《ガールズ&パンツァー 》─銀の行く道は奇々怪々─ 作:如月 霊
「お~い、エリ~蜜柑ちゃんが来たぞ~」
蜜柑が作業服で執務室に入ってくる。
「…ん?どうしたの?蜜柑」
「どうしたって自分で呼んでたじゃん?」
…ポク、ポク、ポク─チーン!
ああ!Ⅳ号達の整備頼んでたんだった。…すっかり忘れてた…
「…すまん、忘れてた」
「ったく…まぁ、いいか。で、整備は終わったんだけどさ?改めて規定見てたらまだまだ改修出来る所が分かったんだ」
…あの改修具合でまだ改修の余地有りと?どんだけ甘いの?
「そんなに?うちのⅣ号とかポルシェティーガーとかゲーム時点で改修値天井までいってたんだけど?」
そうである。元々のゲームではエンジンや装甲、変速機を搭載、改修ができたのだ。鈴鹿総合学園の戦車は大部分が改修値を天井まで強化してあるものばかりだった。
「ああ、規定見てたらたまげたよ。エンジンや変速機の複製搭載可能だったんだよ」
「複製搭載?」
「つ・ま・り!改修改修して有る意味ボロボロのエンジンを改修してないけどうちの軍需工場で複製したカタログスペック以上を軽く叩き出すエンジンに変えられるのだ!!」
「な、なんだって!?」
いや、それやったら強いわ。てかそんなんできんのか…って出来るんだったな。
「んな訳で全部の戦車変えてもいい?」
蜜柑が軽く上目遣いで聞いてくる。うぅむ…
「…順次な」
「((‘д’o≡o’д’))イヤッフー!!改修♪改修♪」
蜜柑が小躍りしている。
「…皐月」
「予算の都合、つけときますね」
はぁ…いくらかかるのやら…
「鋼材とかの資材は工廠にあるわよ?大量に」
「…あ、あるの?」
「あるわよ?『転移させるから資材大量搬入しとくねぇ~☆神様より』って手紙と一緒に」
神様ェ…
「…まぁ、一応予算は出しとこう。5000あれば足りるか?」
「う~ん。5000かぁ…6000は?」
予算を最初5000と言ったが、蜜柑が6000はいるという。
「何に使うんよ…」
「ポルシェティーガーのモーター買いたくてさ」
「…わかった、 6000な」
ポルシェティーガーのモーターなら仕方ないか。
「で、順次してくのはいいとしてⅣ号は弄りすぎてて改修に時間かかるから試合とかするなら別の車輌使ってね?」
「えぇ…仕方ないか。代車なぁ…どうすっか」
「ポルシェティーガーにする?ティーガーⅡにする?」
代車の案を出してくる。
「ポルシェティーガーかなぁ…」
「ポルシェティーガーにするの?黒森峰じゃティーガーⅡだったんでしょ?」
蜜柑がそう質問してきた。
「いや、まぁそうなんだけどさ。Ⅳ号乗ってるのって速いしみぽりんの戦車だしってので…つまりはティーガーⅡは遅いからやだ」
「簡潔ゥ~」
「ま、まぁ、じゃあポルシェティーガーで調整しとくわね」
持ってきていたバインダーに挟まれた紙にメモを取る。
「ん、じゃ確かに。私は工廠に行って来るわ~」
「ああ、頼むわ」
「お願いしますね、岡嶋主任」
蜜柑はそう言って執務室を後にしていった。そしてそのすぐ後に執務室に電話が入った。
「はい…はい、はい…わかりました。理事にはそのように伝えます。はい」
執務机に備え付けられた電話の受話器をガタンと置く。
「なんかあったのか?」
「いえ、食料泥棒?を捕まえたと報告がありました」
「食料泥棒ねぇ…どんなやつなの?」
どこから忍び込んだのやら…そう言いつつ皐月に犯人がどのような奴なのかを聞いた。
「カンテレ持ってて水色と白の縞々帽子をかぶった女子らしいです」
「……」
「継続のミカじゃん!!?」