『雪女』のヒーローアカデミア   作:鯖ジャム

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第7話 雪女と委員長決定戦

 

「あ、雪柳さんおはよー」

「あら氷雨ちゃん、おはよ」

「おはようございます麗日さん、梅雨ちゃん」

 

 後ろのドアから教室に入ると、一番近くの席に座っている麗日さんと、お喋りにでも来てたのか梅雨ちゃんがいて、挨拶してくれた。

 

「校門のところ、カメラとかすごくなかった? 私、引き止められてインタビューされちゃったよ。教壇に立ってる〝平和の象徴〟はどんな様子ですか!? って!」

「ええ、すごかったですね。ちょうど相澤先生が対応してるところだったので、私はスルー出来ました。ちなみに、なんて答えたんですか?」

「筋骨隆々!! ……って、今考えると私何ゆーとるんやろ!?」

 

 麗日さんはうららかにダブルバイセップスをしながら、自分で自分にツッコミを入れてる。私と梅雨ちゃんは顔を見合わせて笑った。

 

「――というか、そうだ! いつまでも麗日さんじゃ他人行儀だし、お茶子って呼んでほしいな。私も、氷雨ちゃんって呼んでいいかな?」

「ええ、もちろんいいですよ。改めてよろしくお願いしますね、えー、お茶子ちゃん」

 

 梅雨ちゃんもそうだけど、女子をちゃん付けで呼ぶのはちょっと気恥ずかしい。お茶子さん、くらいにしておけばよかったかな。でも、梅雨ちゃんを梅雨ちゃんと呼んでる手前、さん付けにするのは変な気がしちゃったし。かと言って梅雨ちゃんは梅雨ちゃんだし。

 

「そこの二人! そろそろ予鈴が鳴るぞ! 席に着きたまえ!」

「っと、すみません飯田くん」

 

 お茶子ちゃんの前の席にいた飯田くんにビシッと注意されて、私は自分の席に向かった。

 八百万さんに挨拶をして、席に座ったところでちょうどチャイムが鳴り、すぐに相澤先生が前扉から教室に入ってきた。

 

「はいおはよう。昨日の戦闘訓練お疲れ。Vと成績は見させてもらったぞ」

 

 相澤先生はプリントの束を片手に教卓の前に立つと、チャイムが鳴り終わるのを見計らったように口を開く。全体に対しては特に言及はなく、爆豪くんと緑谷くんにそれぞれ注意と、激励とも取れるような言葉を伝えていた。

 

「……さて、HRの本題だ。急で悪いが今日は君らに……」

 

 ビクリとクラスメイトたちの身体が強張るのが、一番後ろの席からだとよくわかった。

 かく言う私も、すわ抜き打ちテストかと身構えてしまう。

 

「学級委員長を決めてもらう」

「「「学校っぽいの来たあああああ!!!」」」

 

 おぉう、君たち声そろえて叫ぶの好きだね……なんて呑気に思ってたら、みんながみんなこぞって手を挙げ始めて、自分が自分がと次々委員長に立候補していった。手を挙げていないのは轟師匠と、ついさっきまで喋っていたお茶子ちゃんくらいだ。あとはまぁ、私か。

 

 しかし、なんでみんな学級委員長なんてやりたいんだろうか。昨日までの時点で一度も喋っているところを見たことがない、あきらかにシャイそうな口田くんまで立候補してる。なんだろう、食堂で委員長割引とかあるのかな。

 

「静粛にしたまえ!」

 

 にわかに騒がしくなった教室が、飯田くんの一言で静まり返った。

 

「〝多〟をけん引する責任重大な仕事だぞ……『やりたい者』がやれるモノではないだろう……!」

 

 うん、道理だね。

 

「周囲からの信頼あってこそ務まる聖務。民主主義に則り、真のリーダーはみんなで決めるべき……」

 

 うん、聖務はちょっと言い過ぎだと思うけど、民主主義は大事だね。

 

「つまりこれは投票で決めるべき議案!!!」

「手ぇそびえ立ってんじゃねーか! なんで発案した!?」

 

 うん、そびえ立ってるね……いやまぁ、立候補の意なら別にそびえ立っててもいいんじゃないかな?

 みんなであれこれ話し合っているけど、相澤先生的には時間内に決めれば何でもいいらしい。

 

 そして結局、飯田くんの提案が採用されて、自選ありでの投票が行われ――。

 

「僕三票―――!!!?」

「まぁ、私も三票ですわ」

 

 緑谷くんと八百万さんが得票同数のトップ、という形になった。

 

「この場合どうすんだ? 決選投票?」

「時間もないしじゃんけんでいいんじゃない?」

「てか、飯田はなんで0票? 他に入れたのか?」

「あんなにそびえ立ってたのに……何がしたいんだよ飯田……」

 

 飯田くんの行動は割と意味不明だけど、まぁ、誠実と言えば誠実なのかもしれない。それで落選してるんだから世話ないけど。

 

 で、決選投票をするには時間が足りないということで、緑谷くんと八百万さんがじゃんけんをすることになった。そして、緑谷くんがこれに勝利。

 学級委員長に緑谷くん、副委員長に八百万さんが就任する運びとなった。

 

 そんなこんなでHRが終わり、前に立っていた八百万さんが席に戻ってきた。

 

「残念でしたね、八百万さん。せっかく同率一位だったのに」

「ええ、悔しいですわ……あの、ちなみになのですけれど、雪柳さんは立候補してらっしゃいませんでしたよね? その、投票は……」

「八百万さんにしましたよ。八百万さん、しっかりしてますから」

「まぁ! ありがとうございます……! ……でも、そうと聞いたらますますじゃんけんに負けてしまったのが……」

「ま、まぁまぁ、クラスをまとめる立場ということには変わりませんから。緑谷くんっておどおどした感じですし、八百万さんの役割って重要ですよ」

 

 お世辞のつもりもなく、私は純粋に思ったことを言って、落ち込む八百万さんを慰める。

 

 ちなみに八百万さんのもう一票は、たぶん轟師匠のものだと思う。

 飯田くん以外の立候補者はまずもって自選してるだろうし、実際みんなの得票数は一票で並んでいる。浮いている票は立候補していない私、轟師匠、お茶子ちゃんと、おバカな飯田くんの計四票だ。

 お茶子ちゃんと飯田くんは緑谷くんと仲がいいし、緑谷くんに入れたと考えると納得がいく。いや飯田くんは意味わかんないんだけど、納得がいく。

 

 で、私はというと、ギリギリまで飯田くんと八百万さんのどちらに投票するか悩んでいた。

 飯田くんもしっかり者と言えばしっかり者……否、彼をしっかり者と呼ばなかったら誰をそう呼べるんだってくらいしっかり者だ。今日までの彼の立ち振る舞いを見ていれば、十分に学級委員長の器だと思う。眼鏡だし。

 しかし、飯田くんはちょっとこう、融通が利かなそうというかなんというか。

 私はあんまり規律でガチガチなのは遠慮したいから、飯田くんが委員長になるとめんどくさ……だる……えー、大変そう(オブラート五枚重ね)なので、結局八百万さんに投票したのだ。

 まぁ、飯田くんの行動が意味不明だったので、どっちにしろ飯田政権の目はなかったようだけど。

 

 

     ※ ※ ※

 

 

「八百万ー、雪柳ー、学食一緒に行こー?」

 

 四時間目が終わって一息吐いていると、芦戸さんと耳郎さんの二人が私と八百万さんの席の方に近付いてきた。

 

「申し訳ありません芦戸さん。私、今日はお弁当を持参していまして」

「ありゃ、八百万もおべんと派か。梅雨ちゃんと葉隠もだってさ」

「私は今日は学食のつもりだったので、ぜひ一緒に。お茶子ちゃんはどうなんですかね? 席にはいないみたいですけど」

「麗日はさっき緑谷と飯田と一緒に教室出てったよ。あの三人、初日から仲いいよねー」

「小耳に挟んだんだけど、入試の会場が一緒だったみたいだよ」

「なるほどですね」

 

 私は教科書とノートを机にしまって立ち上がり、八百万さんに「では」と一言告げてから、芦戸さんと耳郎さんと共に学食へ向かった。

 

「二人は昨日も学食だったんですか?」

「うん! なんたってクックヒーロー・ランチラッシュのお手製ランチだよ!? そりゃあ行くしかないでしょ!」

「ま、雄英入って嬉しいことの一つだよね」

 

 食堂――〝ランチラッシュのメシ処〟にたどり着いて、とりあえず食券を買うための列に並ぶ。学食の利用者はかなり多いようだが、その分食券の販売機も、用意されている座席もなかなかの数だ

 何にしようかちょっと悩んで、結局無難に日替わり定食。今日はメインがハンバーグだった。ワタシ、ハンバーグ、スキ。ハンバーグ、タベル。

 

「うーん、入口の方しか空いてないね」

「あっちに切島くんとかいましたけど、近くの席は埋まっちゃってましたね」

「別に入口近くってもいいでしょ。早くしないと三人で座れなくなるかも」

 

 人の出入りがあるからあんまり人気がないのだろうか。のんびりやってきた私たちが選り好みできないのはしょうがない。

 

「私左利きなので、お二人で並んでください」

「ん、了解」

 

 私の正面に芦戸さん、右斜め前に耳郎さんが座る形になる。誰かと食事をするときに席順を気にするのは、きっと今も昔も変わらない左利きあるあるだろう。

 

 はてさて、ともあれ実食だ。クックヒーローの実力や如何に。

 

「――う、うま! え、もはや洋食屋さんのやつ……」

 

 ハンバーグうま。うますぎ。うまぴょいすぎる。うまぴょいすぎてウマ娘に……っと、なんか変な電波を受信してしまった。

 しかしこれ、全然学食のクオリティじゃないぞ。しかも安い。ワンコイン以下って。舌が肥える上に金銭感覚おかしくなるぞこれ……!

 

「ふっ、ふふ……」

 

 私がハンバーグへの感動に打ち震えて、でも結局白米に落ち着いたりしていると、はす向かいの耳郎さんが口を押さえてプルプル震えていた。

 

「ど、どうしたんですか?」

「い、いや雪柳、ハンバーグごときに感動しすぎでしょ……完全に語彙力死んでるし、顔……ぷぷっ!」

「いやいや耳郎さん、ごときって。ちょっと食べてみてくださいって。本当においしいんですよ!」

「あ、いいなー私もちょーだい! ほら、マグロの山掛けと一口交換しよ!」

 

 とかなんとか、芦戸さんや耳郎さんとおかずを交換したりしながらも、私は舌鼓をずんどこずんどこと打ちっぱなし。幸福がすごい。

 それからしばし、アレがおいしいコレがおいしい、アレがおいしそうコレがおいしそうと話題は学食のメニューで持ち切りだったのだが、ふと、芦田さんが別の話を振ってきた。

 

「そう言えば雪柳さ、個性のこと緑谷とかに話したの?」

「あー、いえ、まだタイミングがなくってですね」

 

 忘れてた、とは言いづらいな。私の記憶能力は本当にポンコツだから、思い出したときじゃないと思い出せないのだ。

 でもまぁ、タイミングがなかったというのも決してウソではない。

 

「轟とか席近いんだし、早いとこ言っちゃえば?」

「轟くん……は、ちょっと。昨日の戦闘訓練で、たぶん、嫌われてしまったっぽくて」

「嫌われた? なんで? ボコボコにしたから?」

「いえ……言っていいのか微妙なんですけど、ほら、轟くんって炎の個性も使えてたじゃないですか。だから、戦闘中にどうして使わないのかって聞いたら、物凄い剣幕で『炎は使わない』って」

 

 あーそういえば、と芦戸さんも耳郎さんも、個性把握テストのときのことを思い出しているようだった。

 

「その後も、まぁ、このままじゃ負けちゃいますよーとか言ってみたんですけど、殺しに来そうなくらい睨まれてしまいまして」

「うわぁ、煽ったんかい」

「まぁ、『(ヴィラン)』役でしたし?」

「あっはは、雪柳ってば役者だね! でもそっか、何か事情があるのかな?」

「〝使えない〟ではなく、〝使わない〟と言っていた辺りが気になりますけど……とにかくそんなわけで、轟くんとはちょっとというかだいぶ気まずいです」

 

 とてもじゃないけど、昨日の今日で話しかけに行く勇気は湧かなかった。もっとこう、時間が経って風化してから、何食わぬ顔で行けそうなときに行こう。そうしよう。

 

「あとは、緑谷くんはいつでも行けそうですけど、爆豪くんは……」

「ああ、爆豪ね……」

「爆豪はね……」

 

 現時点でさえ轟師匠の方がまだ話に行きやすいレベル。もう、彼には教えなくてもいいかもしれないとすら思ってる。

 

「ま、そんな感じで三人中二人は難易度がベリーハードなんです。でも、そうですね、とりあえず難易度イージーな緑谷くんにはできるだけ早いうちに――」

 

 ――突然。

 

『セキュリティ3が突破されました。生徒の皆さんは速やかに屋外へ避難してください。繰り返します。セキュリティ3が――』

 

 大音量の警報と共に、そんなアナウンスが食堂中に――いや、学校中に響き渡った。

 

「え、なになに!?」

「セキュリティ3!? 何それ!?」

 

 芦戸さんと耳郎さんが腰を浮かせて、周囲をきょろきょろと見回す。私も思わず表情を固くして、周りの様子を伺った。

 

「校舎内に誰かが侵入したってことだ! 三年間でこんなの初めてだ! 君たちも早く!」

 

 誰かが質問をしたのか、ざわめく食堂のどこかからそんな言葉が聞こえてきた。

 

「――う、わ、ちょちょちょ!」

「危ないって! 押すなっての!」

 

 食堂の出入り口付近に陣取っていた私たちは、押し合いへし合い避難しようとなだれこんできた人の波に、あっという間に飲まれてしまった。

 

「――う、くっそ……! 芦戸さん、耳郎さん!」

 

 私はなんとか人ごみをかき分け、芦戸さんと耳郎さんの手を取った。それからこっそり個性を使って、我先にと逃げようとする生徒の波を無理やりに割って脱出を図った。首元から背中に氷を入れたのは申し訳ないと思っている。しかし後悔はしていない。

 

「う、げほっ。ごめん雪柳、助かった」

「ありがとう、雪柳……」

 

 むせる耳郎さんの背をさすりつつ、芦戸さんに頷きを返す。

 

「はぁ……天下の雄英生が聞いて呆れる。避難指示でパニックなんて小学生以下だ。とりあえず私たちは無事だからよかったけど、このままじゃ怪我人出るぞ……」

 

 舌打ちしたいのをぐっと我慢して、代わりにため息を吐いた。

 

「――っと、危ないな。芦戸さん、平気?」

「わっ! ……え、あ、うん。平気。うん」

 

 芦戸さんがまた人の波にさらわれそうになったので、ぐいっと肩を抱き寄せた。身体は同性なのでセクハラで訴えるのは勘弁してもらいたい……いや、更衣室で一緒に着替えてるんだし今更か。

 

「これ、どうやって収拾付けるんだ……って、芦戸さん? どうかした?」

「え!? い、いや、なんか……雪柳、口調が」

「へ? ……あ、あー……こほん、口調がどうかなさいまして?」

「いや、八百万みたいになってるけど!? それはそれで違くない!?」

 

 やべ。私も冷静じゃなかったみたい。無意識に擬態が解けてたらしい。

 

「――あっ、ねぇあれ!」

 

 耳郎さんが指をさした先は、食堂出入り口の上の方の壁。

 

 そこには、どことなく見覚えのある男子生徒が、非常口のピクトグラムのようなポーズで張り付いていた。

 

 

     ※ ※ ※

 

 

「委員長はやっぱり……飯田くんがいいと思います!」

 

 午後のHRでの委員決めで、委員長の緑谷くんが突然そんなことを言い出した。

 

 昼休み、食堂で壁に張り付いて大きな声を上げ、見事にパニックを収めたのは眼鏡を失った飯田くんだった。眼鏡がなかったから一瞬気が付かなかったのだが、声を聞いたことですぐにわかった。

 ちなみにあの騒動自体は、今朝方校門でたむろしていたマスコミが敷地内に侵入してきただけだったらしい。だけ、と言っても立派な不法侵入なんだけどね。彼らも仕事だというのはわかるけど、報道の自由は免罪符じゃあないんだから。

 

 で、話を戻すと、緑谷くんは食堂での飯田くんの姿を見て信頼を厚くしたらしい。あんなふうに人をまとめられる人物が委員長を務めるのが正しいと思う、とのことだ。

 まぁ、緑谷くんの言い分はわかる。彼とて決してお友達ごっこでそんなことを言い出したわけではないだろう。それに、緑谷くんに追随した切島くんの言う通り、食堂での彼は確かに大活躍だった。

 

 ……でも、ねぇ。

 

「あのー」

 

 私は一番後ろで手を挙げると、クラス中の注目が集まった。

 

「緑谷くんが飯田くんと代わるのは別にいいと思うんですけど、それだと八百万さんの立場がないと思うんです。なので、せめてもう一回、飯田くんとじゃんけんでもしておいた方が後腐れがないと思うんですけど」

「あ、そ、そうだよね! ごめん八百万さん、僕……」

「――いえ、いいんです緑谷さん。私は……私は、雪柳さんの期待に応えねばなりません! 飯田さん、勝負です!」

「む、八百万くん……わかった、受けて立とう! 勝った方が真の委員長だ!」

 

 ……それからというもの。

 

 飯田くんと八百万さんは、十回連続であいこを繰り返すという世紀の大熱戦を繰り広げた。

 有史以来、はたしてこうも白熱するじゃんけんがあっただろうか。ドローが続くたびに、教室中のボルテージがぶち上がっていった。

 

 そして、最終的に委員長の座を勝ち取ったのは、飯田くんだった。彼は決め手のチョキを天高く掲げ、歓声を一身に浴びた。

 八百万さんは教壇の上で崩れ落ちたけれど、すぐに飯田くんが手を差し伸べる。

 

 ――ノーサイド。

 勝負の後には勝者も敗者もない。

 彼らはこれから、二人三脚でクラスをまとめ上げていく相棒同士。昨日の敵は今日の友なのだ。

 

 興奮冷めやらぬ私たちは、惜しみない拍手でもって彼らの健闘をたたえたのであった。

 

「おまえら、いいから早く他の委員を決めろ」

 

 ま、相澤先生のそんな一言ですんなり教室は冷え切ったけど。

 ……でも、相澤先生もきっちり最後まで鑑賞してましたよねぇ?

 




「うっ、ううぅ、雪柳さん、申し訳ありません……私は、一度ならず二度までも……!」
「いいんです、いいんですよ八百万さん。あなたは一生懸命戦いました。あなたは私の期待に十分応えてくれましたから……!」
「あ、ああ、雪柳さん……!」


「ね、ねぇ耳郎? お昼の時の雪柳さ……」
「……な、何」
「か、かっこよかった……よね……」
「…………」
「わ、私、肩抱かれちゃって、なんか、すごいドキドキしちゃって……」
「待って芦戸、それ以上は……!」
「じ、耳郎も背中摩られてたよね!? ど、どど、どうだった……?」
「う、や……す、すごい優しい手つきで、あ、安心した、けど……」
「「…………」」
「雪柳は、女の子」
「う、うん。雪柳は女の子」




※氷雨の身長は女子にしてはちょい高めで168㎝。上鳴くん青山くんと同じで、デクくんよりちょい高め、尾白くん切島くんよりちょい低い。ヤオモモを除いた女子よりは10㎝前後高い。

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