その少女は、随分と自分に似ている。主様とは恐らく
ムーナ・ムーンベルグ様の事を言っているのだろう。
■■■■)■■■■■様は、ご飯をたくさん食べていらっしゃるでしょうか...■■■様は主様に素直に接しているでしょうか...
少女はとぼとぼと前を歩く。少女に黒い精霊のようなモノが纏わりついていた。少女は態度には出さないが酷く苦しんでいるようで、時折頭を抱え呻いていた。
コマンダー)(彼女は、何を言っているのでしょうか?)
彼女の声には何故かノイズ塗れで殆ど聴き取れない。
辛うじてノイズのかかっている部分が人名なのだろうと言う事だけは分かるのだが。
■■■■)もう少しで私は、私で無くなるのでしょう...
主様が健やかでいらっしゃるのなら私は、幸せです。
コマンダー)(自分は自分で無くなる...?)あ、あの!
■■■■)...
反応が無い。どうやら、■■■■はコマンダーを認識出来ていないらしい。
■■■■)...っ!(崩れ落ちる)あぁっ...!あぁぁぁぁっ......!!
少女がもがき苦しみ出す。精霊が少女を乗っ取ろうとしているにだろう。
コマンダー)...?
今、自分の思考が不思議だった。何故私は...この少女の状況を理解できているのだろう?
■■■■)はぁっ...はっはっ...!
なんとか立ち上がろうとする少女の前に...
ムーナ)...ふーん、英雄の従者、ね。可哀想に...早速だけど貴女の記憶を読み取らせて貰うわね。
無造作に手を額に置かれ、何か大切なモノが抜かれていく感覚を覚えた。
ムーナ)なるほどね、貴女の主様の名前はユウキ。そして貴女の名前はコッコロって言うのね。その名前、使わせて貰うわね♪
良いかしら、私はこれから貴女の主様。貴女を蝕む力を無害にしてあげるから、私と共に、太陽を滅ぼす為に力を貸しなさい。
これから貴女の名前はコマンダーよ。
■■■■~コマンダー)はい、主様。この身も心も貴女の様の為に。
洗脳を刻み込まれ、■■■■...[コッコロ]はこの時から[コマンダー]に産まれ変わった。
月面基地の廊下で眼を覚ましたコマンダーは。
コマンダー)思い出した...!私はコッコロだったんだ...でも、今更私はもうっ...!!
頭を抱えていると。コツ、コツ。と足音を立てムーナが現れた。
ムーナ)あら、思い出しちゃったのね、ふふっイケナイ娘だわ。
コマンダー)ムーナ様っ、私は...!
ムーナ)口答えはいらないわ。さぁ、忘れなさい。今の貴女の主様は私なの、他の主なんて必要無いわ。
額に手を当てられ、記憶がまた...瞬間。溢れ出す。ユウキ様や、ペコリーヌ様。キャル様達と歩んだ記憶が...その、全てが。そして、絞り出すように叫んでしまった。
コマンダー)消えたくっない...!!助、けてっ!!!
ムーナが眉を上げ、コマンダーの記憶が完全に奪い尽くそうとした直前。
ムーナとコマンダーを隔てるように、蒼黒の焔が現出した。そこには...
ムーナ)何っ...!?
虚)...ヒサシブリ、ダナ。ムーナ・ムーンベルグ。
アルベキアルジノモトヘ、ショウジョヲカエストキダ。
眠っていた筈の蒼黒の騎士が復活していた。
四十六話です!疲れみ...