《ガールズ&パンツァー 》─銀の行く道は奇々怪々─   作:如月 霊

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駄文です


第七拾弐話 渦中の鈴総

 

「返信、頼むわ」

 

「了解です。……岡島主任、叫んでますね」

 

「……気にせず行こうか」

 

「……ですね」

 

皐月が苦笑しながら端末を操作し、サンダース側に練習試合の受諾を送信する。エリは机に肘をつき、頬杖をついたまま天井を見上げた。

 

「はぁ……ほんと、気が休まらんわ……」

 

「理事、最近ずっと忙しいですもんね。辻局長の件もそうですけど、全国大会の準備もありますし」

 

「うち、出ないって言ってんのに、なんでこんなに巻き込まれるんだか……」

 

「それだけ鈴総が注目されてるってことですよ。戦力も整ってきてますし」

 

「それは蜜柑たちが頑張ってくれてるからな……」

 

エリはふと、第一工廠の様子を思い浮かべる。蜜柑が叫んでいたのは、きっと整備スケジュールが詰まりすぎているせいだ。サンダースとの試合が決まったことで、さらに負担が増えるのは間違いない。

 

「……皐月、工廠の方にも連絡入れといて。急な試合で整備班に負担かけることになるし、蜜柑には一言謝っといてくれ」

 

「了解です。主任、怒ってるでしょうね……」

 

「まぁ、叫んでるくらいだしな……」

 

その時、部屋のドアがノックされた。

 

「失礼します。理事、資料届きました」

 

入ってきたのは事務局の若手職員。手には分厚いファイルが抱えられている。

 

「おう、ありがとう。そこ置いといて」

 

「はい。……あの、理事。全国大会の組み合わせ、速報で出たみたいです」

 

「えっ、もう?早いな……」

 

エリは皐月と顔を見合わせ、急ぎ端末を開いた。大会公式サイトには、予選ブロックの組み合わせが掲載されている。

 

「……あー……やっぱり、みほのとこ、勝ち上がりそうなブロックだな……」

 

「初戦はサンダースですね。これは……順当に行けば、決勝で黒森峰と当たる可能性が高いです」

 

「うわぁ……マジか……」

 

エリは頭を抱えた。辻局長の思惑通り、全国大会後の直接対決が現実味を帯びてきた。

 

「……皐月、うちの戦力再確認しといて。特に新規配備の車両と、来るかもしれない大学選抜との連携面」

 

「了解です。あと、ケイさんとの試合、場所は鈴総艦内の第3演習場でいいですか?」

 

「そうだな。外部に出す余裕はないし、うちの地形でやった方が情報も絞れる」

 

「じゃあ、サンダース側に伝えておきます」

 

「頼む」

 

エリは深く息を吐いた。辻との会談から始まった一連の流れは、鈴総を否応なく全国大会の渦中へと引き込んでいる。出場しないはずだった大会が、いつの間にか避けられない戦場になっていた。

 

「……ほんと、厄介なことになったわ……」

 

その呟きは、誰にも聞かれず、理事長室の静寂に吸い込まれていった。




前回投稿からまるっと3年経ってしまいましたわ…
次回もよろしく〜!
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