《ガールズ&パンツァー 》─銀の行く道は奇々怪々─   作:如月 霊

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駄文なり


第七話 銀、編入試験を受ける その弐

試合開始から早30分──現在の戦況は敵車Ⅲ号戦車1輌撃破、こちらは損害はⅢ号戦車2輌の撃破されている。まぁ、今絶賛Ⅲ号戦車に追われてるんだよね☆

 

『こちら三号車水上!敵フラッグ確認!ポイント──から───まで移動中!』

 

三号車の水上和美から通信が入る。敵フラッグを確認したようだった。すかさず小さな、それでいてはっきりと分かる地図を出し、自身の位置と敵の位置を確認する。

 

「こちら逸見。敵Ⅲ号車は一輌は確認してるが…敵フラッグの護衛はいるか?」

 

敵フラッグの護衛の有無を確認する。

 

『敵フラッグ後方、5m辺りに一輌、ついて走ってます。そちらに向かっていると思います』

 

…居たか!

 

「こちらはポイント────にて敵の前に出て引き付ける。水上さんはポイント───にて待機、そこまで引き付けるから合図で前身して敵フラッグに近距離で砲撃を」

 

『了解!』

 

和美からの返答を確認するとエリはキューポラの中に顔を入れ、操縦手の茜に確認を取る。

 

「んじゃ、長岡さん。ポイント───に向かってくれますか?多分そこで敵フラッグと接敵するだろうからそのまま敵フラッグを引き連れてポイント───まで突っ走って!」

 

「了解!」

 

それからキューポラから身を乗り出し今度は砲手に指示を出す。

 

「後方のⅢ号をやります。主砲旋回180度!」

 

主砲が後ろを向き、追ってきているⅢ号を捉える。

 

「…撃て!!」

 

Ⅲ号戦車がこちらの射線から外れようと蛇行を始めるが、丁度真後ろに来たところで撃てと短く命令する。主砲から砲弾が発射され、Ⅲ号戦車の正面装甲に被弾し、爆煙を上げ、Ⅲ号戦車が白旗を上げ、沈黙した。

 

「次弾装填!主砲旋回、左20度。接敵と同時に発射して!」

 

車内ではガションと空薬莢が砲身から外れ、次の砲弾が叩き込まれる。

 

「接敵まであと…5、4、3…2…1!主砲、ッテェ!!」

 

草むらからエリの乗るⅣ号戦車が飛び出して直ぐにⅣ号から砲弾が吐き出され、敵Ⅳ号戦車護衛のⅢ号戦車に当たり、白旗を上げ沈黙する。

 

「長岡さん!」

 

「合点でいッ!!」

 

エリの合図に操縦桿を奥まで押し込む。敵Ⅳ号戦車は少しの混乱を見せつつも直ぐに立ち直しこちらに砲撃を仕掛けてくる。茜がⅣ号戦車に迫ってくる砲弾を見事に避け、こちらも砲弾を撃ちつつ目標ポイントに向かう。

 

 

「水上さん!」

 

ポイントにつくとエリは草むらに潜んだ和美のⅢ号戦車を素早く見つけ、叫ぶ。すると草むらから轟々としたエンジン音が鳴り響き、Ⅲ号戦車が飛び出す。そしてエリを追っていたため戸惑い砲旋回が間に合わない間にⅢ号は僅か数mまで接近し、敵Ⅳ号戦車を砲撃する。避けられる事なく砲弾が砲塔に直撃し、爆煙が上がった。

 

「急停車!!…やったか…?」

 

戦車を停止させ、硝煙で見えづらくなった敵Ⅳ号戦車とⅢ号戦車を目を細めて睨む。そして、しばらくして硝煙が晴れると敵Ⅳ号戦車の砲塔上面からシュポッと白旗が上がった。

 

「やったー!!」

 

敵は二軍と言えど黒森峰の高等部、その練度は高い。

 

『高等部吉井隊フラッグ、行動不能!よって、中等部逸見隊の勝利!』

 

それからしばらくして無線にて試験官から通信が入った。

 

 

──────────────────

 

 

 

──────────

 

 

 

──────

 

 

◆試合後◆

 

試合が終わり、戦車を倉庫に戻し終わると西住まほから呼び出しがかかった。

 

「ふぅ…」トントン

 

中等部の隊長室をノックする。

 

『誰だ?』

 

「逸見エリです」

 

名前を名乗り入室を確認して、まほの返答を聞き隊長室に入る。

 

『入ってくれ』

 

「失礼します」

 

そして隊長室に入るとまほはソファーに腰掛け、待っていたようだった。

 

「座ってくれ」

 

「は、はい」

 

言われるがまま反対側のソファーに腰をかけるとさて、と話を切り出してきた。

 

「学園長から逸見の転入には問題なしと言われたよ。これが転入の書類だ」

 

そう言い少々膨らんだ大きな封筒を手渡される。

 

「…良く認めてくれましたね、自分の転入の件」

 

「…ああ。あの高等部チームを倒したんだ。実力は確かだとわかったからな」

 

「二軍だと、聞きましたが?」

 

そうだ、二軍ならば高等部の一軍には及ばないのだろうからな。

 

「実は西住流家元から試合前に二軍ではと言われ急遽一軍のⅣ号乗りの隊を出したんだ」

 

「高等部の一軍なんて転入試験の試合で使わんで下さいよ!」

 

二軍と知らされていて知らぬ間に一軍と戦わせないでほしいわ…

 

「ハハハッ良いじゃないか。それで実力が出せたんだから」

 

まほは笑いながらそう言って立ち上がる。

 

「まぁ…なんだ、逸見エリ、これからしばらくの間。よろしく頼んだ」

 

「は、はい。西住隊長」

 

そして差し出された手を戸惑いながらもとるのだった。

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