《ガールズ&パンツァー 》─銀の行く道は奇々怪々─ 作:如月 霊
執務室へ行くと優花里がソファーに座らされており、その横に元香が座っていた。
「さて…何のご用でうちに来たのかな?大洗の秋山さんや」
エリは優花里の向かい側に座り、優花里に話しかけた。
「…す、すみません!その、スパイに…」
「スパイだって!?あんなものがスパイのうちに入るかっ!!」
元香が優花里に向けて怒鳴り付ける。
「ヒッ!す、すみません!」
「元香、ステイステイ」
優花里はあまりの気迫に戸惑う。
「大事なお客様だよ?」
「ですが…」
元香は何か言いたげに言いどよむ。
「元香が機関長なのは分かっているけどこの子は他校生だからさ」
「─はい、わかりました」
エリに言われ、なんとか気持ちを落ち着かせる。そして、今度は優花里に話しかける。
「うちに来るなら1本連絡して欲しかったねぇ。作戦以外なら案内したものを」
「…え?よ、良かったのでありますか!?」
優花里はエリの態度の変化に呆気にとられ固まった。
「何か質問でもある?」
「…で、では!理事長殿は…その…黒森峰の逸見エリ殿なでありますか?」
質問はあるか?と問うとやはりといった所を聞いてきた。
「そうだよ?まぁ、“こっち”に来てから黒森峰は辞したけどね」
「“こっち”?い、逸見エリ殿は異世界人だったのですか!?」
“こっち”と言ったのに引っ掛かりを覚えた優花里は声を張り上げて驚く。
「そ、この学園艦の理事だからねぇ~あ、私のことはエリで良いぞ?エリカと混ざるだろうから」
「ではエリ殿!私も優花里で構いません!それで…そ、その顔の痣は…」
顔の痣?痣なんて…ああ!
「コレ?これは…あれだよ。今日変な体勢で寝たからついた後だよ」
「えぇ…そうはならんでしょう」
「なっとる。やろがい」
優花里が聞いてきた痣、それは昨日エリがよだれ鶏を作った時に酔っぱらって変な体勢で寝たからついた後だ。
「そうだ…みほは元気にしてる?」
「西住殿ですか?」
「最近は明るくなられてますね」
みほの様子を聞くが明るくなってるならな。
「そうか…ああ、元気なら構わないんだけどさ」
「そうでありますか…で、では最後にお願いが…」
お願い?何だろか?
「なにを?」
「ツーショット写真をお願いしたいであります!!」
優花里は声を張り上げて言ってきた。
「写真?別に構わないけど…」
「本当でありますか!」
「元香。写真、頼める?」
なんだ、写真かと思い元香に写真を頼み、優花里から携帯を預かり渡す。
「分かりました」
「じゃ、撮るか。こっち側に座りなよ」
「は、はい!」
写真を撮るかと優花里を自身が座っているソファー側に呼ぶ。
「あ、で、できれば親しそうに撮っても宜しいでしょうか?」
「ん?ああ。──これで良い?」
優花里にそう頼まれ、傍に寄り、肩に手を置く。するとそれに驚いた優花里が変な声を出す。
「ひ、ひゃい!」
「元香~頼むわ~」
「では、撮りますよ~3、2、1!」
ピシャッ!!
「これで良いですか?」
そう言って元香は顔を若干紅くした優花里に携帯の画面を見せる。
「ひゃ、ひゃい!ありがとうございます!」
「優花里さん。これからどうするの~?まだ見てく?」
「自分は帰りの船の時間がありますのでそろそろ失礼します!」
…コンビニ船で忍び込んでるのか
「そうか…ああ、元香!カメラを」
「ビデオカメラになります」
どこからか優花里のビデオカメラを取り出す。
「あ、ありがとうございます」
「また来なよ。歓迎するからさ」
「はい!またお邪魔させていただきます!」
それからエリは優花里の送りに元香を着けさせる。
「元香、優花里さんの見送り頼むわ」
「い、良いのでありますか?」
優花里が聞き返してくる。
「この学園艦で迷子になられたら構わないからな」
「助かります。エリ殿!…エリ殿の連絡先を頂いても構わないでしょうか?」
帰り際になり扉の傍まで行ったところで連絡先を聞いてきた。
「連絡先?ちょっと携帯貸してくれる?」
「あ、はい」
優花里の携帯を借り1、2分で自身の連絡先を登録し、返す。
「私の連絡先登録しといたからまたなんかあったら連絡頂戴よ」
「あ、ありがとうございます!」
「理事、では送って来ます」
携帯を受け取ったのを確認した元香は優花里を連れて執務室を後にするのだった。