《ガールズ&パンツァー 》─銀の行く道は奇々怪々─ 作:如月 霊
<黒森峰>
エリカside
試合当日、試合開始10分前程に鈴鹿総合の戦車達が黒森峰に搬入されて今、グラウンドに整列して並んでいる。
「ティーガーⅡにティーガーI、ポルシェティーガーにパンターって黒森峰とほぼ同等じゃない」
ティーガーⅠ2輌、ティーガーⅡ2輌、パンターG型2輌、ポルシェティーガー2輌、Ⅳ号突撃砲1輌が今目の前に整列している車輌達だ。
「後1輌いないわね…」
そう呟くと小梅が聞いた事を話してくれた。
「後1輌は少し遅れているそうで…あ!来ましたよ。エリカさん」
小梅が来たと言った方向を見る。Ⅳ号だ。…エリ…
そしてそのⅣ号もまた鈴鹿総合の整列している戦車の中に混ざり、停車した。そして少ししてからⅣ号の中から塔乗員が降りてきた。最後に砲塔のキューポラから降り立った人の顔を見てエリカは目を見開いた。横の小梅や他の隊員達も同じように目を見開いている。
───あの、私に似た髪は────────
「エリッ!!」
エリカsideout
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「エリッ!!」
黒森峰に到着してグラウンドに降り立つとエリカが俺の名前を叫び、飛び込んできた。
「エ、エリカ!?」
「…急に、私の前からいなくなるんじゃ無いわよ!このバカ!!」
可愛いなぁ…ゲフンゲフン!
「あ、ああ。…エリカ?ここさー」
「え?あっ!…アハハ…」
冷静になり、顔を赤くしたエリカは苦笑いをしつつ自分のチームメイトの方に戻っていった。
「逸見エリカ、ねぇ~えらい似てたね。エリ」
横に立つ美乃が言ってくる。
「そーだな。うし、行くぞ」
「はーい」
美乃に軽く返し、黒森峰側との試合前の挨拶に向かう。
「皆、お久しぶりで。不肖エリ、生きて帰って参りました」
そう言って軽く会釈する。
「じゃあ“姉さん”、今日は頼みます」
「ああ、私もエリのチームと戦えて嬉しいぞ」
「姉さん…?」
まほの横に立つエリカが頭に疑問符を浮かべる。
「?何かおかしいか?」
まほはキョトンとした表情で聞き返す。
「い、いや、今エリが西住隊長の事を姉さんって…前まで言ってましたっけ?」
「?私がこの前エリの姉になったからだが…それに呼び方は最近になってからだ」
まほが可笑しいことがあったか?とかしげつつ爆弾を投下した。そして、その瞬間エリカの威圧感がフッと出て来た。
「エ、エリカ!?」
「エリが…西住隊長の弟に…?やっと帰ってきたと思ったら私より先に…?」ゴゴゴゴ!!
最後が聞き取れはしなかったが、後ろですごいゴゴゴゴ!!ってなってるんだが!?
「ね、ね、姉さん!!試合始めましょう!!早く!」
「ん?ああ、わかった。では、審判員さん。お願いします」
そう言ってまほは審判員に進行を任せる。
「分かりました。では、双方、礼!」
「「「「「「「よろしくお願いします!!」」」」」」」
「では、双方戦車に搭乗してください」
そう指示が出され、エリは未だにゴゴゴゴ!!となっているエリカから逃げるように素早く自分の戦車に向けて走って行った。