____あたたかい…………心地いい……どこだ?
〔あぁ、気が付いたか〕
____?
〔おはようドクター。気分はどうだい? 〕
____まだ、ねたい。
〔やれやれ、まだ眠いか。でも、君は起きなきゃいけないよ〕
____どうして?
〔君を待つ人がいるからさ〕
____そんなひとは、いない。
〔いいや? 居るさ〕
____いないよ。それに、わたしはドクターじゃない。
〔やれやれ、ひどい暗示に捕らわれたな〕
____?
〔これは忠告だが、早く起きたほうがいい。さもなくば、大切なものを失うぞ〕
____どうでも、いい…………
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「ドクター!」
「あん? あぁ、ススーロか」
「さっきの指揮は一体何!? 危なく重傷者を出しかけたんだよ!?」
「あぁ、そうだな」
「そうだなって…………ふざけないでよ!」
「ふざけてるように見えるのか? 作戦完遂の為には仕方ない事だったし、確かに怪我人は出たが、どれも重症には至らなかった。それにそれくらいの覚悟もない奴らじゃない。そうだろ?」
「それは……」
「話は終わりだな? もう行くぞ。じゃあな」
「…………ドクター、どうしちゃったの」
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〔まだ眠いか? 〕
____あぁ。
〔起きたほうがいい〕
____おきる?
〔まさか、起き方も忘れたのか? 〕
____たぶ、ん
〔それは困ったな…………君の名前は? 〕
____し、ら、な、い
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「クッ…………ゼッ…………ハッ…………」
「ここにも居たか……瀕死は辛いだろう? レユニオンの残党」
「クソ……この…………アク…………マ……め……ゴフッ!」
「悪魔ね……悪くないが、少し違うな? 俺は
「ヴッ…………ぁ…………ギッ…………ゴブッ……」
「昨日、試しに作った致死薬だ。投与したモルモットのオリジムシは悶絶死したが、人型サイズに射ったらどうなるかな?」
「ヴ…………ァッガ…………ゥブッ…………ヴァア……ァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアイダイイダィ!! イダイアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアイダァアアアア」
「おーおー、踊る踊るw」
「ァアアアアアアアアアアアァァ………………」
「ふむ。約一分の悶絶の後、目、鼻、口から出血。暴れ方と供述からして、激痛も伴うか」
「あのドクター様!」
「ん? あぁ、Lancet-2か? どうしたんだ?」
「今こちらから悲鳴が聞こえたのですが! …………ぁ」
「あぁ、レユニオンの残党さ。助けようとしたが、手遅れだった……」
「そう……でしたか……」
「仕方ないさ。さ、戻ろう」
「は、はい! …………ところで、ドクター様」
「ん?」
「いつもドクター様は、亡くなられた方に長く手を合わせていましたが、今回はしないのですか?」
「…………あぁ、そういえばそうだった。でも、次の戦場が待ってる。全部が終わったら、纏めて冥福を祈るさ」
(チッ、侵略者が余計なことを。何故オレがゴミに手を合わせにゃならないんだ)
「そう……ですか」
(どうしたんでしょうか……ドクター様の行動パターンと違っています……)
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〔あぁ、また君が誤っているよ〕
____わたしじゃ、ない
〔君だよ。ほら、見えるだろう? 〕
____かかわらない、で、くれ
〔それは出来ない〕
____どうし、て?
〔僕は君だったから〕
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「むむむむむ~~!」
「先程から唸っていますが、どうしたんですか? メイ」
「あ! イースチナなのだ! 丁度良かったのだ。アドバイスが欲しいのだ~~!」
「アドバイス……ですか?」
「そうなのだ! ドク……じゃない、推理小説の話なのだ」
「ふむ、何時もの『自分で推理して犯人を当てるゲーム』をしてるんですね」
「そ、そうなのだ!」
「解りました。私も力を貸しましょう」
「ありがとうなのだ! それでなのだが、ある日、優しい男が何時もと違う悪い人格を持ってしまうのだ。そのあと、周りの人間を都合のいいように操って殺人を犯してしまう計画があるのだ。ここでの問題が、どうやってその男が悪い人格になってる事を証明するのかなのだ~」
「ふむ、イイ人が悪い人になってしまったのなら、必ず何処かでボロが出てるはずです。それを探して周りの人に提示するのはどうでしょう?」
「はぁあ! なる程なのだ~~!」
「というか、それは推理小説ではないのでh……」
「あ~~! そういえば大事なお買い物があったのだ~! イースチナ、協力感謝するのだ! それじゃぁサヨナラな~~のだ~~!!!」
「あ、は、はい……それじゃぁまたって、行ってしまいましたか……」
「よーし! まずは聞き込みなのだ~~!」
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____わたし、だった?
〔そう、君だったんだ〕
____よく、わからない
〔君には強い暗示がかかってしまってるからね〕
____あんじ?
〔そう、暗示さ。君が、ドクター✕✕✕じゃないという暗示〕
____おれは、どくたー、じゃない
〔君はドクターだよ。あんな過去の幻影に惑わされないでくれ〕
____げん、えい?
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「おら、アーミヤ」
「キャ! ドクター! 大事な書類を乱暴に扱わないでください!」
「あ? あー、ごめんごめん、悪かったよ」
「もう…………」
(ドクター、何時もより早く仕事を終わらせてくれるのは良いんですが、なんだか前よりも乱暴になってるような……でも、戦績も上がってますし……)
「んじゃ、ちょっと外すぜ」
「あ、はい! どちらへ?」
「内緒♡」
「よぉ、邪魔するぜ」
「あ、ドクター。お疲れ様」
「おう、疲れさんアブサント。悪かったな今回の指揮で怪我させちまって」
「ううん、あれは私のミスだから。ドクターは悪くないよ。私こそ、いつも足引っ張ってゴメンね」
「気にするなよ………………コマ……」
「え?」
「あぁ、なんでもない。独り言だ」
(あっぶね~~、『お前らはただの
「そ、そう」
「後でリンゴかなんか買ってきてやるよ」
「大丈夫だよ。気にしないで」
「病人には果物持ってくのが普通だろ?」
「そうかな、じゃぁ、お願いしよっかな」
「おう。っと、そろそろおいとまするぜ」
「ぁ、うん。またねドクター」
「あぁ、またな…………にしても、メンドクセー女だな。トラウマだか何だか知らねぇけど、被害者ぶってんじゃねぇよアバズレが」
「ドクター!!」
「あ? あぁ、ススーロか。いきなり走ってきてどうした?」
「いい加減にしてよ! なんであんな危ない指揮をするの!」
「チッ,またその話かよ」
「何その態度! ねぇ、ドクターどうしちゃったの!? 何か悩んでることでもあるの!?」
「っるせぇな!! 俺は俺だ! お前には関係ないだろ!?」
「ッ!?」
「じゃぁな」
「…………ぁ、ちょ……ドクター……」
(初めて見た。ドクターが怒ってるところ。本当に、どうしちゃったの? ドクター?)
「………………ッウ…………グスッ……」
「? ドアの向こうから泣き声? ここって、アブサントさんの病室…………」
「ゥッ………………ヒグッ…………」
「アブサントさん?」
「ァ…………ズズ……ススーロさん」
「どうしたの?! 何処かいたい!?」
「ぅ、ううん、何でもない」
(ドクター、私のこと被害者ぶってるって……アバズレ……そうだよね……どうして、ドクターは味方なんて思ったんだろう……私は、逃げ出したのに)
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〔つまり、今君の身体を動かしてるのは、本当の君じゃないのさ〕
______なら、ほんとうの、わたしは?
〔おかしな人だなぁ、本物は君だよ〕
______わたし?
〔そう、君さ。ほら、思い出して? 偽物が生まれた理由を。君の身体を乗っ取る前の事を〕
______前? 前…………ぁ
つづく
ではでは、次で事の発端です。
にしても、想像以上にメイがポンコツに………