《ガールズ&パンツァー 》─銀の行く道は奇々怪々─ 作:如月 霊
エリがテルマエってから10日、鈴鹿総合は未だ何処にも連絡がつかないという事以外は平和であった。
「今日は執務の後に戦車隊の訓練に行かなきゃな…」
執務机で書類処理をしつつそう呟いた。エリの執務机には一つ20cm程に積まれたA-4サイズの書類の山が13個積まれており、開始2時間で残りは後10cm程に迫っていた。
「理事長、やっぱり書類処理の能力上がってません?」
皐月はエリの書類処理能力に対してそう言った。
「黒森峰でも膨大な書類仕事させられてたからな…2年も。流石に慣れたし、これくらいならまだな」
「どんだけの量だったんですか…」
(うちも大概多い筈なんですけど…)
書類量は鈴鹿総合の方が多い。だが、黒森峰はうち以上に練習が長かったし学業もあった、それにまほの第2副官やみほの第2副官なんかをやっていたのだ。各場所から回ってくる書類を隊長が処理しなければいけない書類とそうでない書類の選別、そうでない書類の処理等を短時間にする技術が上がったのだ。
「うちみたいに選別班がいないとキツイな、あれ」
「確かにうちの書類選別班がいると楽ですよね」
うちの書類処理は先ず各科長に書類が回り、そこから生徒会、理事長と回ってくるのだ。まぁ、生徒会と理事長と戦車隊隊長と航空科隊長やってりゃ結局は数が減らないんだよねぇ。まぁ、戦車隊と航空科隊長の書類を生徒会(自分)に出して理事長(自分)に出すってしてればなぁ…
「まぁ、そのうち2代目生徒会が組織されたからいくらかはマシになるんだけどね」
「3日前にやっと生徒会役員が決まりましたからね」
「ああ、本当だ。けど、それで減ったのが一山程度だからな。いや、一山はけっこうか…」
なんか感覚が麻痺して来てる気がする…
「理事長は元々こっちに来たときから書類処理早かったですけどね」
皐月は自身の書類の束を見ながらそう言った。そーいや、最初は書類処理は皐月ぐらいだったなぁー
皐月の机には束が2つと6センチ程の書類があった。
「皐月も早いもんだったしな──よし!今日の執務おしま~い!」バシーン!
ラスト一枚を書き終わり、エリは三山目の上に最後の書類を軽く叩きつけた。
「は、早くないですか!?」
「じゃ、俺戦車隊の所行ってくるわ~」
エリは書類が残っている皐月にそう言うと壁に掛けてあったコートを手に取り、扉を開ける。そこでそういえば…と言い皐月の方を振り向いた。
「戦車隊の奴らもう部室棟にいるかな?」
「集まってますよ!あ、私も今日は訓練行きますからね!!私抜きで訓練はしないで下さいよ?」
皐月はそう言ってエリに抗議する。
「ん、わかってるよ。なるべく早く来てよ~」
「す、すぐ行きますよ!」
それからエリは足早に部屋を立ち去るのだった。