《ガールズ&パンツァー 》─銀の行く道は奇々怪々─   作:如月 霊

69 / 73
駄文です


第六十七話 銀、撃破される

『マチルダ、チャーチル!三笠公園内に向けて行ってます!』

 

先行した三咲車から通信が入った。

 

「こちら隊長車。了解」

 

そう短く返しエリは自分の戦車の指揮をとりだす。

 

「美乃、三笠公園に向かってくれ」

 

「りょーかい!」

 

指示を受けた美乃がⅣ号を三笠公園に向けて走り出していった。

 

 

□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□

 

 

「…!チャーチルだ!」

 

三笠公園へ向け走っていると前方をチャーチルが横切った。

 

「美乃!」

 

「わっかってるわ!」

 

Ⅳ号もスピードを上げチャーチルを追う―――が、しかし――

 

「グッ!…な、なんだ⁉」

 

チャーチルに続いて角を曲がろうとした瞬間、エリが乗るⅣ号が揺れた。衝撃がきた後方を見るとⅣ号は後部装甲に被弾し白旗を上げていた。その先には砲身から硝煙を上げるボロボロのクルセイダー。

 

「…まさか!」

 

エリはクルセイダー隊が来た時の事を思い出した。全部が全部フラッグ確認してない!

 

「クソォ…こちら隊長車!クルセイダー隊残存に撃破された!以後指揮はあぎりに譲渡!任せる!」

 

『大丈夫ですか〜?』

 

あぎりから無線が入る。

 

「なんとかな。チャーチルはポイント――で見たから後はよろしく」

 

「分かりました〜」

 

あぎりはそう言って無線を切った。

 

「やられちゃったねぇ〜」

 

「そうだなぁ…」

 

美乃が首の後ろで手を組みつつ言ってきた。

 

「やられちゃったじゃないですよぉ…」 

 

「撃破しそこねた奴に…ギリッ」

 

「勝てますかね…」 

 

上から佐智、唯、結香だ。

 

「勝てると思うがなぁ…あぎりとポルシェティーガー隊は残ってるんだしさ」

 

「そうですかねぇ…」

 

結香がそう言いたいのもわかるが…あぎりが部隊率いたら聖グロの数輌くらい大丈夫だろう。ポルシェティーガーが速さで潰す筈だ。

 

「まぁ、そのうち知らせが来るよ。気長に待とう」

 

 

 

□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□

 

 

 

「…そろそろかな?」

 

『――聖グロリアーナ女学院、フラッグ車戦闘不能!!よって、鈴鹿総合学園の勝利!!』

 

エリが撃破されてから十分後、リラックス仕切った車内に無線機から勝利の知らせが入って来た。

 

「流石あぎりだ。ちゃんとやってくれたな」

 

エリはそう言ってキューポラを開け、外に出る、

 

「なんとか勝てた、か…」

 

装甲板に腰掛けて撃ち抜かれ、黒く焦げた後部装甲板を見てそう言った。

 

「ま、油断大敵ってやつだね、エリ〜w」

 

「うっさいよ!美乃!」

 

操縦手の上のハッチから顔を覗かせた美乃が茶化してくるが、それに言い返す。

 

「わっかったわ〜」

 

「ったく…」

 

そう言う美乃にエリは深くため息をつくのだった。

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。