コマンダー)返答は、お早めにお願い致します。
問いかけに重ねて追い詰めるコマンダーにどうしても
解けない疑問を抱いていたアリスは戸惑いつつ言葉を放った。
アリス)どうしてそこまで太陽を。いいえ...アストルムを滅ぼそうとしていらっしゃるの?
暫しの沈黙。
コマンダー)...主様の家名はムーンブルグ家。聡明な貴女様ならば、これで御理解頂けるかと存じます。
アリス)!!そう、そういう...事なのね。
驚きはしたが、予想はある程度出来ていた。ただ、それを直視したくなかっただけで。
アリス)でも...やっぱり考える時間を頂きたいわ。おいそれと返事などできかねますものっ...
コマンダー)そうですか...かしこまりました。主様に
掛け合ってみますので、暫し客室にてお待ち頂きますか?
頷くアリスは去り際に蒼黒の騎士の方へ振り返り
アリス)私は...どうすれば良いのでしょうね...
届かない呟きを一つこぼしていった。
十分後、案内された客室の一部屋でアリスはベッドに包まりつつ過去を回想していた。
過去
アリス)この御本を読んで下さらないかしら?
私の記憶では約十年前くらいの事だった。
私は、王女として自国の昏い部分も知っておいて貰いたいとの両親の思いで自国の歴史を学ぶ事になった。
そこで私は母上に歴史書を読み聞かせてもらった。
その御本によると、アストライア王家とムーンブルグ
王家は長年対立していた。
今はもう失われた方法らしいが、三、四十年前くらいにはアストルム側にも月に行く方法はあったらしい。
戦争は泥沼化した、十の激戦が起き国はお互い疲弊していた...最終戦はアストルム前の草原での一戦だったという。
一週間の争いの末に、最終戦はアストライア王家が勝利した。そこまでは、良かったのだ。だが...
当時のアストライア王家は、ムーンブルグ王家の者達を奴隷にしたという。性的な、暴力的な、加虐的な。ありとあらゆる暴行を加えたらしい。
あろうことかムーンブルグ王家の最期の抵抗を奴隷を盾にして徹底的に潰した...という。
その当時は幼さ故に事態の重さをよく分かっていなかった私の両親達も、歳を経るにつれてその重さを理解し、後悔したという。
私の両親は私があの屋敷...(ウツロ様と出逢ったあの屋敷の事だ)からいなくなる直前に一度だけその月と太陽の負の歴史を教えてくれたのだ。
確かに、それならば。コマンダーの[主様]が、アストルムを滅ぼそうとするのは悲しいが道理だろう。復讐の一つもしたくなろうと言う物だ。
アリス)...でも。私は...
復讐なんて、見たくない。殺し合いなどしたくなんか無いのだ...
アリス)まずは...話し合わなくては。そうしないと、歩み寄らないと。何も始まりませんもの。
立ち上がり、コマンダー達の所へ行こうとしたアリスの前に兎耳の少女が現れた。
???)ねぇ、貴女が...先輩の王女様?
三十四話でした!
新キャラ登場?で盛り上がるといいなぁってなってますw