《ガールズ&パンツァー 》─銀の行く道は奇々怪々─ 作:如月 霊
やぁやぁ、逸見エリだよ。あの軍神(予定)と忠犬(予定)なんとか勝ったのも早いもんで数ヶ月前だ。今はというと中等部生活最後の学園祭の日でありんす。
「エリ~!!」
「エリさーん!!何処ですかー!」
やべッ!エリは急に名前を呼ばれたのを聞きすぐに側にあった草むらに飛び込む。
「エリさんいないね…」
「…ったく。本当に何処に居るのかしら?」
草むらに突っ伏して軽く頭を出して様子をうかがうとそこには腕を組んだエリカと困った顔のみほがいた。
「いくら女の子の格好が嫌だって逃げることないじゃない」
「それは仕方ないんじゃないかなぁ…」
そうである、学園祭の出店で女装させられかけたんですよ。別に女装が嫌とかじゃないんですよ?ただ…あんな目をギラつかせて迫られたら流石に怖かったんですよ。
「しょうがないわね。私はこっちを、みほはそっちを探してくれる?」
「わかりました。こっち、ですね」
「そうよ。じゃ、探しに行くわよ!」スタスタスタスタ!!
みほ達が居なくなったのを確認してからエリは草むらから抜け出す。
「ふぅ…やっと行ったか。エリカ、みほ。自分の出番になったら行くから今は堪忍してよ」ガサゴソ!
「さぁ~てとっ!俺も楽しもうかなぁ~」
そう言ってエリは服装を直し、出店街に歩いていくのだった。
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「いやぁ~食べた食べた」
あの後シュピースブラーテンとラクレット、たこ焼きやらを食べたエリは屋台街から少し離れた旧部室棟近くのベンチに腰かけていると急に声をかけられた。
「すみませーん」
「ん?どうし…た…の?」
エリは声をかけてきた人物を見て声が詰まった。原作でよく見た大洗ウサギさんチームの澤梓が立っていたのだ。
「髪飾りを取られて兎を追いかけてたら道に迷っちゃいまして…ここ何処なんですかね?」アハハ…
「そ、そう。ここは黒森峰機甲科、戦車道の旧部室棟だよ?今は自分の家だけどね」
なんか理由が…とか思いつつも現在地を教えた。
「自分の…家?」
梓はエリの言い回しに引っ掛かったらしい。
「そ、家を無くしちゃった自分に貸してもらってるんだ~」
「家を…ですか?」
梓がそう聞き返してきた。
「うん。よくある奴だよ。目が覚めたら別の世界に来てました~ってね?」
「またまた~」
梓は冗談だと感じたらしい。
「いんや、これがまた現実でさ~色々あってここに住んでるんだ。正に事実は小説より奇なり…ってかな」
「ま、信じられんでも良いさ。─さて、黒森峰の学校まで送るよ。──そういえば君、名前は?ここで会ったのも何かの縁だ」
エリは立ち上がり梓に案内するといい名前を聞いた。
「さ、澤梓です。あなたは…」
「ん?自分か?自分は逸見、逸見エリ。今は黒森峰中等部機甲科の三年生だよ」
名乗り返してからエリは梓をつれて校舎の方へと歩いて案内していくのだった。
追記、エリはエリカ達にこの後きっちり捕まってしまいましたとさ☆