《ガールズ&パンツァー 》─銀の行く道は奇々怪々─ 作:如月 霊
『逃げられましたか…』
対岸のパンターから無線が入る。美樹のパンターだ。
「美樹、ナイス」
『Ⅳ号、どうするんで?』
その直ぐ後、美樹の後ろから仁のパンターが現れた。
「…やっぱ、こっちでなんとかするしかないよなぁ~寸断されてるし…」
手に持った地図に視線を落とし、しばらく思案するも良策が浮かばない。
『デスヨネー…』
「まぁ、仕方ないからこっちでⅣ号追うから仁と美樹はポイント──で待機、三咲は…三突でも潰しておいて」
美樹と仁にはポイント待機、三咲には三突の撃破を指示する。
『『『りょーかい!!(わかったよー!)(分かりました!!)』』』
「美乃、Ⅳ号追跡行くよ~」
その指示を伝えてから自身の戦車に指示を出す。
「りょーかい~」
そう言い戦車はⅣ号が消えた森へと入っていった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
しばらくして~
「なっかなか当たらないなぁ~」
みほのⅣ号との鬼ごっことなっていた。だが、着実にポルシェティーガーはⅣ号との距離をつめている。
「ちゃんとっ!…狙ってるんですけどねっ!」
照準器を覗き込みつつ唯が言うが、今度の玉もⅣ号には当たらず側にあった木に命中する。
「今のを避けるのかよ…唯!Ⅳ号の進路にある木を狙って!」
「木倒してとーせんぼって?んじゃあ…てェー!!」
ポルシェティーガーの砲身がひかり、砲弾がⅣ号の進路先にあった木を撃ち抜いた。
「うしっ!!」
「よー当てるよなぁ…」
こいつ…ほんと精度スゴすぎん?
「訓練、訓練、訓練で出来た!!」
「えぇ…」
それができたら苦労せんて…拳を突き上げる唯に困惑するエリ達ポルシェティーガー乗員であった。
「おっ?唯~次弾二発!敵車は停止すると考え、偏差をとって発砲よーい」
倒れた木を避けようとⅣ号が右に旋回しだしたのを見逃さず、エリは唯に指示を出す。
「分かってますよ!──紗智!!」ハッシャァ!!
「はい、よっ!!」
ガシャコン!
唯が初弾を撃ち、紗智が直ぐに排莢して次弾を込め、唯が再び撃つ。
「…Ⅳ号やっぱ止まった!!次弾直撃コースだ!」
キューポラから身を乗り出し、目を凝らしてⅣ号を睨みそう叫ぶ。
「戦車が急に動くかっての!!」
そう言うと先のエリの発言の通り、Ⅳ号が初弾に対して急停車し、次弾がⅣ号の後部側面に命中し光った。
「──Ⅳ号撃破確認!!」
エリは目視から双眼鏡に変え、Ⅳ号を見る。砲弾が命中してから少し間が開き、“シュポッ”という音を上げ、Ⅳ号戦車から撃破を表す白旗が上がった。
『大洗女子学園、Ⅳ号戦車行動不能!よって、鈴鹿総合学園の勝利!!』
無線から審判の声が聞こえてきたのは、それから少し後の事であった。