《ガールズ&パンツァー 》─銀の行く道は奇々怪々─ 作:如月 霊
『た、隊長!!こちら響!!敵Ⅲ号戦車とティーガーIに襲撃されて撃破されました!!』
急に入った通信に戸惑った。いや、ここにいない車輌なら襲撃に行っても不思議ではないのだ。
「さ、皐月は!!」
『秘書官ならなんとかⅢ号を撃破しつつ離脱していきました!』
そうか…これでⅢ号はいなくなったけどティーガーⅠ2輌にティーガーⅡ1輌、パンターが1輌も敵にはいる。こちらはというとエリのⅣ号にティーガーI、ティーガーⅡにⅣ突が各1輌ずつだ。
「───指示する敵車は4輌、すべて重戦車だ。俺が囮になってポイント───まで行くから雪、砲撃を…」
『す、すみません、こちらⅣ突ですけど撃破されちゃいました!』
雪を作戦に組み込もうとした矢先にこれである。
「何!?」
『た、ただ敵パンターは仕留めました!』
ヨシッ!!パンターはやった!でも三輌で作戦遂行は無理…か。
「…くそっ!こちらエリだ!現時点を持って203高を破棄、緊急作戦概要Z-28発動!」
203高がもはや無理だと察するとエリは作戦破棄を通達し、緊急作戦概要、Z-28を発動させる。緊急作戦概要、それは各車長に渡される作戦書類である。そのZシリーズの28番目の作戦で【各車、車長指揮を最重要とし、敵を撃滅せんとス】これが内容だ。それを聞いた仁が驚き、叫んだ。
『Z-28!?』
意味は至って簡単、<独断専行許可権>これだけである。
『…わかりました~』
『分かりましたよ!』
残っている皐月とあぎりが返事をしてくる。それを聞いてすぐにエリは針路そのままを指示して敵に突撃を続行する。その間、エリの車輌もまほの車輌も砲撃が止まなずエリのⅣ号は段々と被弾が増え、右側面と砲塔左側のシュルツェンが吹き飛んでいる。
「んなッ!?」
そして、まほ達と距離がわずか300mに迫ったとき、突如としてまほのティーガーIがエンジンから煙を吹き上げた。何処からか着弾したようだ。隣のエリカからは驚きの表情が見てとれた。
『やりましたよ~…ウッ!?…やられちゃいましたぁ~』
『この!!す、すみません理事!私もやられちゃいました!ただティーガーIは仕留めましたから!』
無線機からはあぎりの誇らしげの声がするも、無線機から突如轟音が響き、あぎりがもうしなさげにやられちゃいましたぁ~と報告を上げ、皐月もあぎりのすぐ後にティーガーIをやったが撃破されたと報告してきた。
「ナイスだ!!美乃!!」
「合点でぇ!!」
そう言って美乃はアクセルを踏み込み、Ⅳ号をスピードに乗せ突撃する。そして、後10mと迫った所でエリカのティーガーⅡから砲撃があった。
「回避!!グッ…」
「はいニャ!!」
車輌を急に橫にずらして回避を図る、しかし、距離が近かった事から残っていた左側のシュルツェンを弾き飛ばされる。
「左側から回り込んで側面に!」
「美乃!!」
「任せんしゃい!!」
「各員!対ショック!!」
Ⅳ号が回避行動を活かしつティーガーⅡの側面に向かい、Ⅳ号は勢いそのままにティーガーⅡに追突した。
「グッ…唯!!」
「はい!!」
敵の主砲がすぐにこっちに狙いを着けてくる。それに対してエリも砲塔内の唯に砲撃を指示して引き金を引かせる。
「「撃てッ!!」」
次の瞬間、二輌の砲身がほぼ同時に光り砲弾を撃ち出した。二輌は爆煙に巻かれ、見えなくなる。が、煙が晴れると…
シュポッ!
シュポッ!
二輌に遅れて白旗の上がる音がしてからすぐに審判員から無線が入ってくる。
『鈴鹿総合学園!全車行動不能!よって、黒森峰女学園の勝利!!』