《ガールズ&パンツァー 》─銀の行く道は奇々怪々─ 作:如月 霊
あれからしばらく見ていると画面の向こうの鈴鹿総合学園生徒がなにやら慌ただしく動き出した。優花里は生徒の中の一人に何を慌て出しているのかと聞いた。
『皆さん何でそんなに慌てられているのでありますか?』
『何でって…戦車隊の会議よ!今日は理事の機嫌が悪いらしいから少しでも遅れたら雷が落ちるわよ!』
その生徒は一瞬呆れ顔になり説明口調で教えてくれた。
『その襟章なら機甲科の一般隊員でしょ!』
『エッ!?あ、はい!!』
鈴鹿総合に示された襟章は緋色の襟章であり鈴鹿総合学園機甲科のカラーなのである。鈴鹿総合学園は各学科ごとにカラーが決まっているのだ。
「優花里さん…」
「秋山ちゃん…」
「アハハ…何分にもコスプレ品ですから…」
そうしているうちにその生徒に手を引かれ、優花里は体育館のような建物の中に入りその生徒の横のパイプ椅子に座った。
『…隊長が来たわよ』
その生徒にそう言われ、壇上が写し出される。
『オラぁ、全員いるかぁー』
「嘘…」
画面に写し出された人物を見た瞬間、みほはそう呟いた。その人物は優花里も着ている制服に軍用かと思われるコートを羽織り、死んだ目をしつつ顔半分に大きく赤い痣をつけた銀色の髪をもつ────
「─エリ…さん?」
『隊長…何かしたんです?』
前の方の幹部席から質問が飛ぶ。
『─ァア?私は何もしてないぞ。ただ、頭が痛いだけだ』
「嘘…嘘、嘘だ!エリさんは…エリさんは…」
「みぽりん落ち着いて!」
沙織や華、麻子や優花里がみほの体調を案ずる。
『…大洗戦で出す車輌を決めるぞ』
「あれが…みほさんの戦車道を辞めた原因の方ですか?」
『さすがにティーガーⅡは過剰じゃないか?相手はⅣ号Dと三突、八九式にM3と38tだぞ?』
しばらくした間に話が進み、優花里が挙手をして質問をした。
『Ⅳ号戦車はいれないのでありますか!』
『いや、Ⅳ号は改修中…って!お前!うちの生徒じゃないなッ!!』
その質問に答えかけ、優花里の方を向いた瞬間エリが驚き、そう言って来た。
(バレた!?)
『やばッ…!』
『元香!!』
『わっかりました!』
優花里はバレた!とばかりに画面を揺らしつつ体育館の端に備えられた扉から逃走を図ろうとするがエリがある生徒の名前を呼んだ瞬間、押さえられたのかすぐに画面が暗くなった。
『アグッ…』
『確保!』
それから─コツコツコツ─と音が響き、やっと画面が明るくなったと思うと目の前にはエリが現れた。
『スパイでもしに来たのかなぁ?大洗女子学園の秋山優花里さんや?』
『あ、え、その…』
いきなり自分の名前までバレた優花里はキョドってしまっている。そして、優花里を押さえている生徒が写ったが、その生徒はさっき優花里を案内してくれた生徒だった。
「優花里さんが来るのが分かったのでしょうか…?」
『理事、こいつどうしましょうか』
『執務室に丁重にお連れしろ───連れて行け!』
エリがそう言うと元香と呼ばれた生徒が手錠を出して優花里の手に手錠をかける。
『わかりました』つ手錠
『えっ!?ちょ、まっ!!』ガチャ
それから優花里が肩に担がれて体育館を出ていったところで映像が終わった。
「─と、まぁ、捕まりましたがなんとか帰って参りました」
「よ、良く帰って来れたね。優花里さん…」
「拷問とか…されたの?」
「大丈夫でしたか?」
「…大丈夫だったのか?」
映像が終わるとあんこうチームの面々に総じて心配された。
「大丈夫でした!普通に連絡入れてから来てくれとは言われましたが…」
「連絡入れれば行って良いの…?」
なんか困惑している?
「後、顔のあれは寝る体勢が悪くって変な後がついただけらしいですよ?」
「何したの。エリさん…」
みほは額に手を当て、呆れ声になるのだった。
普通科:藍鼠色
商業科:蜜柑色
機械科:暗緑色
電気・電子科:黄色
建築工学科:鳶色
船舶科:紺色
整備科:薄紫色
農業科:萌黄色
水産科:藍色
福祉科:海老茶色
情報科:白色
機甲科:緋色
航空科:淡紺青色