《ガールズ&パンツァー 》─銀の行く道は奇々怪々─ 作:如月 霊
ども、まほさんから副隊長(書類処理係)を押し付け(拝命させ)られた逸見エリです。もう早いもので黒森峰にきてから一年が経とうとしています。ん?それだと中三の真ん中ぐらいじゃないのかって?
「そうですがなにか?」
「エリ、何言ってるの?」
え、エリカ!?居たのか!?てか、声漏れてたの!?
「な、なんでもないよ。エリカ」
「そ、私今日は用事あるから先に帰るわね」
「は、はぁーい。お疲れ様~」
え?今何してるか?夏の全国中等部戦車道大会が終わってからの休日明けの訓練終わりだよ?早くないか?んなこといわれても…公式戦男子参加出来なかったし…
─あ!でもな?高等部からは特例で公式戦にも出れる事になるらしいんだ。なんか前例があるたらどうたらで。
「…けど、案外高等部行ったら鈴鹿総合来そうだなぁ~(フラグ)ま、そのうち来るか」
「エリ副隊長~倉庫の鍵閉めますよ~?」
今日の倉庫の鍵当番の子がそう言って扉から顔を覗かせて来た。
「えッ!あ、本当だ!」
時計を確認すると午後5時半を回ろうとしていた。
「ご、ごめんー!!」
身近にあったコートと帽子を掴み倉庫から飛び出す。
「もう、ちゃんと時間は気にしてくださいよ?エリ副隊長」
「いやぁ、ちょっと考え事をさ」
そう言って誤魔化した。
「もう…よし!それじゃ、私は鍵返して来ますね!それでは!」
倉庫の電気を消し、扉を閉めて鍵をかけると当番の子がポケットに鍵を入れて職員室に走っていった。その姿を見送りエリはコートを羽織り、帽子を被ると自身の部屋へと向かった。
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~旧部室棟
「はぁ~今日も疲れたー…」
エリはそう言って部屋に入るなりベットにダイブする。
「…明後日練習試合か…」
天井を見上げつつそう呟いた。明後日の週末、エリ達黒森峰中等部は紅白戦の練習試合が待っていたのだ。相手がみほとエリカの連合な為少々気分が下がっていた。
「未来の軍神に狂犬て…はぁ…」
以前にも紅白戦はしたことがある。みほとも、エリカとも組んだがほとんどはまほと組む事が多かった。だからこの二人相手にする事が憂鬱に感じていたのだ。
「…やっぱ。やるしかないよな…」
そう言ってベットから体を起こしたエリは机の上に飾ってあるⅣ号が写った写真を手に取った。
「まだ来てくれないな…そのうち、こっちから行っちゃうかもな」
写真の中の戦車隊隊員達の顔を眺めつつそう呟く。この黒森峰があの海域に行く可能性は低いが無いわけでは無いだろうし、再び会えるだろうと思い込ませ、エリはココアを飲もうとキッチンへ歩いて行くのだった。