《ガールズ&パンツァー 》─銀の行く道は奇々怪々─ 作:如月 霊
「はい、ココアだよ」
そう言いエリはココアが入ったマグカップを三つ持ってきてエリカとみほに手渡す。あのあとエリカとみほを部屋に通し、ソファーに座ってもらったのだ。
「あ、ありがと」
「あ、ありがとう」
「うん。で、お二人さんは何のご用でこんな森の奥に?」
エリもソファーに座り質問する。
「い、いやね。あなた、一週間くらい前に墜落してきた零戦に乗ってたでしょ?それが気になってね」
そりゃあ、気になるわな。納得納得
「そうだよ」
肯定すると今度はみほが質問してきた。
「い、逸見さん!なんで黒森峰に墜落なんて…」
「理由なぁ…うちの学園艦からあの零戦で偵察に出たら急に襲撃されて気がついたら病院のベットで寝ていたよ」
そう言った所でエリカとみほの声がはりあがった。
「「襲撃!?」」
「しゅ、襲撃って何にされたのよ!?」
エリカが掴みかかって来そうになるもみほが押さえる。
「帰還しようとしたら急に後ろにアメリカのF4Fが一個小隊で出てきてね。一対五なんて笑えないよ」
ハハハ…なんて乾いた笑いをしていると若干引かれぎみになる。
「一対五って…よく生きてたわね」
「ほんとだよ…学園艦が無事だと良いんだけどね」
そう言いココアを啜る。あ~甘ぁ~
「あなた前は何処の学園艦にいたの?いきなり小隊長なんてそうそうなれないわよ?ここに入って来てすぐ副隊長になった人がいるけど」
「あはは…」
やっぱり急になんてなれないよね!?あ、みほは原作通りになったんだね~
「そうなんだ…う~ん。自分がいた学園艦の名前は鈴鹿総合学園って名前の学園艦だよ」
「「鈴鹿総合学園?何処なの?そこ」」
二人して首を傾げられた。そりゃ原作に無いし。
「一応母港は三重の白子港になってた学園艦なんだ」
「三重県にそんな学校あったかしら?」
エリカはそんな学校あったかと首を傾げる。
「あったんだよ。ただ、何故か外界と切り離されて何度陸に行こうとしても海だらけ、それに他の学園艦とも通信できない。そんな所だね」
「何よそれ…まるで…「幽霊艦みたい…ってかな?」…っ」
エリはそう言って手に持っていたマグカップを机の上に置く。
「幽霊艦ではないんだよ。あそこには、あの艦の人にはちゃんと暖かみがあったんだよ」
シーンとした静寂が訪れる。そしてそれを破るのもエリだった。
「ま、その内に鈴総の学園艦もこっち側に来るはずだし。大丈夫でしょ」
「…大丈夫よ。鈴鹿総合の人達も、ちゃんと生きて会えるわよ」
「そうだよ!逸見さんが来たのも何か理由があるはずだし!」
エリカとみほがそう言って励ましてくれた。
「…ありがとね」
エリは二人に聞こえるか聞こえないかという小さな声で感謝の言葉を送るのだった。