「ここは、どこだ?」
目が覚めると、私は知らない場所に立っていた。
どこを見ても暗闇が遥か先まで続く空間。
_____どんな気分だ?
「誰だ? というか、どこにいる?」
_____誰だと? ハハハ! おかしな奴だな。お前こそ、誰だ?
「私か? 私はロドス製薬のドクター。名前は×××だ」
_____ㇷッ…………ハハッ…………ハハハハハ……あハハハハハはっはっはっ!! はハッはっはあはっははハッははハッハハハッハ!!!!
「な、何がおかしい!?」
_____これが笑わずにいられるか! アハハハ! お前は、自分をドクターだと、×××だと? そういうのか…………?
「そうだ。私は、ドクター。ドクター×××だ」
_____いいや? 違う。お前は、ドクターでも×××でもない。
「何を言っている? どういう事だ?」
_____まだ気づかないのか? 簡単だ。
瞬間──暗闇が、歪んだように見えた。
人型に、私のよく知る形に、ひどい嘲笑と残酷な目をありありと、暗闇の中でも解るように見せつけながら……。
_____俺が、ドクター×××だよ。
「…………な、にを馬鹿なことを」
_____もう一度聞こうか? お前は誰だ? どうして、俺の姿をしている? どうして、俺の名前を騙る? どうして、俺のように振る舞う?
「わ、わた、しは……」
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「ド……ター……ドク……ター……ドクター!!」
「ッ!? こ、ここは?!」
「もう! まだ終わってない仕事があるのに休んじゃダメですよ!!」
「え? あ、アーミヤか?」
「? はい。私ですよドクター」
「なら、さっきのは……なんだ夢かぁ」
「どうしたんですか? ドクター」
「いや、変な夢をね……なぁ、アーミヤ」
「はい。なんですか?」
「私は、ドクター×××だよな?」
「もう、当り前じゃないですか。ドクターは、ドクターですよ?」
「そ、そうだよな。いや、変なことを聞いて済まないね。さて、仕事しないとだな」
「早く終わらせてしまいましょうドクター」
(とは言っても、なんだか、引っかかる。私は、私だ。そのはずなん…………ん?)
「アーミヤ。この書類は? 中途半端に終わっているようだが……」
「え? もう、ドクター。からかわないでくださいよ。今の今までドクターが書いてた書類じゃないですか」
「え? 私は、さっきまで寝てたぞ……?」
「え? ……ドクターは起きてましたよ? ただ、一度筆を休めてからあまりにもボーとしているので、さっき呼びかけたんです」
「あ、え……え?」
「ドクター?」
「あ、や、な、何でもない。そういえば、そうだったね……アハハハハ……」
「……?」
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____どんな気分だ?
「ッ!? 貴様、いったい何なんだ!」
____何度も言わせるな。お前のほうが一体何なんだ?
「私は私だ!!」
____人の身体を奪っておいて何を言っている?
「な、ち、違う! 私はそんなことはしていない!」
____楽しかったろう? 俺の体で信頼を集め、友情を育み、俺の築いてきた全てを横取りするのは。
「そんな、こ、t」
____だが、それももうすぐ終わぞ? 偽りのドクター。
「ど、どういう意味だ」
____簡単だ。俺が、その身体に、戻るのさ。
「戻る? それは…………つまり…………」
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「違う…………私は、私だ。私こそ……本物の…………」
「ドクタードクター? 大丈夫?」
「私は…………ん? あ、あぁ、君は、グムか。どうしたんだ?」
「こっちのセリフだよ? オムライスとにらめっこしながら、動かないから心配してきたんだよ」
「え? オムライス? え、ワッ! ホントだ!」
「フフフ、オムライスに驚くなんて変なの~~」
「アハハ……考え事をしすぎてたみたいだ」
「も~ご飯の時くらいは難しいこと考えたらダメだよ?」
「気を付けるよ」
「うんうん。あ、グム厨房に戻るね!」
「あぁ、心配してくれてありがとうグム」
「お礼はご飯を残さず食べてくれることだからね~!」
「了解だ~~! ………………私は、いつ食堂に来た? さっきまで執務室にいたのに…………」
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「なに? 記憶喪失が悪化した?」
「いや、厳密に言えば違うんだけどね。簡単に言えば、さっきまで自分がしていた事を覚えてないんだ」
「詳しく」
「まず、白昼夢のようなものを見るんだ。私が私に『お前は誰だ』と問いかけるような夢だ。その夢から覚めると、自分が何かしていたんだ。夢遊病にでもなったかのようで…………しかも、その夢の間に自分が行っていた事はまったく思い出せないんだ」
「ふむ、午後のスケジュールに空きはあるか?」
「あぁ、16時から18時まで自由時間だよ」
「なら、その時間帯にもう一度来てくれ。メディカルチェックをしようドクター」
「すまない。恩にきるよケルシー」
「気にすることはない。君はロドスにとって大切な人間だ」
「君にとっては?」
「ノーコメントだ」
「ハハ,それじゃぁ、16時にまた」
「あぁ」
(嫌ってはいない……少なくとも今の君は)
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____どんな気分だ?
「ッ! いい加減にしてくれ!」
____こっちのセリフだな。早く俺に身体を返せ。
「違う! この身体は私の身体だ!」
____記憶喪失の癖に?
「そ、それは…………」
____愚かだな。俺を騙るために、記憶喪失などと都合の良い症状をでっち上げ、全員を欺いていることを自覚してないとはな。
「ち、がう! 私は本当に!」
____黙れ侵略者が!!
「な、そ、そんな、侵略者だと……?」
____何が違う? 俺を騙り! 俺の全てを奪い! 挙げ句の果てには、目も当てられない程の惨めな指揮で俺の栄光に泥を塗る! どうだ? 違うか!?
「わ、私は、精一杯……」
____お前の指揮せいで、何人傷付いた? 何人悲しませた? 何人絶望させた? 失望は? 何も悪くないオペレーターを何度も何度も苦しませただろ? ほら、こんな風に…………。
『クソ…………お前だ…………お前のせいでオレサマは恥をかいたんだ!』
「イフリータ!?」
『情けねぇやつだ。さっさと消えろ!』
「ズィ,ズィマー?」
『ぅっ……だ、大丈夫です……』
「エイヤ!? そんな傷で何を…………!」
『医療隊への支援を要請します! 私が皆さんの足を引っ張ってしまいました……ごめんなさい…………ごめんなさい……』
「違う! ジェシカ! 私が…………私が……」
『ごめんなさい…………出来損ないで……』
「やめてくれ、違う、マンティコア……」
『大将、俺、逃げてもいいかなって、思っちまいました』
「私に気を遣って……ジェイ……私は……私……は」
『ごめんなさい。私が皆さんの足を引っ張ってしまいました』
「_ウィスパーレイン……ちが」
『私は大丈夫です…………皆さん、しっかりしてください……』
「__ぁ……あ…………」
___お前は邪魔だ。我が物顔をしながら、恥ずかしげもなく生き恥を晒す贋作が!
「___わた、し、わたし、は…………」
__誰もが腹の底で思っているぞ? 解るだろ? 言葉にしないだけだ。だが、安心しろ。お前よりも私の方が彼女たちを上手く指揮してやる。
「____あ……ん……し…………ん?」
「_そうだ。安心しろ。俺が指揮してやる。偽物のお前よりも遥かにマシな指揮をな。誰も傷つかない完全な指揮を」
____だ……れ……も…………きず…………つか……な
「
____わた……し…………は……だ………………れだ?
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「フッ……ハハ……ハハハハ……ハハハハハハハハハハハハ! ハッハッハハ!! アハハハハハハハハハ!」
「キャッ! ど、ドクター!?」
「アハハハハハハ! ハァハァ、ヒーッハハ!」
「ドクター!? どうしたんですか!?」
「アハハハハ! なんでもない! 大丈夫、フフ,大丈夫さアーミヤ! アハハハ!」
「え? でも、え?」
「大丈夫だ。フフ,安心しろ」
「そ、それなら良いんですが……」
「あぁ、そうだ。ケルシーの所に行かなきゃな」
「えっ、ケルシー先生のところへ?」
「心配ない。ちょっとした野暮用だ」
「ど、ドクターがそう言うなら」
「それじゃ、仕事もないし行ってくるわ」
「は、はい。執務お疲れさまでした。ドクター」
「お前もな……あぁ、そうだ」
「?」
「久しぶりだな。アーミヤ」
「…………え、ど、ドクター?」
「じゃあな」
「…………なんでしょう? 今の感じ」
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「メディカルチェックの取り消し?」
「あぁ、する必要がなくなった」
「ほう、理由は?」
「簡単だ。執務をサボりたかっただけだったから」
「まったく。お前は…………」
「いや、すまんすまん。まぁ、そういうわけだし、何事もないのが一番だろ?」
「ハァ、君が言える口じゃないがな」
「チゲェねぇな。それじゃ」
「まて」
「あん?」
「随分と粗野な口調になったな」
「…………イメチェンだよ」
「直した方がいいと思うが?」
「前向きに検討する」
「おい、待て………………逃げたか」
「ハッ、食えねぇ女なのは相変わらずだな。まぁ、何にせよ今から自由。そうだなぁ、まずは…………」
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「よぉ、エンカク」
「ドクターか。次の戦場か?」
「相変わらず死に急ぐなお前は」
「今更だろう?」
「ハッ,それもそうだな」
「何の用だ?」
「別に? 庭園の近くに来たから寄っただけだ」
「そうか。次は、俺の死に場所に相応しい程の戦場を土産に来ると良い」
「ハハハ,なるべく検討しよう。あぁ、それと」
「なんだ?」
「そろそろ
「…………………………ッ!」
「…………おいおい、いきなり喉元に刀を突きつけるなよ。危ないなぁ? えぇ?」
「記憶が戻ったか?」
「さぁ? だが、この刀は下ろした方が良いなぁ」
「ほざくな。戻ったのなら、容赦はしない」
「おぉ、怖い怖い。だが、一手遅い」
「何を………………ッ!?」
「何をしているのかしら? エンカクくん」
「止めてください! エンカクさん!」
「あの、こ、コレは、ど、どういう!?」
「あぁ、良かった! 来てくれたんだね! パフューマーにズズラン、それにポデンコ!」
「成る程、スズランのskillか……」
「エンカクくん。そんな事より、その刀を説明してちょうだい」
「近づいたらダメだパフューマー! 今エンカクは普通じゃない!」
「ドクター、ソレが目的か?」
「さっきから何をいってるんだエンカク! 俺はそんな事
「よく回る口だな…………」
「クソ、話が通じない…………ポデンコ! 自衛用に麻酔小瓶を作ってただろ!? ソレをエンカクに! 速く!!」
「へ!? は、はい!! ソレッ!」
「チッ…………覚えて……ろ……ド……クター」
「…………ふぅ、あ、危なかった」
「どういう事なの? ドクターくん……」
「俺にもサッパリだ。ただ、殺意を向けられたのは確かだ」
「そ、そんな……大丈夫なんですか?! ドクターさん!」
「あぁ、大丈夫だよ。スズランがskillを使ってくれたからね。良い判断だったよポデンコも」
「い、いえ、私はそんな……///」
「とりあえず、俺はエンカクを医療室に送るよ」
「き、危険よドクターくん!」
「大丈夫。きっと、エンカクも少し疲れていたんだよ。目を覚ませば何時ものエンカクに戻るさ」
「そ、それはそうかもしれないけど」
「三人とも、この事は内緒にしてくれるな? 俺はエンカクを
「フフ,ドクター君は相変わらず優しいわね」
「そんな事はないさ。よいしょっと」
「ドクター! 私もついていきます!」
「いや、俺だけの方が都合がいい」
「都合?」
「あぁ、俺だけなら熱中症だのなんだの言えるからな」
「そういうものですか?」
「そういうもんだよ。じゃ、またな」
「気を付けてね?」
「またねです! ドクターさん!」
「何かあったらすぐ駆けつけますから!」
「あぁ、ありがとう」
「…………スゴいですね。ドクターさんは」
「ホントです。流石ドクターさんですね」
「………………」
「パフューマーさん?」
「どうかしたんですか?」
「いえ、ちょっとね。何でもないわ」
(何かしら? あのドクター君の違和感)
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「よっ」
「……………………投げ棄てるとは、危ないな」
「ハハ! やっぱり起きてたか」
「…………何が目的だ?」
「別に? まだ俺を逃がさないなんて、傲り高ぶる悪い子にお仕置きしただけだ」
「ほぉ。だが、今ならお前を消せるぞドクター?」
「おいおい、まだ解らないのか? お前が
「あくまで釘を刺しただけだと?」
「そういうこと。それに、
「…………チッ」
「話を合わせろよエンカク? ロドスを敵に回すより、生と死がない交ぜになった戦場で俺を殺すのが理想的だろ?」
「…………良いだろう。だが、コレだけは言っておくぞドクター」
「あ?」
「俺はお前を逃がさない」
「言ってろ」
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「さてと…………」
似たような手口で
フフ,陳腐な捨て台詞しか吐けなかったなぁWの奴……録音しとけばよかったなぁ……ハハッ!
「何にせよ、明日からが楽しみだなぁ」
カタン…………
「ッ!?誰だ!…………気のせいか?」
「あわわわ、じ、事件なのだ………!」
お読みして下さり有難う御座いました!
このオペレーター出して欲しい等あればどうぞお申し付けください。
それでは、良いロドスライフを