インフィニット・ストラトス ―成層圏を狙い撃つ男は異世界を狙い撃つ―   作:八神刹那

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EP3 ガンダムデュナメス

「行くぜ!ガンダムデュナメスとロックオン・ストラトスの初陣だ!」

 

ロックオンはスナイパーライフルのトリガーを引く。桃色の粒子ビームが放たれる。だが、桃色のビームはラファール・ラヴァイヴの装甲にかするだけ。

 

「ビーム兵器だと!?全機!連携でしとめる!」

 

隊長が驚きの声を上げるがすぐさま、部下に連携の指示を飛ばす。

 

「「了解!」」

 

隊長の先行について行くように他の2機も続く。

 

《被弾なし!敵機連携態勢です》

 

デュナメスのサポートAIハロの電子音が響く。戦闘の直前にナギがサポートとしてプログラムしたらしい。

 

「くそ!まだ、感覚が!」

 

二度三度とスナイパーライフルのトリガーを引くが3機のラファール・ラヴァイヴは回避行動をとりながら接近してくる。

ISの操作はロックオンが慣れ親しんだMSと違いほとんど生身で行っている。そこにはもちろん、反応も、関係してくるが、まだ、彼はISの操作を完璧にできるわけではない。

 

《敵機接近!距離200!》

 

ハロが警告を発する。3機はアサルトライフルを構え、発砲。

 

「くそ!」

 

ロックオンはスナイパーライフルを構えながら回避するが完全に回避しきれない。被弾しシールドエネルギーが削られる。

 

《被弾を確認!シールドエネルギー587!》

 

「やるな!」

 

回避行動のさなか、ロックオンはスナイパーライフルのトリガーで狙いを定める。

 

「ここだ!」

 

いくら連携を組んでいるといっても少々の隙は生じる。ロックオンはその隙を見逃さなかった。

桃色の粒子ビームがラファール・ラヴァイヴ1機の右肩の装甲を撃ち抜く。

 

「α2!?

「まさか!」

 

α2はバランスを崩しながらもすぐに体勢を立て直す。

 

「隊長。シールドエネルギーが‥‥‥」

 

α2がシールドエネルギーの残量を確認する。残りは524。

 

「まさか!たった一発で120も!?」

 

隊長が驚きの声を上げるがそれはすぐにアラートによってかき消された。

 

「よそ見してる場合かよ!」

 

デュナメスの腰部フロントアーマから16機のGNミサイルが発射される。

 

「マイクロミサイルだと!?全機!回避して迎撃だ!」

 

いち早く気がついた隊長が指示を飛ばす。幸いにもミサイル追尾性を有していない。これなら回避してから迎撃が可能だ。

 

「「了解!」」

 

2機は指示に従い、ミサイルを迎撃するが爆散したミサイルの粒子により視界が悪くなる。そこで隊長は気がついた。

 

「しまった‥‥‥!これでは連携が!α2α3!すぐに回避行動----!」

 

だが、それは桃色の粒子ビームによって遮られる。

 

「悪いが叩かせてもらうぜ!」

 

隊長の視界に映ったのはスナイパーライフルを右肩にマウントした深緑の機体。だが、両手にはビームピストルが握られている。

ロックオンが取ったのは単純な作戦だった。GNミサイルで3機を分断。そして、隊長機を叩くゲリラ戦術。だが、この先方は今の状況では難しい戦術だ。

 

「時間がねぇんだ!さっさと終わらせてしてもらう!」

 

ビームピストルを連射しながら距離をとる。デュナメスは接近戦に特化しているわけではない。むしろ、遠距離からの支援射撃に重点が置かれている。

 

「なめるな!」

 

隊長機はすぐさまアサルトライフルを放ちながらデュナメスとの距離を詰めようとするがうまくいかない。ロックオンは接近されることを警戒している。

 

(あの機体は遠距離戦に特化している。なら!)

 

隊長機は右手にアサルトライフル。左手に接近戦用のアサルトサーベルを握っている。

 

「上等!狙い撃たせてもらうぜ!」

 

ビームピストルを連射し、距離をとるデュナメスに対して隊長機のラファール・ラヴァイヴは逆に接近しようと回避行動を繰り返す。一見すれば遠距離戦に特化したデュナメスが有利に見える。

だが、ISの稼働時間という致命的な差が勝敗を分けた。

 

わずかな射撃ミス。素人には分からないミスがラファール・ラヴァイヴの接近を許してしまった。

 

「しまった!」

 

「この距離!もらったぞ!」

 

接近され、ラファール・ラヴァイヴがアサルトサーベルを振り上げる。

 

「もらった!」

「くそったれが!」

 

ロックオンはとっさにビームピストルを捨て、機体の背腰部のGNバーニアに装備されているビームサーベルを展開した。

 

アサルトサーベルとビームサーベルが交錯し、火花を散らす。

 

「何!?」

 

ビームサーベルの熱量に耐えきれなかったのかアサルトサーベルが融解する。そこに隙が生じる。ロックオンが左手のビームピストルを突きつける。

 

「終わりだ!」

《ロックオン!緊急回避!》

 

だが、それはハロの警告によって遮られた。

ラファール・ラヴァイヴから回避すると同時に2機の間にアサルトライフルの弾がすり抜ける。

 

「隊長!」

「ご無事ですか!?」

 

部下であるα2とα3が駆けつける。GN粒子による煙幕が切れたと同時に目視で射撃を行ったのだ。

 

(あの状態からよく打てたな。やはり、ただの軍人ではなさそうだ)

 

ロックオンが冷静に分析する。

 

「私は無事だ。しかし、サーベルがこれではな」

 

隊長がアサルトサーベルを投げ捨て、アサルトライフルを構える。

 

「いいか!しょせん一機だ!連携で追い込むぞ!」

「「了解!」」

 

3機が再び連携の構えをとる。

 

(こっちは一機。しかも完全装備じゃない。どうする?GN粒子の効果でレーダーをジャミングしているが)

 

それでも決定打にかける。さっき隊長機を落とせなかったのが痛い。となると同じようなゲリラ戦術は効果がない。

 

(次で決めるしかないか)

 

ロックオンは右肩にマウントしていたスナイパーライフルを握り、ビームピストルをいつでも握れるようにホルスターへ。

 

『ハロ。残りのGNミサイルは?』

《残りは両膝部の8基です》

『上等。それだけあれば十分だ!』

 

ロックオンが3機の動きを警戒する。

 

「隊長。どうします?」

「あの機体は遠距離戦に特化している。だったら、三方向からの同時接近戦は苦手としているはずだ」

「フォーメーションですね」

「そうだ。行くぞ!」

「「了解!」」

 

3機のラファール・ラヴァイヴは参会すると同時にデュナメスへ向かう。アサルトライフルを放ちながら徐々に距離を詰めていく。

 

「そうくるか!」

 

デュナメスは回避しながらタイミングを伺う。3機の狙いは分かっている。同時攻撃。

 

「今だ!もらったぞ!」

 

隊長機が左から。それと同時に正面と右側面からラファール・ラヴァイヴが躍り掛かる。

これだ。ロックオンはこのタイミングを待っていたのだ。

 

「ここだ!」

 

その瞬間、ロックオンは両膝のフロントアーマを解放。それと同時に右手のスナイパーライフルで右側面を。左手のビームピストルで左側面の隊長機を撃ち抜いた。

 

「まさか!?」

「うわわわ!?」

「何だと!?」

 

爆発が巻き起こる。それと同時にデュナメスはその場を離れる。

 

《全弾命中を確認。敵機の状態を確認します》

 

ハロの電子音を聞くがロックオンは警戒を解かない。

 

「危なかった。後少しでも遅かったからこっちがやられていた」

 

あの隊長機の反応だと3機同時の近接戦闘を敢行してくる。その可能性が高かった。だから越そ。この方法ができたのだ。正面からの敵には残りのGNミサイルを。右側面にはスナイパーライフル。左側面にはビームピストルの一斉掃射。これだけの攻撃なら回避するのは難しい。

 

「我々が負けたのか?」

「隊長。α2が」

 

煙がはれ、ロックオンの視界に映ったのはビームピストルとスナイパーライフルに撃たれた2機のラファール・ラヴァイヴ。そして、8基のGNミサイルの直撃を食らい、機体全身からスパークを放ちながらもなんとか体勢を保っているα3だった。

 

「こんなはずでは!我々負ける?たった一機のISに!?」

 

取り乱す隊長にα2は

 

「隊長どうします?‥‥‥撤退、ですか?」

「まだだ!まだ戦える!」

「しかし!」

 

隊長はあくまでも戦闘の継続の意志を見せている。

 

「もうやめろ」

 

ロックオンが言った。3機のラファール・ラヴァイヴにもきこえるように聞こえるようにオープンチャンネルではなす。

 

「男‥‥‥?バカな!男にISは!?」

 

隊長が驚く中、ロックオンはさらに続ける。

 

「こっちは無益な人殺しはしたくない。撤退しろ。素直に撤退するなら手は出さない。そのかわり、まだ戦うって言うなら容赦はしない!」

 

殺気を込め、スナイパーライフルの銃口を向ける。

現在の状況ではラファール・ラヴァイヴは戦うことはできない。完敗だった。

 

「‥‥‥撤退だ」

「り、了解」

 

隊長の指示にα2はα3の肩を担ぎ、撤退を始める。

視界から3機のラファール・ラヴァイヴが撤退したのを確認したロックオンは

 

「ミッション終了。これより帰還する」

 

ラーナとナギの待つ、壊れた研究所へ飛翔していった。

 

 

 

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