《ガールズ&パンツァー 》─銀の行く道は奇々怪々─ 作:如月 霊
墜落してから5日が経ち試験まで後2日に迫ってきた。その間に零戦の有償による提供、西住流家元とのオンラインでの顔合わせ、黒森峰への編入手続き、試験の前の自身の戦車乗組員との顔合わせなんかがあった。
「Ⅳ号での射撃試験ねぇ~」
試合の形式はⅣ号での長距離砲撃、それに中等部戦車隊で臨時の指揮をとり、高等部戦車隊とフラッグ戦で対決するといった内容だ。
「こっちの部隊はⅣ号D型1輌Ⅲ号3輌で相手も同数で戦場はだだっ広いグラウンドかー…まぁ、いけるかな。相手に原作組の戦車はいないし」
そうだ、相手に原作組がいない。こんなぽっと出の奴には二軍程度でいいらしい。(相手は高等部の二軍である)
「ま、やるしかないかー」
そう言って作戦を組み上げる作業に戻っていった。
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◇射撃試験◆
さぁーて、始まりました。今回は射撃試験。始まります!…じゃ、試験概要を説明しよう!(試験官の受け売りだがな!)Ⅳ号で2キロ、3.5キロ、4キロの的に練習一回、本番3回で当てると言ったものだ。
エンジンの振動が足元から伝わってくる。その中で潜望鏡を覗き込み、1キロ先の的にまずは合わせる。
「…発射」
ズン、発射の振動が伝わってくる。そして、射撃の結果はというと…
「命中確認!」
ど真ん中に命中していた。それから3.5キロ、4キロの的に練習し、本番に挑む。
「装填…発射」
命中
「仰角上げ…装填、発射」
命中
「仰角上げ…装填、発射」
命中
計3発の砲弾が試験の全ての的に命中が確認された。
「砲撃終了」
そうして第一の試験、長距離砲撃が終了した。
◇戦闘試験◆
試験といえど戦車道。試合の前には相手方の隊員と開始の挨拶を行う。
「一同、礼!」
「「「「「「よろしくお願いします!」」」」」」
それから各戦車に乗り込みエンジンを起動する。あぁ~いい、エンジンの振動が伝わってくる…!
『逸見小隊長代理~こちら二号車。今回はどんな戦術を使うんです?』
臨時小隊の二号車車長の三河利香が通信をいれて確認してきた。
「こちら逸見、敵に対しては以前渡した作戦概要A-1を使用します」
『A-1っていうと…Ⅳ号ってフラッグですよね?』
利香はそう質問してきた。A-1は味方の2輌を一ヶ所に集めて徐々に敵を引っ張り出しつつ森に後退、2輌の三号を森の中に待機させて敵フラッグを包囲し叩く。Ⅳ号というフラッグは囮になる作戦だ。
「問題ないよ。大将が動かないとね、陽動にはならない」
そう言って今度は自身の戦車の指揮を取る。
「そー言う事だから。長岡さん、手筈通りに」
「了解です!」
Ⅳ号操縦手の長岡茜が合点!と戦車を動かし、予定ポイントへ向かう。エリはそれを満足そうに見るとキューポラを開け、身を乗り出し周りを行進する戦車を見回して一言呟いた。
「さぁ~て、行きますかね」