インフィニット・ストラトス ―成層圏を狙い撃つ男は異世界を狙い撃つ― 作:八神刹那
ロックオンが目を覚ますと見慣れない浜辺に立っていた。
「ここは……?」
あたりを見渡すが海と砂間しかない世界。ここがどこの国かすらわからない。今までのことを整理する。
「サーシェスとの戦いで死んで、それから・・・・・・」
「俺と出会った」
声がした。振り向くと死後の世界で自信を天使と名乗っった侍風の男が宙に浮いている。
「お前は!?」
「アフターサービスってやつかな。さすがに何も知らない世界で生きろっていうのはどうかと思ってね」
「じゃあここは異世界。なのか?」
すると天使はゆっくりとロックオンの目の前に降り立つ。
「おう。少し歩こうと思ったけど。来たみたいだな。この世界の住人ってやつが」
天使の視線の先に目をやると1人の女性がこちらへ歩いてくる。
「どちらさまですか?ここは私有地のはずですけど」
年若い女性だった。年は二十代後半ほどだろうか紫色の髪の女性だ。だが、ロックオンと天使は彼女の身のこなし方から彼女がただの一般人とは思えずにいた。
「そう警戒しないくれ。俺たちはただの迷い人だ」
天使が飄々と答えるとロックオンがさらに続ける。
「ここがどこかわからないんだ。できれば詳しく話がしたい。いいか?」
ロックオンの提案に女性は一瞬だけためらいの表情を見せたが微笑みながら
「そういうことなら、わかりました。この先に私の研究施設があるのでそこでお話ししましょう」
「私はラーナ・リターナー。この研究所で新型ISの試作研究をしています。あなた方は?」
紫髪の女性、ラーナに案内されたのは無人島に建設された研究所の一角だった。
「俺はロックオン・ストラトス。今はただの迷子だ」
ロックオンが名前を名乗り、天使に視線を向けると
「そうだな。ナギでいい。一時はそう呼ばれていたからな」
「ロックオンさんとナギさんですね。さっそく聞かせてください。あなた方はなぜこの島にいるのですか?」
ラーナが聞く。すると天使ナギが
「ちゃんと話すけど。何を言っても驚かない?」
「はい。大抵のことでは驚きませんけど」
「俺たちがこの世界の住人とは違う人間だといってもか」
ロックオンが言うとラーナは目をぱちくりさせたがすぐに
「ええ。ですがその証拠をお願いします」
その言葉に2人は顔を見合わせると、ナギが立ち上がり、
「これならいいかな」
突如天使の周囲に光が終息したかと思えばナギの背中に天使の羽が現れた。
「天使っていうのは本当だったのか」
ロックオンが感心しているがラーナは驚いた表情すら見せない。
「そうなるとロックオンさんは平行世界の住人ということですか?」
「そうなるな。よくわかったな」
「少し前にあなたみたいな人がここに来たんです。そこで新しいISのデータを私にくれました。あなたが身に着けているブレスレットもISですね」
「IS?MSじゃなくてか?」
聞きなれない言葉に聞き返すとラーナはゆっくり答えた。
「はい。この世界ではISと呼ばれるパワー度スーツが最強の兵器とされる世界です」
それからラーナは自分が話せる限るの情報をロックオンに与えた。篠ノ乃束のこと。白騎士事件のこと。ISのこと。世界の現状のこと。できる限りの情報を話した。
「なるほど。ナギ。だから、お前はこの世界に俺を呼んだのか」
話意を聞き終えたロックオンはナギの顔を見る。すると、ナギは
「まあな。だから、できる限りのサポートはしたはずだ。そのブレスレットは俺からのプレゼントだ」
ナギの言葉にロックオンは腕に身に着けていた新緑のクリスタルがはめ込まれたブレスレットを見る。
「これは?」
「お前の愛機だよ。それと、ちょっと矢場目の連中が来たみたいだぞ」
ナギの言葉と同時に研究所内が大きく振動した。
「なんだ?」
「まさか、敵?」
ラーナはすぐさま走り出し、地下へと向かう。地下では数人の研究員たちが画面と向き合っていた。
「何があったの?」
「主任。敵です。データからラファール・リヴァイヴが3機です」
その言葉にラーナは舌打ちうをする。
「まさか、こんない早く見つかるなんて。アストレアは?」
「だめですよ!まだ、ロールアウトすらされてないんですよ!」
そのやり取りを見ていやロックオンは
「世界ってのはどこも変わらないのか」
歯ぎしりをしていた。
「・・・・・・そうだな。世界。いや、人間てのはそういう存在だ。どうする?ソレスタルビーイングのガンダムマイスター?」
ナギが聞く。それに対してロックオンは
「俺が出る!」
力強く答えた。