで無駄な時間がかかってしまっている事を虚は知る由もなかった。
虚)間に合えっ...!!もう少しなんだ!!
まだ、半分程のゲージが満タンになる頃にはアリスかエリスのどちらかが死ぬ事になる。根拠は無いが、確信はあった。...なんとか二人を止めなければ。どうするか
頭をフル回転させていると...ユウキが目を覚まし...
アリス)...はぁはぁ...!!
エリス)ふぅ...ふぅ...!!
アリスもエリスも全力で戦うあまり、破壊不能の筈のソルの塔の床はクレーターだらけになってしまっていた。
アリス)これで...決着に致しましょうかっ...!!
エリス)望むっ、所だよ...!!
アリスが剣を再び巨大化させ、エリスが極大魔法を溜め最後のぶつかり合いを演じようとした直前。
虚)...っ!!!
蒼白い焔を纏う虚が二人の一撃を受け止め、消し去った。
二人)!?
硬直する二人の前に、ユウキも進み出た。
ユウキ)そこまで、もうこれ以上戦わないで欲しいな。
エリス)騎士...クン...!!!!!
エリスの瞳からとめどない涙が溢れる。
アリス)...虚、様っ...!!
感極まったのか、アリスは虚に抱き着く。
アリス)ごめんなさい、王宮で私は...!!
虚)良いんだ、それよりも...ユウキ。良いんだよな?
ユウキ)うん、皆が帰れるのなら僕はこの能力を君にあげるよ。
ユウキは、虚にプリンセスナイトの能力を与えた。そして...ユウキはただの少年になった。
虚)さて、エリス。
エリス)虚クン...うん、分かった。行こう。
アリス)...虚様、私は...いえ...なんでも、ありません。行きましょう。
世界が終わる時が、近付いていた。
29話終了です〜!!次回っ!一章最終回!!