紅魔館への取材を終えた数日後────。穹は、今度は永遠亭に取材に来ていた。勿論、今回も取材する為の予約はキチンと取ってある。
取材をするという事で、しかも母の射命丸文とは違い予約してあるからか、永遠亭側の配慮として、取材対象……鈴仙やてゐは仕事を一時的に休みにしてあるので、巫月は仕事のヘルプをしている。
「────という事ですのでなるべく早めに取材を終えたいと思います」
「はいはーい、早く始めて〜」
「てゐはどうせサボるでしょ。……それで穹ちゃん、まずは何を聞きたいの?」
「そうですねー、やはり『ハジメテ』の事ですね。父上の童貞卒業の相手は鈴仙さんだ、としか伺っておりませんので、もし宜しければその詳細を教えて頂けませんか?」
「そうねぇ……ほら、てゐ、何か言いなさいよ」
「うぐっ」
「へ?何故てゐさん……」
「あの時はねぇ……。てゐが強い媚薬をエスカルゴに打ち込んだのね。そしたらエスカルゴってば理性を失っちゃって……。それで、何時間もずっとお風呂で襲われ続けたのよ」
「えぇ……。当時、鈴仙さんは……その、失礼ですが処女だった……のですよね?」
「そうそう。私もハジメテだったから……ちょっと、いや結構辛かったわ。ねー、てゐ?」
「それについては本当に反省してます……」
「てゐのイタズラでここまでヤバかった事は無い。エスカルゴもそう言ってたわ。でも理性ある状態でエスカルゴに処女の私を味わってほしかったから、処女膜を再生させる手術を受けたの。お師匠様に、かなり頼み込んだ記憶があるわ」
「手術ですかっ!?どうしてそこまで……」
「エスカルゴ、理性を失ってたから……私を襲ってた記憶が抜け落ちてたの。でも、折角のハジメテだし記憶にも残らないって嫌でしょ?……だから、せめて処女膜くらいは再現したかった」
「思っていたより献身的ですね。普段のお仕事が、鈴仙さんにそうさせているのでしょうか……?」
「そう……なのかなぁ?私は、そうは思わないけど。折角なら、一緒に気持ち良くなりたいってだけよ。だって……折角、意中の人と付き合えるんだもの……可能なら何でもしたいわ。どちらにせよハジメテが好きな人だったから、私としては、満足ではあったからね。でもどうせならエスカルゴにも……ってね」
「ほうほう……。では、てゐさん。てゐさんは、何故そんなイタズラを?」
「ちょっと興奮するだけだろうなと思ってたウサ。まさかそんなに強い効果を発揮し、あまつさえ暴走するくらいに……なんて、思えなかった……。これは正直、私の見通しの甘さからきた出来事だったわ。反省するしかなかったし」
「てゐさんでも反省はする、と」
「失礼ねー、それくらいするわ私でも……」
「あはは……父上からあなたの話は時たま聞かされていますので、そういう、反省しないイメージが確立されていたのです。懲りない奴だと伺っていましたので」
「娘にそんなの吹き込んでたの?だったらまたエスカルゴにイタズラしてやろ。アイツも喜んでくれるでしょ、多分」
「何故喜ぶんです?ハッキリ言いますが、嫌がると思うのですが……?」
「チッチッチッ……それは違うんだよねぇ〜。最近の
『エスカルゴへのイタズラ』は、エッチのサインになってるんだ〜♡」
「「ええっ!?」」
同時に、そして同じ反応をする穹と鈴仙。2人の驚き様に、今度はてゐがビクリと身体を震わせる。
鈴仙とて、てゐと彼がそういう関係なのはとうに知っていた。てゐが時折、彼にイタズラを仕掛ける事も知っていた。
それがまさかイタズラ=エッチの合図というのは予想も付かなかったのだ。確かに近頃ヤケに2人の絡みが増えたとは鈴仙も感じてはいたが、そんなのいつも変わらぬ日常のワンシーンに思えていたのでスルーしていたのである。
「最近……って言っても結構前の話だけど、アイツとそういう関係になったんだよね。しかもその原因は鈴仙の処女を暴走エスカルゴが奪ったあの件の復讐とかいうものでね。媚薬を盛られて、我慢できなくなった私が、エスカルゴにエッチを懇願したのさ」
「懇願したって……てゐが!?てっきりエスカルゴが襲ったのかと……」
「信じられませんね……しかも父上がてゐさんに薬を盛れると思えません。勝手なイメージで申し訳ないですが、てゐさんなら騙し返しそうですし」
「やっぱりそう思うわよねっ!?……ねぇ、どうしてエスカルゴに盛られたの?気付かなかったの?」
「気付いたよ、そりゃ。お茶に盛られてたからさ、それに気付いた瞬間に交換してやったよ、アイツのお茶とね。でもその時はエスカルゴが私の一枚上をイッたね。まさか両方のお茶に……しかも自分の方により強い媚薬を仕込んでたなんてね」
「「えええええっっ!?」」
「賭けだったんじゃないかな。私が媚薬に気付くか気付かないかさ。ま、どちらにせよ、両方のお茶に仕込まれてたんだ、結果はあまり変わらなかったのかもしれないけど。あの時ばっかりはエスカルゴを舐めた自分を呪ったよね、まさか墓穴を掘るなんて思わなかったからさ」
「……エスカルゴ、変な所で思い切りが良いものね。だからって、まさかそんな方法に出るなんて……」
「父上……幾ら交わりたいからと、それは…………」
鈴仙は彼の思い切りの良さに顔を引き攣らせて、穹は父が執った方法にドン引きしていた。そして、このゲスな方法や、「鈴仙のハジメテ」については新聞にするのを止めておこうと、穹は初めて自分で自分の
次の取材先、募集中です。